現在の住まいのキッチンがIHではなくガスコンロの場合、引越しの際にガスの使用停止手続きだけでなく、ガスコンロの取り外しが必要な場合があります。また新居がガスコンロで設置が必要なことも。自宅のコンロがどうなっているのか? 取り外しや設置が必要な場合はどうすればいいのか見ていきましょう。
ガスコンロは備えつけ? テーブルタイプ?
住まいが賃貸住宅の場合、ガスコンロが入居前から備え付けられていたものであれば、当然ながら新居に持っていくことはできません。逆に自分で備え付けたものである場合には、新居で使うかどうかに関わりなく、退去時に原状回復のため取り外して撤去する必要があります。
システムキッチンに組み込まれたビルトインタイプのガスコンロであれば、たいていは入居前から備品として備え付けられたものでしょう。テーブルタイプのガスコンロの場合には、もともと備え付けられていたものであることもありますが、自分で購入したものなら、必ず撤去しましょう。
都市ガスとプロパンガスの違いに注意!
ガスには都市ガス(液化天然ガス、LNG)とプロパンガス(LPガス、LPG)があり、それぞれの性質や供給方法が異なっています。万一ガス漏れした場合、プロパンガスは比重が空気より重いため床上に溜まるのに対し、都市ガスは軽いので上昇して天井部に溜まり、窓を開ければ排出できます。
さらに、都市ガスにも「12A」「13A」といった種類があり、広く普及しているのは「13A」というタイプです。「13A」の方が「12A」よりも発熱効率が良いため、大手のガス会社では多くのエリアで「13A」に切り替わっていますが、一部地域ではまだ「12A」を使っているところがあります。
都市ガス用のガスコンロは、よほど古い機種でない限り、「12A」と「13A」の両方に対応しています。また、最近のガスコンロでは、都市ガスとプロパンガスの両方に対応している機器もありますが、古い機種では相互に互換性がなく、ガス切り替えのための調整が必要となる場合もあります。
たとえば現在の住まいで都市ガスを使っていて、引越し先のガスがプロパンガスである場合には、都市ガス用のガスコンロをそのままでは新居で使えないこともあります。うっかりガスの種類に合っていないレンジを使ってしまった場合、火災や不完全燃焼による一酸化炭素中毒を引き起こす恐れもありますので気をつけましょう。
対応するガスの見分け方
ガスコンロをはじめとするガス機器には、対応するガスの種類を表示するラベルが貼られています。たとえば都市ガスであれば「12A・13A」といった表示があるはずです。
共有されるガスはホースの色で区別。都市ガスは薄ベージュ色
一方、供給されるガスは、安全のため、種類によってホースの色が決まっています。都市ガス用のホースは薄ベージュ色、プロパンガス用のホースはオレンジ色です。
また、プロパンガスの場合は家の裏などにガスボンベを置いて、そこから家の中にガスを引き込んでいますが、都市ガスは地中に埋設されたガス管を通って各家庭に供給されているので、ガスボンベはありません。
ガスコンロの取り外しや設置は自分でできる?
テーブル式のガスコンロは、給湯器など他のガス器具とは違って、自分で簡単に取り外しや設置ができます。ここではガスコンロとガス栓の接続の仕方を紹介します。
(1)ガスソフトコードを用意
まず、ガス栓とガスコンロを接続するガスソフトコード(ゴム管)を用意します。ガスコンロ用のガスソフトコードは直径9.5㎜のものです。
(2)ガスコンロとガスソフトコードを接続
ガスコンロの接続口は本体の後ろ側にあります。接続口の赤い線のところまでガスソフトコードをはめ込み、ゴム管止めで先端付近を固定します。
(3)ガス栓とガスソフトコードを接続
ガス栓の赤い線のところまでガスソフトコードをしっかり差し込んでから、ゴム管止めで固定します。なお、コンセント式ガス栓の場合は、別途、ガスソフトコード用ソケットが必要になります。
安全のため、新居でガス会社の担当者に開栓作業をしてもらう際に、ガスコンロなどのガス機器が適切に接続・設置されているか見てもらうと良いでしょう。
不要になったガスコンロの処分方法
引っ越し先の新居にすでにガスコンロや電磁調理器が設置されている場合、あるいは取り外したガスコンロが老朽化しているような場合には、ガスコンロを処分することになります。廃棄処分する場合は、お住まいの自治体の定めた処分方法に従い、粗大ごみに出しましょう。
粗大ごみの処分は多くの自治体では有料で、コンビニエンスストアなどで購入した粗大ごみ処理券をガスコンロに貼って、指定された日に指定の場所に置いて引き取りに来てもらうことになります。
たいていの自治体では事前予約制で、とくに春の引っ越しシーズンなどには粗大ごみの引き取り依頼が集中するため、すぐには処分できないこともあります。ガスコンロに限らず、粗大ごみとして処分する必要があるものについては、引越しが決まったら早めに引き取り予約をするよう心がけましょう。