引っ越し先で押さえておきたい病院の種類とは?

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引っ越し先の病院

引っ越しが決まったら、治療中の病気を抱えている人はもちろん、現在は通院の必要がない場合でも、万一に備えて駆け込める医療機関の場所をチェックしておきましょう。

引っ越してから病院不足に悩まされることがないように、物件探しの段階から病院探しもできるのが理想です。

まずはかかりつけとなる内科の診療所を確保

現在の医療制度では患者の意思で、小さな診療所から大きな総合病院まで、自分の受診する医療機関を自由に選べます。

ただし大病院を紹介状なしで受診すると、特別料金が徴収される仕組みになっています。

これは、ふだんのかかりつけ医の機能を小規模な地域の診療所などが担当し、手術や救急医療などは大病院が担当する、分業体制を確立するための設定です。

そこで、まずはかかりつけ医となる診療所などの地域医療機関を見つけることが大切です。

ちなみに法律上、診療所とは入院のためのベッド数が19床以下、または入院設備のない医療機関のことをいい、「医院」「クリニック」といった名称を掲げているところもあります。

病院とはベッド数20床以上の医療機関のことで、500床以上の大病院を医師の紹介状なしで受診すると、特別料金がかかります。

診療所ベッド数:19床以下
または、
入院設備がない医療機関
病院ベッド数:20床以上

基本的には、かかりつけ医は内科の医院や診療所となるでしょう。内科は生活習慣病などの幅広い診療領域に対応しているほか、軽い皮膚炎や目の病気などについても治療薬を処方してくれることもあります。

子どもがいる場合は小児科、小児歯科も

小さなお子さんがいる場合は、かかりつけ医となる小児科と小児歯科も見つけておきましょう。

小児歯科は、厚生労働省の認可を受けた、高度な小児歯科に関する専門的知識並びに治療技術を有する歯科医師です。

お子さんにとってはじめての歯医者さんは、お子さんの口の健康を一生左右すると言っても過言ではなく、子どもの歯や口内を良く知っている先生に診療してもらうことが大切です。

小児科医・小児歯科医の探し方

かかりつけにする小児科医や小児歯科は、健康診断や予防接種を受けるチャンスを利用するなどして見つけられます。

また小児歯科の専門医は、日本小児歯科学会の公式サイトからも探せます

地域によっては、妊娠中に小児科医に赤ちゃんのことを相談できるプレネイタル・ビジット(出産前小児保健指導)という公的サービスがあります。

将来のかかりつけ医・かかりつけ歯科医を探す機会として活用してみましょう。

夜間・休日の医療体制をチェック

夜間や休日に診療可能な医療機関がどこにあるかも確認しておきましょう。仕事を持っている人の場合、平日の日中にはなかなか通院できないため、夜間まで診療をやっているかどうかが重要です。

また、夜間や休日に具合が悪くなった場合にも備えておく必要があります。

最近では、小規模な医療機関でも曜日によって夜間診療に対応しているところが増えています。かかりつけ医となる診療所が夜間診療に対応しているかもチェックしておきましょう。

夜間・休日診療を行う医療機関については、各自治体のホームページに掲載されています。

休日に急病になってしまった場合には、自治体によっては休日急患センターを設けているところがあり、最低限の応急処置をしてもらえる場合があります。こうした施設の有無もチェックしておきましょう。

治療中の病気がある場合は、その専門医を

現在治療中の病気がある場合は、その専門医のいる医療機関も確認しておく必要があります。

とくにがんの治療を受けている人については、厚生労働省が、どこにいても誰でも安心してがんの治療が受けられるように「がん診療連携拠点病院」の指定を進めています。

がん診療連携拠点病院では、

  • がんに関する診療体制(診療機能、専門的な医師や他医療従事者の配置、治療機器や治療室等の設置)
  • 情報の収集と提供の体制(相談支援センターの設置な)
  • 他の医療機関との連携

など、国が定めた基準を満たしています。

各地域のがん診療連携拠点病院の情報は、国立がん研究センターがん対策情報センターの「がん情報サービス」のホームページで調べましょう。

医療情報ネットの活用を

必要な科や病院をいろいろ探すのは大変ですが、各都道府県から提供されている「医療機能情報提供制度(医療情報ネット)」を活用すれば、全国各地の医療機関について情報を得ることができます。

上手に使って、引っ越し後も安心した生活が送れる環境を整えましょう。