引っ越しを機に買い替えはアリ?家電の寿命と買い替えのタイミング

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家電の寿命と買い替え時

引っ越しは、新しい生活のはじまり。どうせなら家電も新調して、快適に新生活をスタートできたら気持ちいいですよね。そこで気になるのが、家電の買い替え時期。引っ越しは、家電の買い替えに適したタイミングなのでしょうか? ここでは、家電の寿命から買い替えるときの注意点、古い家電の処分方法までをまとめます。

買い替えのタイミングはいつ? 家電の寿命をチェック

各家電メーカーからは、毎シーズン、より性能がアップした新しい家電が発売されています。気になってはいるものの、「いまの家電がまだ使えるから……」と、買い替えに二の足を踏んでいる人も多いのでは?

けれど、どんなに優秀な家電にも寿命はあります。それまで問題なく使えていたのに、突然動かなくなってしまった……というのは、よくある話です。壊れてから困らないように、まずはおもな家電の寿命と、買い替え時のサインをチェックしておきましょう。

家電の寿命の平均は6~10年

家電の寿命は、製品や使用頻度にもよりますが、一般的に6~10年ほどされています。家電メーカー・Panasonicのサイトでは「補修用性能部品の保有期間」が公開されていますが、これは、製品が故障したときに備えて、メーカー側が補修用の部品を保有している期間のこと。製品が故障したとき、修理に対応できる期間があらかじめ定められているのです。裏を返せば、この期間以上使っていたら、なにかしらの不具合が出るものだとメーカー側も考えているということ。「補修用性能部品の保有期間」は、「家電の寿命」とも言えそうです。

Panasonicでは、おもな家電の「補修用性能部品の保有期間」を以下のようにしています。ご自宅の家電は、何年くらい使用していますか? 大事に使用することで、すでに保守用性能部品の保有期間を過ぎているものもあるかもしれませんね。

補修用性能部品の保有期間

冷蔵庫
9年
縦型洗濯乾燥機・洗濯機7年
ドラム式洗濯乾燥機6年
エアコン10年
電子レンジ8年
ガスレンジ8年
テレビ8年
ジャー炊飯器6年

出典:補修用性能部品の保有期間(Panasonic)

知っておきたい! 家電の買い替え時のサイン

「補修用性能部品の保有期間」は、家電の寿命の目安になりますが、使用頻度によっても大きく変わります。急に壊れてしまって困らないように、各家電の買い替え時のサインをチェックしておきましょう。買い替えのタイミングをはかる、判断材料のひとつになるはずです。

冷蔵庫(寿命:約9年)

冷蔵庫・冷凍庫内を冷やす役目を果たしているのが、コンプレッサーという装置。コンプレッサーの機能が低下してくると「ブーン」という異音がするようになり、冷蔵庫・冷凍庫の冷えが弱くなります。とくに冷凍庫には顕著にその症状が表れるので、氷が溶けるなどの変化が見られたら注意が必要です。一般的に冷蔵庫の寿命は9年程度とされていますが、食材や飲料が冷やせないと苦労するので、早めに買い替えを検討しましょう。

縦型洗濯乾燥機・洗濯機/ドラム式洗濯乾燥機
(寿命:約6~7年)

縦型とドラム式、いずれもの場合も、以前より運転中の音がうるさくなった、ガリガリといった異音がする、水漏れがする、脱水が止まらない、脱水が不完全などといった症状が表れたら注意が必要です。

洗濯機の寿命は6~7年と言われていますが、使用頻度が高ければ、短くなることも十分あります。騒音や水漏れは近隣の迷惑になるケースもあるので、早めに対処しましょう。

エアコン(寿命:約10年)

冷暖房の効きが弱くなるほか、エアコン本体から水が垂れる、エアコン本体や室外機から異音・異臭がする、操作しても反応がないといった症状は、寿命が近づいているサインです。

エアコンの寿命は一般的に10年程度ですが、使用頻度によっても変わります。真夏や真冬の時期、突然エアコンが効かなくなっては大変です。買い替えを検討するといいでしょう。

