離婚で引越しする場合に必要な費用まとめ

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離婚

離婚をすると、引越しの必要もうまれます。それなりの金額が必要になる引越し。相手に離婚原因がある場合は、引越し費用は請求できるのでしょうか? 今回は、法律ではどうなっているのか、離婚で引越しをする場合に必要な費用の負担額、請求額を見ていきます。

離婚で引越しが決定。必要な費用はどれくらい?

離婚で物入りなとき、引越し費用がどれくらいかかるのかは気になるところです。実家に戻る…などの場合以外は、住む場所と、引越しそのものの費用がかかってきます。では、引越しの初期費用には、どんなものがあるのでしょうか?

引越初期費用一例

  • 敷金/礼金:大阪は保証金
  • 家賃
  • 仲介手数料:家賃の0.5~1ヵ月分
  • 鍵の交換代:15,000円~20,000円程度
  • 火災保険料:4,000円~10,000円前後
  • 引越費用

敷金、礼金は、1ヵ月~2ヵ月に設定されることが多く、仲介手数料は家賃の0.5ヵ月~1ヵ月分、鍵の交換が15,000円~20,000円程度が相場です。火災保険料は、契約の時に案内される火災保険ではなく、自分で選ぶ場合などは、年間4,000円程度からあります。

なお、保証人などがいない場合は、保証人代行サービスなどを利用する必要があり、その場合、家賃の20%~100%が相場になるようです。

なお、火災保険料や保証人代行サービス費用、引越し費用を除いた基本の引越初期費用では、東京の場合は家賃の3~4ヵ月分(新築の場合は+2ヵ月)、大阪の場合は、家賃の6~8ヵ月といわれています。

慰謝料

離婚した場合には慰謝料が発生します。慰謝料は、離婚原因を作った側が謝罪の意味を込めて相手に支払う費用です。ですので、仮に離婚の理由が夫側の浮気だった場合、妻は夫に慰謝料を請求することができます。また、妻の方に原因があればその逆となります。

財産分与

財産分与とは、夫婦が結婚生活中で築いた財産を、分配することです。たとえば、いま住んでいる家が持ち家だった場合は、家の価値を金額に換算して夫と妻で分けることになります。その他にも家具や家電など、夫婦で生活をしていたなかで得たものであれば同様に分けることができます。

教育費

子どもがいる場合は、その子どもを育てるのに必要な金額を離婚後も相手に支払う費用として、養育費が発生します。仮に親権を妻が持った場合、妻が夫に毎月養育に必要な金額を支払ってもらうことができます。支払う金額は一般的には話し合いとなりますが、家庭裁判所の養育費・婚姻費用算定表を参考とする場合が多いです。

参考:養育費・婚姻費用算定表(東京家庭裁判所)

離婚による引越し費用はどちらが負担する?

それでは肝心の、離婚による引越し費用については、夫と妻のどちらが負担するのかについてご説明します。期待を裏切るようですが、じつは、離婚時の引越し費用に関しては、どちらか一方が支払わなければいけないといった法的根拠は定められていません。

そのため、たとえ相手に離婚の原因があったとしても、離婚による別居のための引越し費用は、すべて自己負担となってしまうのです。

たとえば、夫側に離婚の原因となった問題があり離婚することになった場合、妻がいま住んでいる家から引越しするための費用は、妻自身が負担するというのが法的解釈となっています。つまり、夫側に過失があった場合でも、妻の引越し費用を出す義務がないということになるのです。

法律の解釈としては、別居をしたいのは本人の意思なので、引越し費用は引っ越したい人が払うもの…というわけ。心情的には、ちょっと納得いかないですよね…。

離婚による引越し費用を請求することは可能?

