特定優良賃貸住宅(特優賃)のメリット、デメリットとは?

  • LINEで送る
部屋探し

特定優良賃貸住宅は、一定の広さを備えた安全性の高い良質な住宅であることが保証されている上、公的な家賃補助が受けられるなど、さまざまなメリットがあります。ただその一方で、入居を申し込むにあたっては注意しなくてはならない点もあります。

特優賃住宅のメリット

家賃補助がある

特優賃制度では、入居する世帯の所得に応じ、本来家賃(契約家賃)の一部を国と地方自治体が補助し、入居者の家賃負担を軽減しています。

この家賃補助率は自治体によって、また住宅ごとにも違いがあります。家賃補助率が毎年減少していき、入居者の負担額が本来家賃と同額になるまで最長20年間にわたり実施されるという傾斜型のところもあります。

子育て世帯はさらにお得に

新婚世帯や子育て中の世帯については、さらに補助額が多くなるところもあります。たとえば、福岡市の特優賃制度では、夫婦ともに40歳以下で、婚姻届を提出した日から1年以内の新婚家庭か、または中学生以下の子どもがいる世帯については、補助額が増額されます。

広くてバリアフリー

自治体ごとの細かな違いもありますが、特優賃住宅は、原則として専有面積が65平方m以上で、バリアフリーなどの公的な建築条件を満たす物件となっています。

初期費用が抑えられる

特優賃制度で賃貸される住宅は、自治体の住宅供給公社などが民間から借り上げて供給する形式を取っているところが多く、入居者負担を軽減するという法の趣旨からも、礼金や仲介手数料がなく、入居時の一時負担が抑えられます。

一部の特優賃住宅には、一定期間は家賃が無料になるフリーレントが設定されている物件もあり、さらに初期費用が節約できます。

特優賃住宅の注意点

以上のようなメリットがある特優賃ですが、入居を申し込むにあたってはいくつかの条件をクリアする必要があります。

年収の上下限があり、所得に応じて家賃補助額も変わる

まず、特優賃の入居資格として収入の上限と下限が定められており、入居しようとする家族全員の収入が一定の範囲内に収まっている必要があります。

この点は、収入の上限額のみが定められている公営住宅とも、下限額のみが定められているURの賃貸住宅とも異なります。

◎福岡市住宅供給公社の場合

たとえば福岡市住宅供給公社の場合、特優賃の入居基準として、世帯所得が月額20万円(40歳未満の場合は15万3000円)以上で、かつ60万1000円以下の範囲内と定められています。

また、家賃補助額は収入額に応じて毎年変わります。このため、給与明細や源泉徴収票など、収入額を証明する書類の提出が必要となります。入居してからも、毎年、所得を証明する書類を提出する必要があり、この点を煩わしく感じる入居者もいるようです。

国籍要件がある

入居を申し込むには、日本国籍であるか、外国人の場合は「中長期在留者」または「特別永住者」である必要があります。

単身者は入居できない

特優賃の制度は原則としてファミリー世帯を対象としたものです。このため、一部の物件を除き、単身者は入居できないほか、友人同士でのルームシェアもできません。

正式に結婚していない内縁関係の場合は、住民票で「未届の妻」「未届の夫」の記載が確認できることが必要となります。

婚約中のカップルである場合は、原則として入居日までに結婚する予定であることを証明する書類の提出などが条件とされています。

入居申込情報は警察に照会される

入居する家族全員が暴力団対策法に基づく指定暴力団の構成員でないことも要件となっています。この点の確認のため、たとえば福岡市の場合、入居申し込みをするとその情報は警察に照会されます。

特優賃の適用は最大20年間

住宅用の建物が特優賃制度の適用が受けられるのは最大20年間です。期間満了後は特優賃住宅ではなくなり、家賃補助も受けられなくなります。

入居は抽選

特優賃の入居希望者は多く、入居資格を満たしていて入居を申し込んでも抽選になることがほとんどです。とくに大都市周辺では競争率も高いため、希望の物件に入居できるとは限りません。

まとめ

収入条件や、適用期間の限定など、何かと条件が厳しい特優賃(特定優良賃貸)ですが、利用条件に当てはまる方は、申込みしてみてもいいかもしれませんね。