引っ越し先に備え付けのコンロがIHクッキングヒーターだった場合、あるいはこれまで使っていたガスコンロからIHに買い換える場合、手持ちの鍋やフライパンがそのまま使えるのかが気にかかるところです。今回はその見分け方を解説します。
IHクッキングヒーターで使えない鍋があるってホント?
IHクッキングヒーターでは、鍋の材質や鍋底の形状などにより、使える鍋と使えない鍋があります。
基本的には金属を使った鍋にのみ対応しており、土鍋やガラス鍋は使えません。また、鍋をトッププレートに密着させることで加熱する仕組みのため、鍋底が平らなものしか使えません。
IHクッキングヒーターの種類による違い
IHクッキングヒーターには、鉄・ステンレス対応のものと、オールメタル対応のものの2種類があります。
オールメタル対応のIH
オールメタル対応IHであれば、金属製の鍋であればどれも対応しています。使えないのは耐熱ガラスやセラミックの鍋、土鍋など、非金属の鍋だけです。
鉄・ステンレス対応IH
鉄・ステンレス対応IHの場合、その名の通り、鉄や鉄ホーロー、ステンレス製の鍋のみに対応しています。
金属製であっても銅やアルミニウムで作られた鍋は使えません。また、多層鍋のうち鍋底に磁石が付かないようなもの、つまり外層も中間層も非磁性ステンレスや銅、アルミニウムのみで作られているものでは加熱できません。
多層鍋のうち鍋底に磁石が付くもの、つまり外層や中間層に鉄などの磁性金属層を使っているものであれば対応しますが、鍋の種類によっては、火力が弱くなったり加熱できなかったりするものがあります。
鍋の大きさと形状による制限
鍋底は平らでなくてはいけない
IHクッキングヒーターで調理するには、ヒーターのトッププレートと鍋を密着させる必要があるため、鍋底が平らなものでなくては使えません。鍋底が丸いものや、脚が付いている鍋などには対応していません。
鍋底の大きさによる制限
キッチン備え付け型のIHクッキングヒーターの多くではトッププレートは3つありますが、手前側の左右2つと後ろ側の1つでは大きさが違っています。
この違いにより、鍋の底径(鍋底の平らな部分の直径)は、手前側のプレートでは12〜26cm、後ろのプレートでは12〜18cmのものに対応しています。
鍋の重さによる制限
さらに、オールメタル対応IHヒーターのみで使える銅やアルミニウムの鍋などについては、底径が15〜26cmであることに加えて、中に入っている調理物と合わせた重さが約700g以上であることが必要となります。
軽すぎると加熱中に鍋が動くことがあります。
また、底径が小さすぎると火力が弱くなるほか、安全機能が働いてスイッチがオフになることもあります。
IHで使える鍋、使えない鍋の簡単な見分け方
使えない鍋を載せると火力表示が点滅
お手持ちの鍋がIHクッキングヒーターで使えるかどうかを簡単に見分けるには、水を入れた鍋をIHヒーターに載せ、スイッチを入れてみましょう。
IHが使える鍋であれば、火力表示が点灯します。使えない鍋の場合は、火力表示が点滅し、約1分後には表示が消えてスイッチがオフになります。
磁石をくっつけてみる
冷蔵庫などに貼る柔らかいマグネットを鍋に当ててみましょう。くっつけばIHに対応しています。ただし、アルミニウムの鍋は磁石がくっつきませんが、オールメタル対応のIHであれば使えます。
売り場ではシールやタグに表示
現在使用中の鍋ではもうはがしてしまっているかもしれませんが、店頭ではIH対応の鍋の場合、シールやタグでその旨の表示がされていることがあります。
まとめ
手持ちの調理器具がIH対応かどうなの判定方法がおわかりいただけましたでしょうか?
引っ越し先のコンロがどちらなのかの確認をするとともに、「これどっちだろう」と思う対応可否が不明な鍋やフライパンなどは、ご紹介した方法で判定してみてくださいね。