しかし、離婚の原因が自分にはないのに引越し費用がすべて自己負担ということに対して納得がいかない方も多いでしょう。そういった場合は、、話し合いを通して、相手に払ってもらうようにする必要があります。

たとえば、離婚の条件に「妻が別居する際の引越し費用は夫が負担する」といったような条件を付け足してみたり、慰謝料に引越し費用を上乗せして請求するなどの方法もあります。いずれにせよ、夫婦間で引越し費用に関しての同意がない場合は、すべて自己負担となってしまうのでまずは話し合いをしっかりと行うことが大切です。

離婚をすることになった原因が全て相手にある場合は、離婚後の生活基盤を築くために必要な経費ということで、相手に引越し費用を負担してもらえるようにしっかりと話し合ってみてください。

話し合いをする際には、事前の準備をしっかりと行うことが大切です。なぜ引越しが必要なのかと言った論点をしっかりまとめることで、離婚調停で有利になります。相手や第三者がきちんと納得できるような理由を準備しておくことで調停委員に認められる確率が上がります。

何の根拠もなく「150万円必要」だと主張するよりも、引越しにかかる必要経費や新生活に必要な費用をしっかり調べて「160万円必要」と主張した方が認められる確率が高いはずです。

ですので、離婚や引越しの手続きでスケジュール的に大変かもしれませんが、余裕を持ったスケジュールを組み、しっかり事前に準備しておくことが大切です。

離婚による引越し費用がない場合の対処法

これまで慰謝料や養育費など、離婚することによって生じる費用についてしてきましたが、もしも離婚による引越し費用がない場合はどうしたらいいでしょうか。

慰謝料や、相手からの引越し費用の支払いがない場合は、とにかく引越しにかかる費用を節約するしかありません。いくつかのポイントを押さえるだけで引越し費用が抑えられるのでこれから紹介する方法をいくつか試してみてください。

家賃の低い物件を探そう

まずは、当たり前ですが家賃が低いところに引越しをしましょう。敷金・礼金、仲介手数料などは家賃を基準に設定されているところがほとんどです。

たとえばそれぞれが家賃1ヶ月分に設定されている物件であれば、家賃を1万円低くすることで初期費用3万円も低くなります。物件によっては敷金や礼金が無料だったりするところもあるので探してみるといいでしょう。

フリーレント物件を探そう

ほかにも、フリーレント物件を探すことも引越し費用を下げるために有効です。フリーレント物件とは、入居後の1ヶ月から3ヶ月程度の家賃を無料とする契約形態のことです。入居後すぐの家賃が無料になることで引越し費用を大きく抑えることができますよね。

引越会社は一括見積もりで複数比較をしよう

また、引越しをする際に利用する引越し業者の選択でも引越し費用が変わってきます。引越し業者を利用する場合は必ず複数の業者に見積もりをとってもらうようにしましょう。自分の運ぶ荷物の量と引越し距離でどれくらいの費用がかかるのかといった相場を知ることができます。

さらに、複数の業者に見積もりを依頼することで他業者よりも安くします、などのパターンもありますので必ず複数の業者に見積もりをしてもらってください。

運ぶ荷物が少なかったり、引っ越す距離が短かいときは車で運んでしまった方が安く済む場合もあります。高速料金やガソリン代などを計算して安く済む方を選択することで引越し費用を抑えることができますので検討してみてください。

まとめ

以上、離婚で引越しする場合に必要な費用をまとめて紹介しました。離婚の原因が自分にない場合で慰謝料などを請求することができるのであれば、別居時の引越しにかかる金銭的な問題はある程度の余裕を持つことができるでしょう。しかし、離婚の原因が自分にある場合や、離婚による引越し費用がない場合は出来るだけ引越し費用を抑えることが重要です。

離婚するだけでも手続きなどがたくさんあり大変ですが、別居するための引越しもかなり大変です。新しい家を探すところから始まり、荷物をまとめて、不要物を断捨離したりと、やらなければいけないことはたくさんあります。

離婚すると決まったらすぐに引越しの準備をはじめ、離婚の手続きを並行して行えるよう、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

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