引越しの際の着物の運搬は、どうするのが正解なのでしょうか? 正絹の高価な着物や帯を、ほかの荷物と一緒に運んでもらって大丈夫なのか…、着物好きなら不安になるところです。高価な着物を汚されたくない、大事に運んで欲しいとい方に、知っておいてほしいポイントをまとめました。
着物や帯をキレイに運ぶためのポイント
着物や帯をキレイに運ぶためには、「汚さない」「シワをつけない」ようにすることが大切です。引越会社のスタッフはプロですが、念には念を入れて、自分でも気をつけるべきところは押さえておきましょう。
- 着物や帯に直接手が触れないように「たとう紙」に入れる
- 着物専用の段ボールを利用する
- 桐箪笥に入ったままで運搬OKと言われた場合は、緩衝材などで着物が動かないようにする
- 着物を入れた段ボールは水平に運ぶ
引越会社のスタッフは、着物の運び方を心得ているとは思いますが、ときには新人スタッフがいることも。見積りの時点で着物が荷物にあることを伝えるのはもちろん、当日も、きものが入っているので水平に運んでほしいこと、段ボールを縦置きしないでもらいたいことなど、一声かけると安心です。
着物専用の段ボールがある引越会社
大手の引越会社では、引越し用の段ボールを無料サービスするところが少なくありません。とはいえ、大、中、小など業者ごとの基本の段ボールサイズでは、着物を仕舞っておく「たとう紙」のまま入れるのはむずかしいのが実情です。
着物用「たとう紙」のサイズ
着物のたたみ方はいくつかありますが、収納する場合は「本だたみ」と言われるたたみ方をします。これは身丈(肩から裾まで)をちょうど半分にした長さになるため、着物用のたとう紙のサイズは長さが85センチ~90センチくらいが一般的です。
では、引越会社の段ボールサイズはどのくらいでしょう? だいたい大サイズでもでも、長辺60センチ程度のことが多いようです。そうなると、着物を仕舞うには、たとう紙に入れた状態でさらにもう1回、折りたたむ必要があるわけです。
できるだけ、着物に変なシワがつかないようにするためには、着物がたとう紙のまま入る段ボールが不可欠。だからこそ、引越会社の中には、一般的な段ボールとは別に、着物専用の段ボールを用意しているところがあるのです。
着物専用の段ボールに対応している引越会社一例
引越会社 | 和装用 段ボールサイズ | 価格(税抜) 1個 |
アート引越センター | ヨコ:935mm タテ:360mm 高さ:200mm | 450円 |
アーク引越センター | ヨコ:870mm タテ:330mm 高さ:200mm | 300円 |
ハート引越センター | ヨコ:850mm タテ:365mm 高さ:195mm | 400円 |
アリさんマークの引越社 | ヨコ:905mm タテ:370mm 高さ:190mm | 400円 |
日本通運 | ヨコ:850mm タテ:360mm 高さ:200mm | 500円 |
SGムービング | ヨコ:905mm タテ:370mm 高さ:190mm | 400円 |
アクティブ感動引越センター | ヨコ:905mm タテ:370mm 高さ:190mm | 800円 ※請負金額で変動 |
ベスト引越センター | ヨコ:886mm タテ:406mm 高さ:180mm | 350円 |
スター引越センター | ヨコ:886mm タテ:406mm 高さ:170mm | 800円 |
ムービングS | ヨコ:840mm タテ:400mm 高さ:245mm | 1,000円 |
※段ボールの価格は定価です(2019年5月時点)。ただし、請負金額や必要枚数によって価格が変動することもあるため、一覧を参考に、実際に利用される際には引越会社に確認してください。
和装用段ボールは通販でも入手可能
依頼したい引越会社が、着物用の段ボールを持っていない場合も、あきらめて折りたたむという選択をする前に、着物専用の段ボールを自分で入手しましょう。
「そんな特殊サイズの段ボールはどこにあるの?」と思うかもしれませんが、「着物 段ボール」「和装 段ボール」などで検索すれば、通販サイトの商品候補がズラリ。意外と簡単に入手可能です。
お手持ちの着物や帯が何枚あるのか確認し、注文するとよいでしょう。もし、普段、たとう紙に入れずに着物を保管しているという方は、この機会にたとう紙を購入するのもお忘れなく。着物が汚れるのを防ぐ意味でも、たとう紙に入れたうえで、着物専用段ボールに入れるのがおすすめです。
引越後は、着物の状態をすぐに確認!
万全の体制で着物を荷造りし、運搬完了しても、安心するのはまだ待って! 着物の入った段ボールを新居で長期間放置してしまうと、シワやシミ・カビの原因に。
なるべく早く開梱し、運搬時に着物が寄ってシワになっていないかなど確認しましょう。長時間放置しなければ、着物を出して衣紋掛や着物ハンガーに吊るすことで、シワを取ることが可能です。
段ボールは水分を吸収しやすく、段ボールに入れたままではカビの原因にもなりやすいので、段ボールから出して、収納することも大切です。着物は、お手入れも大変。大事に扱って、よい状態をキープするようにしましょう。