公的に家賃が補助される「特定優良賃貸住宅(特優賃)」とは?

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特定有料賃貸住宅(特有賃)は、一定の基準を備えた良質な住宅であるだけでなく、国や自治体から家賃補助が受けられるお得な賃貸住宅です。今回はこの特有賃について解説します。

特定優良賃貸住宅とは

特定有料賃貸住宅(特有賃)とは、特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律(特有賃法)に基づいて建設された賃貸住宅のことで、中堅所得層のファミリー世帯を居住対象にしています。もともとは公共部門による子育て世帯向けの住宅供給がなかなか需要に追いつかない中で、民間の活力を使って良質な住宅を供給するために生まれた制度です。

特優賃には、土地の所有者(オーナー)が国や県または市からの補助と住宅金融公庫等の資金を利用して住宅を建設し、これを各自治体の住宅供給公社やJAなどの事業者が借り上げて管理するものと、地方自治体や住宅供給公社が自ら建設するものがあります。

この特優賃に入居すると、自治体や国が最長20年間、入居者の所得に応じて賃貸料を一部補助してくれます。

特優賃の制度そのものは、2007年度に「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」などと一本化されて「地域優良賃貸住宅制度(地優賃)」に再編され、子育て世帯向けの旧特優賃は「地優賃(一般型)」と呼ばれるようになりました。

さらに2011年度には再び制度が再編され、旧「地優賃(一般型)」は「子育て世帯向け住宅」という名前に変わりました。ただ、特優賃という呼称は今も使われており、根拠法(特優賃法)も変わっていないため、ここでも特優賃と呼ぶことにします。

なお、特優賃の中には、自治体によって「都民住宅」「区民住宅」などと呼ばれるものもあります。公営住宅である「都営住宅」などと名称が似ているので、ちょっと紛らわしいのですが、根拠法令や入居対象となる所得階層は異なっています。

他の公的住宅制度との違い

公的な賃貸住宅の制度としては、特優賃のほかに、公営住宅やUR賃貸住宅などがあります。これらと特優賃との違いを比べてみましょう。

公営住宅は低所得層向け

公営住宅は、公営住宅法に基づいて地方自治体が建設したり民間から借り上げたりして管理する賃貸住宅です。ファミリー世帯向けで単身者は入居できない点や、家賃負担が民間賃貸住宅に比べて安くなる点では特優賃と似ています。しかし公営住宅は低額所得者向けの住宅で、入居資格は原則として所得が国民全体の中で下から25%以内に入る人に限られ、収入上限額が定められています。

UR住宅は一定以上の所得がないと入れない

一方、UR賃貸住宅は、独立行政法人都市再生機構法に基づいて都市機構(UR、旧日本住宅公団)が建設、管理する賃貸住宅です。

主にファミリー世帯向けではありますが、同居家族のいない単身者が入居できる物件もあります。また入居資格として収入の上限はない代わりに下限は設定されており、毎月一定以上の収入がなければ入居できません。家賃については近隣の民間賃貸住宅の家賃相場と同水準になるよう定められており、国や自治体による家賃補助はありません。

特優賃は中間層向けで家賃補助付き

公営住宅やUR賃貸と比べると、特定優良賃貸住宅は中堅所得層向けの賃貸住宅で、所得については原則として国民全体の中で下から25〜50%の人が対象となっています(収入基準については、自治体によって別の基準を設けることもできます)。つまり、特優賃では入居資格として収入上限と下限の両方が定められているのです。

一定以上の収入がある中間層向けの住宅でありながら、収入に応じて家賃補助を受けられる点が、特優賃の大きな特色です。

また、特優賃は主に子育て中のファミリー世帯を対象とした住宅で、原則として単身者は入居できません。

家賃補助は最長20年まで

特優賃で家賃補助が受けられるのは最長で20年間までです。家賃補助額は入居世帯の毎年の収入に応じて変わるため、入居時だけでなく、毎年世帯全員の所得を証明する書類を提出する必要があります。

20年を過ぎると、民間から借り上げた特優賃であれば管理が民間に移され、一般の民間賃貸住宅となります。

入居資格満たしても入居できないことも

このように特定優良賃貸住宅は家賃補助が受けられるうえ、国や自治体の基準に基づく良質な居住環境が保証されているため、人気が高く、入居資格を満たしていてもなかなか希望の物件に入居できないことが多くなっています。

それでもチャレンジしてみたいという方は、特定優良賃貸対象の物件を探してみてください。賃貸物件情報サイトなどでも検索可能です。

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