女性が引越しを安全に行うための物件探し編の第2弾。一人暮らし用の目ぼしい物件が見つかり、周辺の治安にも問題がなさそうであれば、次は建物の防犯面の安全性を十分に確認しましょう。今回は、集合住宅のセキュリティー面でのチェックポイントについて解説します。
オートロック、モニター付きインターフォン対応マンションを選ぶ
女性が引越しを安心・安全に行うコツ【物件探し編①】では、おもに引越し先の治安チェックを中心にお伝えしました。地域の安全性がクリアされたら、次にチェックすべきは物件のセキュリティレベルです。下記は一例ですが、安全性チェックの参考にしてください。
マンションやアパートなどの共同住宅ではココをチェック!
- 管理人が常駐しているか
- エントランスがオートロックになっているか
- 玄関や廊下、エレベーターなどの共用部分に防犯カメラが設置されているか
- インターホンが、訪問者の顔を確認できるモニター画面付きになっているか
- 各住戸の玄関ドアが、錠前の二つある「ツーロック」になっているか
- 錠前がディンプルキーなどのような、ピッキング被害を受けにくいものになっているか
- 住戸のドアが十分な頑丈さを備えているか
オートロックの過信は禁物
オートロックとは、集合住宅に住人以外の人が無断で入ってこられないようになっている、エントランスにある自動ロック式の扉のことです。部屋を探す際にはオプションとして「オートロック付」の物件を指定して絞り込むこともよく行われています。
女性の場合、「オートロック付物件にしか住まない」と決めている方も多いのではないでしょうか。
オートロックといっても、種類によって、各住戸の鍵やICカード式の鍵を使うもの、指紋認証を使うもの、暗証番号を入力するものなど、さまざまな方式があります。鍵式の場合、一人暮らしの人はごみ出しや買い物などの際にうっかり鍵を忘れて外に出ると閉め出されてしまうので、慣れないうちは注意しましょう。
外部からの来客はインターホンで訪問先の住人を呼び出し、住人が訪問者を確認した上で解錠することになります。
もっとも、たとえマンションのエントランスがオートロック式になってるからといって、過信は禁物です。各住戸の金属の鍵を使う方式のものであれば、ディンプルキーなどの新型の鍵でない限り、鍵を簡単に複製できてしまいます。そうでなくても、住人が出入りする際に、ドアが開いたのを見計らって不審者が侵入してしまう恐れがあります。
また物件によっては、エントランスはオートロックになっていても、裏口部分のフェンスから簡単に乗り越えられそうな作りになっていることも。オートロック付のマンションを下見するときは、正面だけでなく、侵入されそうな足場や作りがないかなどの確認もしておくと安心です。
管理人と防犯カメラの存在も重要
それでも、玄関や廊下、エレベーターなどの共用部分に防犯カメラが設置され、管理人が常駐して、出入りする人を目視やモニターで常時チェックしているところであれば、不審者を撃退しやすくなります。
ただ、管理人が常駐している集合住宅は、どうしても住戸数の多い大型マンションなどになってしまうので、小規模のワンルームマンションや格安のアパートで、管理人常駐のところを探すのはむずかしいかもしれません。
また、マンションによっては平日の日中だけしか管理人が常駐していないところもあるので、夜間や休日に非常事態が起きた場合に管理会社や警備会社に緊急連絡して来てもらえるかどうかも確認しておきましょう。
ドアはツーロックがおすすめ
各住戸の玄関ドアの錠前については、最近では錠前が二つあるツーロックが推奨されており、実際にツーロックを装備するところが増えています。
鍵開けに10分以上かかれば犯罪者は侵入を断念
錠前はプロの手にかかれば、時間さえかければ開けられないものはないと言われる一方、警察庁の調査によれば、ドアをこじ開けるのに10分以上かかりそうな場合は、ほとんどの犯罪者は侵入を諦めるそうです。ツーロックなら解錠に要する時間が単純計算して2倍になるので、それだけ狙われにくくなります。
同じエリア内でツーロックとワンロックの住戸があれば、空き巣はワンロックの方へ行く確率が高くなるというわけです。
まだツーロックが標準装備されていない集合住宅の場合は、管理会社や大家さんに、ドアをツーロックにできるかどうか交渉してみてもよいでしょう。
ドアの鉄板の厚さにも注意
意外と盲点となっているのが、玄関ドアの鉄板の頑丈さです。いくらツーロックを装備していても、肝心のドアの鉄板が薄いと、バールなどでドアをこじ開けられたり、ドアに穴を開けてそこからサムターンを回して解錠する「サムターン回し」という手口の被害に遭いやすくなったりと、防犯性が低下してしまいます。
鉄板が厚いとドアが重くなって開け閉めが大変なので、最近のドアは、断熱材などで断熱効率は上がっていても、肝心の鉄板が防犯上十分な厚さを備えていないこともあります。
セキュリティーが万全なのはタワーマンション
全般的に建物内のセキュリティーが最も充実しているのが、近年各地で急増しているタワーマンションです。超高層の建物は住宅地では建築制限があって建てられないので、タワーマンションの多くは駅前などの市街地を中心に建設されており、通勤や買い物には便利な一方、必ずしも周辺の治安状況が良くないこともあります。
ただ、その分、オートロックや防犯カメラ、警備会社の防犯システムなどのセキュリティー態勢が充実しており、周囲の環境とは隔離された建物となっています。
タワーマンションでも低層階であれば、比較的家賃も安い上、ディベロッパーが売り物にしている充実した共用施設も利用でき、地震などでエレベーターが止まっても階段で移動できるという利点があります。駅から専用通路で直結しているようなところであれば、セキュリティー面からも狙い所かも?