引っ越しを機に家電を買い替えるメリット・デメリット

では、家電は引っ越しのタイミングで買い替えたほうがいいのでしょうか。メリットとデメリット、注意点をそれぞれまとめます。

引っ越しにあわせて家電を買い替えるメリット

引っ越しと同時に家電を買い替えた場合、古い家電を新居まで運ぶ必要がなく、引っ越し費用を節約できるのが最大のメリットでしょう。とくに冷蔵庫や洗濯機のような大型家電を運ぶには、その分、時間もお金もかかるもの。古い家電は旧居で処分し、新しい家電を直接新居に搬入してもらえば、荷物の量をぐんと減らすことができます。さらに引越会社ではオプションサービスとして不用品の引き取りを行っているので、家電によっては、引っ越しと同時に処分できる場合もあります。

引っ越しにあわせて家電を買い替えるデメリット

引っ越し前は荷造りや旧居の片付け、住民票の変更といった手続きなど、やるべきことが山のようにあります。家電の性能や価格を比較して購入するには、それなりの時間と労力がかかるため、引っ越し前の負担はより増えることになるでしょう。さらに、引っ越し当日に新しい家電を搬入するなら、引っ越しの慌ただしい最中、搬入の時間も見込んでスケジュールを組む必要があります。このあたりに気をつけましょう。

<メリット>

  • 新居に運ぶ家電が減るため、引っ越し料金を節約できる
  • 古い家電を引っ越し会社に処分してもらえる
  • 新しい家電で、快適に新生活をスタートできる

<デメリット>

  • 引っ越し前の忙しい最中に、家電を購入しなければならない
  • 引っ越し当日、新しい家電の搬入時間を割かなければならない
  • まだ使える家電を手放すことになる

【家電別】引っ越しを機に家電を買い替えるときの注意点

冷蔵庫

ほとんどの場合、キッチンに冷蔵庫置き場が設けてあります。買い替えた冷蔵庫が入らないといったミスを防ぐためにも、事前に正確なサイズを測っておきましょう。冷蔵庫を設置するには両脇に0.5㎝以上、上部には5㎝以上、放熱用のスペースが必要なので、その分を確保します。扉の開閉方向も確認しておきましょう。

また、とくに大型冷蔵庫の場合は玄関やエレベーター、廊下、階段を通れるか、搬入経路もチェックしておきましょう。一般的に家電を搬入する際は、本体の寸法+10㎝の幅が必要とされています。

洗濯機

冷蔵庫と同様、洗濯機置き場のサイズを正確に測っておきましょう。縦型洗濯機は置けても、幅が広いドラム式洗濯機は設置できないケースもあります。また、給水栓の高さによってもドラム式洗濯機が設置できないこともあるので、十分な確認が必要です。また、冷蔵庫と同じく、搬入経路の確認もしておきましょう。

エアコン

エアコンのない部屋に新たに設置するには、配管用の穴を開ける必要があります。賃貸物件の場合、貸主や管理会社に許可を取りましょう。エアコン本体を設置するには天井までの高さが5~10㎝以上、左右の壁まで5㎝以上、室外機を設置するには背面に5㎝以上、手前に25㎝以上、両脇に5㎝以上のスペースが、それぞれ必要になります。ベランダや外廊下に室外機を置くスペースがないときは、別途工事が必要になるので注意が必要です。

冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビの処分の方法

家電を買い替えると、それまで使っていた古い家電を処分することになります。家電によって処分方法はいくつかありますが、冷蔵庫、洗濯機・衣類乾燥機、エアコン、テレビの「家電4品目」は「家電リサイクル法」の対象で、他の家電とは扱いが異なるので注意しましょう。

家電リサイクル法とは?

