認可保育園に通っている子どもがいる家庭では、引越しが決まったら、転居先で新たに認可保育園を探すことになります。保育園の待機児童問題が解消されない中、またイチから保活をスタートするのはなかなか大変です。引っ越し後、少しでもスムーズに認可保育園へ転園できるように、今回は認可保育園の転園手続きについて紹介します。
そもそも認可保育園は転園できる?
保育園のなかでも、施設の広さや保育士の人数、設備など、国が定めた認可基準をクリアし、都道府県知事に認可された保育施設を「認可保育園」といいます。自治体や社会福祉法人、NPO法人などが運営していて、国や自治体から補助金があるため、認可を受けていない「認可外保育園」に比べ、保護者が負担する保育料が安いというメリットがあります。
認可保育園から認可保育園への転園は、もちろん可能です。ただし、転園を希望する認可保育園に空きがある場合に限ります。都市部の激戦区は待機児童が多く、保育園に空きがないケースがほとんど。そのため、引越しが決まったら、できるだけ早く保活をスタートする必要があるのです。
まずは、引越し先の認可保育園を探すことから
保活はいわば「情報戦」です。引越しが決まったら、まずは転居先の地域の認可保育園を探しましょう。インターネットでも保育園の情報を集めることはできますが、保育園の選考基準は変更されることも多く、空き状況や待機児童数、応募状況など、最新の正確な情報を把握するためにも、自治体の担当窓口へ相談にいくのがおすすめです。認可保育園に空きがない場合は、通える範囲にある認可外保育園、自治体が行っている一時預かりサービスなども紹介してもらうといいでしょう。
認可保育園の転園手続きの流れって?
認可保育園の転園手続きの流れは、自治体によって異なります。ここでは一般的な流れを抑えて、詳細は自治体の担当窓口で確認しましょう。同じ市区町村、別の市区町村、いずれの認可保育園に転園する場合も、申し込みは郵送ではなく、直接窓口に提出して行います。
同じ市区町村の認可保育園に転園する場合
近距離の引っ越しで、同じ市区町村の認可保育園に転園する場合、基本的な手続きは新規の入園の際と同じです。自治体が定めた受付期間に必要書類を提出し、選考の結果を待ちます。毎月1日に入園を希望する場合、前月の10日前後までが受付期間で、20日前後に結果が出るという自治体が多いようです。
別の市区町村の認可保育園に転園をする場合
別の市区町村へ引越しをする場合、転園の申し込みをしたときに住民票を移していないと「管外協議」という扱いになり、選考の際に不利になることがあります。可能であれば、早めに転居先の自治体へ住民票を異動しておきましょう。
住民票を移す前でも、住宅の売買契約書や賃貸契約書の写しを提出して、確実にその自治体の住民になることを証明できれば、選考の際に不利にならない場合もあります。転居先の自治体に確認するといいでしょう。
すでに住民票を異動している場合、手続きは新規の入園時と同じです。自治体が定めた受付期間内に必要書類を提出して、選考の結果を待ちます。
認可保育園の転園手続きに必要な書類をチェック
認可保育園の転園手続きに必要な書類は、自治体によって異なります。自治体の担当窓口に確認しましょう。ホームページから書類をダウンロードできる自治体もあるので、利用すると便利です。
保育の利用申し込みには、市区町村から保育の必要性に応じた認定を受ける必要があります。認可保育園に入園できる認定は「2号・3号認定」です。認定を受けていない場合、支給認定申請書に世帯の状況や保育を必要とする理由を記入すれば、転園の申し込みと同時に申請することができます。
書類のなかには、世帯の所得状況など、保護者の勤務先企業に記入してもらう必要があるものもあります。時間がかかる場合もあるため、早めに準備をはじめましょう。
支給認定申請書
引用:申込みから入所までの流れ(目黒区)
保育の利用申込書
保護者が保育を必要とすることを証明する書類(勤務証明書、病状内容確認書等)
世帯の所得状況が確認できる書類
その他各家庭の状況に応じて必要な書類(受託証明書等)
現在通っている認可保育園の退園手続きも忘れずに
引越しが決まると、転居先での保活にばかり気を取られてしまいますが、いま通っている認可保育園の退園手続きも忘れずに。具体的な引越しの日は決まっていなくても、早めに伝えておくのがマナーです。退園の日には、先生やクラスの友達に感謝の気持ちを伝えましょう。