単身引越しの場合は必要ないことがほとんどですが、ファミリー世帯の引っ越しの場合は、訪問見積もりをが必要です。でも、相見積もりを取るためとはいえ、何社もの引越し会社の訪問見積もりに立ち会って、そのたびにしつこいセールス攻勢にさらされるのでは、肉体的にも精神的にも疲労困憊になりがち。このような問題を解決するために生まれたのが、多数の業者の訪問見積もりを一度で済ませられる「引っ越し見積もり訪問代行」というサービスです。
引越しの訪問見積もりの実情
まずは、一般的な引越し訪問見積もりの実情を見ていきましょう。
2人以上の引越しでは「訪問見積り」が必要
引越しの見積もりが、ネットや電話のみで完結するならラクなのですが、2人以上の引越しの場合は、「訪問見積もり」が必要になります。これは、荷物量を正しく把握することと、建物付近の道路幅を確認するのが目的。
訪問見積もりによって荷物量が把握できることで、使用するトラックサイズと、おおよその積載量がわかるため、見積もり金額を出すことができるのです。過去には家族の引越しなのに「訪問見積もりナシで。電話で」との強い希望をされたお客様が、当日、荷物がトラックに積みきれずに、追加トラックや人員手配により大幅な追加料金が発生する…ということもありました。
訪問見積もりは面倒だな…と思っても、2人以上のお引っ越しの際には、訪問見積もりをした方が価格が安く、トラブルも少ないため、行うようにしましょう。
ちなみに、単身引越しで訪問見積もりが必要ないのは、多くの場合、荷物量が2トン(ロング)トラックに収まるから。この大きさのトラックならば、たいていの道幅を侵入することができるので、引越しに余計な作業が発生することがないためです。
訪問見積もりは1社平均30分~1時間
引っ越しのための訪問見積もりには、ファミリー世帯の場合、30分から1時間程度の時間がかかり、立ち会いが必要になります。3社訪問見積もりをお願いすると、それだけで90分~3時間。長丁場です。
さらに、引っ越しの料金相場は、積み荷の量や移動距離が同じ条件であっても、その時々の各引っ越し業者のトラックや人員の空き状況などによって見積金額は大きく違ってくるのが実情です。このため、適正な料金で引っ越しを行うためには、なるべく多くの業者から見積もりを取る必要がありますが、立ち会いに要する時間と手間を考えると、相見積もりができるのは、せいぜい3~4社程度が限界でしょう。
訪問見積もり時の引越会社の営業攻勢がすごい!?
相見積もりを取るのが3~4社としても、かなりの時間と手間がかかってしまいますが、大変なのはそれだけではありません。自宅での荷物量チェックや交渉の機会となる訪問見積もりは、引っ越し業者にとっては自社を売り込むまたとないセールスの機会。
訪問を受けるたびに、単なる見積もりだけにとどまらず、その場で契約を迫るセールスを受けることもあります。相見積もりを取っているライバル業者の悪口を聞かされたとか、契約に応じるまでなかなか帰ってもらえなかったという声も少なくありません。
「引越し見積もり訪問代行」とは
そこで、訪問見積もりの負担を少しでも減らしてもらうために生まれたのが、引越しラクっとNAVIの引越し見積もり訪問代行サービス 「引越しラクっとコンシェルジュ」 です。
訪問見積もり1回で複数社の見積もりが可能
通常は、各引越し会社の担当営業が、訪問見積もりに訪れるため、見積もり依頼をお願いした引越し会社の分だけ訪問見積もりに立ち会う必要があります。しかし「引越しラクっとコンシェルジュ」ならば、引越しの専門知識を持つ中立な立場の専任コンシェルジュ1名が自宅を訪問。
訪問見積もりをした内容を、各引越し業者に共有して見積もりをとりその場で提示してくれるため、訪問見積もりが1回で済むというサービスです。
この引越し見積もり訪問代行サービスを通じて見積もりを取れる引っ越し業者の一例を挙げると、アート引越センター、ハート引越センター、ハトのマークの引越センター(全国引越専門協同組合連合会)、福山通運、ベスト引越サービス、アップル引越センターなどがあります。
相見積もりから発注業者決定までの窓口を一本化
このサービスを使えば、複数業者の見積もりが一度で済むだけでなく、見積もりから発注まで窓口を一本化でき、個別の業者にいちいち連絡を取って情報収集する必要がなくなります。見積もりを依頼する段階で、個人情報が各引越し業者に伝わることもないので、引越し業者から電話でセールスを受ける心配もありません。
それだけでなく、コンシェルジュは各引っ越し業者の料金体系を把握しており、利用者の立場に立って各業者との料金交渉も行ってくれます。さらに、引っ越しの専門家として、料金を少しでも安くするテクニックや、荷作りの方法をはじめとする引っ越しの準備のやり方のアドバイスのほか、引っ越しに関するさまざまな困りごとの相談にも応じてくれるので、初めて引っ越しする人にとっては、とても頼りになる存在です。
利用できるのは首都圏のみ
「引越しラクっとコンシェルジュ」という名称のこの引越し見積もり訪問だ代行サービスが利用できるのは、2019年8月現在、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県の都心寄りのエリア)限定のサービスとなっています。申し込みは、「引越しラクっとNAVI」のほか、株式会社リベロが提携している不動産会社の窓口でも行うことができます。
今後は対応エリアの拡大や、コンシェルジュの増員も随時行っていく予定とのことです。引っ越しにかかるさまざまな負担を軽減できるこのようなサービスが、早く全国で利用できるようになるといいですね。
現在、東京近郊にお住まいで、ファミリー世帯など引っ越しの訪問見積もりが必要な方は、利用を考えてみてはいかがでしょうか。ただし、このサービスはとても人気を集めており、コンシェルジュのスケジュールが土曜・日曜を中心にすぐに埋まってしまうようなので、利用を希望される場合は、引っ越しが決まったらなるべく早めに申し込むことをおすすめします。