引っ越しの訪問見積もりでは、なるべく安い見積金額を出してもらってお金を節約したいもの。そこで今回は、見積りのための事前準備や、担当者に値引きしてやろうと思わせるための攻略ポイントを解説します。
あいまいだと高くなるリスクあり! ? 引っ越し見積もりに必要な情報
見積りを適正に出してもらって妥当な料金で引っ越しするためには、担当者に希望する日時や作業内容などの条件をできる限り明確に伝える必要があります。そのため、訪問を受ける前に以下のような点を確認しておきましょう。
引っ越し希望日
引っ越し料金は、その日その日のトラックや作業員の空き状況によっても変動します。これは3~4月の繁忙期かどうかだけでなく、曜日などによっても大きく変わってきます。業者にとって空いている日であれば、その日に仕事を入れるために安い料金で引き受けることもあり得ます。
一方、まだ引っ越しの希望日がはっきり決まっていない段階で見積りをしてもらうと、業者側からは、仕事が立て込んでいる日を想定した高めの見積金額を出されてしまう恐れがあります。
引っ越し希望日が確定していれば、業者としてはその日の空き状況に見合った正確な見積金額が出せます。さらに値引きを期待できるのは、引っ越し希望日を「○日から○日までの間」と余裕を持たせて提示した上、「あとはお任せするので、そちらのお手すきの日に入れてください」と申し出ること。
作業時間帯も業者側の都合に合わせる「フリー便」にすれば、業者としては空いている日時に仕事を入れられるので、料金が安くなる可能性が高まります。
新居の住所や建物の状況
見積もり段階でまだ引っ越し先が決まっていないのでは、そもそも移動距離が確定しないので、正確な見積金額は出せません。
また、新居が一戸建てか集合住宅か、集合住宅なら何階建ての何階で、エレベーターがあるかどうか、建物の前にトラックを止められるかといった条件によって、荷物搬入時の作業内容が変わってくるため、これらの点も見積もり前に確認しておき、担当者にきちんと情報提示できるようにしましょう。
荷物の量と種類
家にある家財のうちどれを新居に運び、どれを処分するかも、見積もり時までに決めておく必要があります。運ぶ荷物の分量がはっきりしないと、当日の作業量や時間、トラックの大きさが決められないので、見積もり担当者は余裕を持って多めの作業時間・人員、積載量の多いトラックの使用を前提に見積もりを出してしまうため、その分、見積料金が高くなる恐れがあります。
また、高価な美術品など特別の取り扱いが必要なものがある場合は、その点も伝えておく必要があります。引っ越し当日までその旨を伝えておかないと、引っ越し運送約款に違反するとして輸送を断られてしまう恐れがあります。また、高価な美術品であることを告げずに通常の荷物扱いで運んでもらって、万一輸送時に損傷したような場合には、補償が受けられなくなります。
オプションサービス利用の有無
現在使っているエアコンを新居でも使う場合、業者によっては有料のオプションサービスとして取り外しと設置をやってくれるところがあります。こうした作業には特別の技術が必要なので、見積りの段階で伝えておく必要があります。
業者によっては、新居に運ばない不要品の処分をオプションでやってくれるところもあります。こうしたサービスを利用する場合も、その旨を見積もり時に伝えましょう。
また、自動車やバイク、ピアノ、動物などは、通常の引っ越し用トラックで運べませんが、業者によっては有料のオプションサービスとして引き受けてくれるところがあります。その場合は、実際の輸送は提携の専門輸送業者が行うため、事前の手配が必要となります。引っ越し業者を通じてこれらの輸送を依頼する場合は、見積もり時に伝えて、輸送が可能かどうか確認するようにしましょう。
引っ越し訪問見積もり攻略法
少しでも安い見積金額を出してもらうためには、訪問見積もりの前に部屋をきちんと片付けておくことも重要です。
押し入れや物置に収納できるものはすべて収納した状態で部屋を見てもらいましょう。部屋に荷物が散らかったままの状態だと、どうしても荷物の量が多く見えてしまい、必要以上に積載量の大きなトラックや余分な作業スタッフ数で計算されて、その分、見積金額が高くなってしまう恐れがあります。
また、あまりに部屋が散らかっていたり、ごみ袋を室内にため込んでいたりするような「汚部屋」を担当者に見せてしまうと、トラブルを起こしかねない要注意人物扱いされて、下手をすると引っ越しを断られてしまったり、引き受けてもらえる場合でも、引っ越し当日の作業に余計な手間がかかることを想定してリスク分を上乗せした法外な見積金額を提示されることもあり得ます。
引っ越し料金に標準価格はあってないようなものなので、見積もりに訪れた担当者の心証によっても見積金額が変わる場合があります。少しでも好印象を与えるため、訪問見積もりの前には家の中をきれいに掃除しておきましょう。