家電リサイクル法とは?
特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)は、一般家庭や事務所から排出されたエアコン、テレビ(ブラウン管、液晶・プラズマ)、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機などの特定家庭用機器廃棄物から、有用な部品や材料をリサイクルし、廃棄物を減量するとともに、資源の有効利用を推進するための法律です。

引用:家電4品目の「正しい処分」早わかり!家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)(経済産業省)

家電4品目は、新しい家電を購入した小売業者に引き取ってもらうのが一般的。処分する際、<リサイクル料金>と<収集・運搬料金>を支払うことが法律で義務付けられています。<リサイクル料金>は、家電メーカーがリサイクルするために必要な費用で、料金は対象家電の製造メーカーによって異なります。以下は、リサイクル料金の一例です。

リサイクル料金例

●冷蔵庫・冷凍庫
170リットル以下3,672円~、171リットル以上4,644円~
●洗濯機・衣類乾燥機
2,484円~
●エアコン
972円~
テレビ
液晶・プラズマ(15型以下)1,836円~、液晶・プラズマ(15型以上)2,916円~

※平成29年4月1日現在
※税込み。別途収集・運搬料金が必要です。

出典:家電4品目の「正しい処分」早わかり!家電リサイクル法(特定家庭用機器再商品化法)(経済産業省)

一方、<収集・運搬料金>は、家電の小売業者が古い家電を回収し、運搬するための費用。こちらも、料金は小売業者によって異なるので、確認が必要です。「一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター」のウェブサイトでは処分にかかる詳細な料金を確認できるので、活用するといいでしょう。

指定引取場所への持ち込みも可能

家電4品目は、新しい家電を購入した小売業者に引き取ってもらうケースが大半ですが、処分する家電を購入した小売業者に引き取りを依頼することも可能です。購入した小売業者がわからないときは、住んでいる市区町村のホームページなどで処分方法を確認して、案内に従って処分しましょう。

また、郵便局で家電リサイクル券を受け取り、あらかじめ振込方式で料金を支払えば、指定の引き取り場所に自分で直接持ち込むことも可能です。その場合は、<収集・運搬料金>を節約できます。

有料? 無料? その他の家電の処分方法

家電リサイクル法の対象になっている冷蔵庫、洗濯機、エアコン、テレビ以外の家電は、どのように処分すればいいのでしょうか。家電の処分方法をチェックしましょう。

引っ越し業者に引き取ってもらう

引っ越しのタイミングで家電を買い替えるなら、古い家電は、引っ越し業者に引き取ってもらうと処分の手間が省けます。ほとんどの引っ越し業者では、有料のオプションサービスとして不用品の引き取りを行っているので、確認しましょう。また、家電リサイクル法の対象の家電も、引っ越し業者によっては引き取ってもらえる場合があります。

自治体に回収してもらう

住んでいる市区町村に依頼すれば、粗大ごみとして格安料金で回収してもらえます。たとえば、東京都・渋谷区の場合、電子レンジは400円、炊飯器は400円、アイロンは400円(30㎝未満のものは不燃ごみ)。小ぶりなものなら不燃ごみとして無料で回収してもらえますが、引っ越しなどで一度に多量のごみを出す場合は有料になるので注意が必要です。市区町村により、回収方法や処理手数料は異なるので確認しましょう。

リサイクルショップに売る

まだ新しくて価値のある家電なら、リサイクルショップに売るという方法もあります。家電リサイクル法の対象の4品目も、リサイクルショップへ売ることが可能です。処分費用がかからないどころか、高値で買い取ってもらえる場合もあります。

一般的に5年以上使用した家電は買い取りが難しいと言われていますが、無料でも引き取ってもらえれば、処分費用が節約できます。また、出張買い取りに対応しているリサイクルショップなら、運搬費用を節約できるメリットもあります。

家電はタイミングを見極めて買い替えよう

いかがでしたか? 一般的に家電は、ボーナス時期の7月と12月、年末年始、決算期に安くなると言われています。また、家電ごとに異なりますが、モデルチェンジで新商品が店頭に並ぶ頃は、旧商品がぐんと安くなることも。家電が安くなるタイミングと引っ越しの時期が合えば、引っ越しでの買い替えを検討してもいいかもしれません。買い替えの際は、古い家電の処分方法も忘れずに確認してくださいね。