ペットと住みたい! ペット可賃貸に引っ越そう!

  • LINEで送る
ペット可賃貸について

日本では子どもの数よりも多くなった、犬や猫などのペット。ペットとの暮らしに憧れている人も、きっと多いですよね。では、「ペットと暮らしたい」と思ったとき、ペット可賃貸はどのように探せばいいのでしょうか。通常の賃貸とは異なるルールや注意点はあるのでしょうか。ここでは、ペット可賃貸の気になる疑問に迫ります。

ペットと幸せに暮らすためのペット可物件

「ペット可賃貸」とは、文字通り、ペットと一緒に暮らせる賃貸物件のことです。 賃貸で犬や猫などのペットと暮らすには、ペットの飼育を許可されている物件に住んでいることが大前提です。

ペット共生の賃貸物件などは、壁や床が傷つきにくい材質になっていたり、防音対策が施されていたり、ドッグランやキャットウォーク付き物件などもありますが、一般に「ペット可賃貸」とされているのは、特別な設備などはなく一般の賃貸物件と同様で、ペットの飼育を許可している物件が多いようです。

どちらにしても、ペットを飼育不可の物件でこっそり飼っていると、十分な散歩をさせてあげられないなど、ペットにとってストレスを与えてしまうのはもちろん、管理規約違反となり、最悪の場合は即退去を言い渡されることもあります。ペット不可の賃貸に住んでいるのなら、人間のためにもペットのためにも、ペット可賃貸を探しましょう。

ペット可賃貸は全体の15%程度

ペットブームの影響もあり、ひと昔前よりペット可賃貸の数は着実に増えていますが、通常の賃貸に比べれば圧倒的に少ないのが現状です。たとえば、不動産情報サイト「at home」に掲載されている東京都の賃貸物件244,922件のうち、「ペット相談可」の物件は36,783件で、全体の15%程度(2019年10月10日時点)。

さらに「ペット相談可」のなかには、ペットの種類やサイズ、頭数などに制限がある物件が多く、ペットの条件次第ではもっと少なくなることも。立地や家賃、間取りなど、住まいの希望条件を加えれば、数はもっと少なくなるでしょう。

ペット可賃貸は、なぜ少ない?

ペット可賃貸はペットと暮らせる物件ですが、すべての入居者がペットを飼っているわけではありません。単に立地や間取りなど、物件自体を気に入って入居している方もいます。そのためペットに対する理解がない方もいるため、近隣から騒音やにおいなどの苦情が出てトラブルになる可能性も。

また、ペットと暮らしていると、どうしても部屋中に傷や汚れがつきやすいもの。退去の際に大規模なリフォームが必要になるケースもあり、通常の賃貸物件に比べて補修費用が高くなりがちです。そうした懸念があるため、たとえニーズが高くてもペット可にできない貸主も多いのだとか。

一方で、「建物が古い」、「駅から遠い」などのデメリットを補うため、人気のない物件が「ペット可」の付加価値をつけるケースもあるようです。もちろん、立地や家賃、間取りなど、希望の条件にマッチしていれば問題ありませんが、本当に自分とペットにとって快適に住める物件なのか、しっかりチェックするといいでしょう。

ペット可賃貸の初期費用は、敷金+1ヵ月が目安

では、ペット可賃貸の初期費用や家賃は、一般の賃貸物件と比べて違いがあるのでしょうか?

通常の賃貸だと、敷金や礼金は家賃1ヵ月や2ヵ月に設定している物件が一般的です。時期によっては、敷金、礼金がゼロという物件も出ています。それに対してペット可の賃貸の場合は、「ペットを飼育する場合」という条件のもと、一般の入居者の敷金がプラス1ヵ月分上乗せ、高いところでは2ヵ月分上乗せになるという但し書きがされていることが多いようです。

そもそも敷金とは、賃貸物件を契約する際に預けておく保証金のようなお金。借り主が家賃を滞納したときの補填や、借り主の不注意で部屋を汚したり設備を壊したりしたときの補修にあてられます。

ペット可賃貸の場合、ペットによる傷や汚れ、破損のリスクがどうしても高くなるため、あらかじめ、ペットを飼育する場合の敷金を高く設定しているというわけです。

一方で礼金は、通常の賃貸もペット可賃貸も大差なく、どちらもゼロから家賃2カ月分が一般的だとされています。

譲れる条件は譲ることが、ペット可賃貸探しの極意

ペット可賃貸は、通常の賃貸に比べてそもそもの物件数が少ないため、理想の条件がすべて揃った物件を見つけるのは、一般的な物件よりも難しいかもしれません。

不動産情報サイトで探すときも、「ペット可」指定をしただけで物件数が限られるため、それに加えてあまり希望条件を追加しすぎると、ヒットする物件がゼロになってしまうので気をつけましょう。

ペットとどんな暮らしがしたいのか、そのために必要な条件は何か。ペット可の物件を探すには、ペットとの生活を思い描きながらも、ある程度、譲れる条件は譲って探すことも大切です。その際、動物病院やトリミングサロン、大きな公園の有無など、ペットにとって住みやすい住環境かどうかもチェックするといいでしょう。

トラブル回避のためにチェック!ペット可賃貸に住む際の注意点

憧れていたペット可賃貸に引越しをしたものの、入居中や退去時、近隣の住人や貸主とトラブルになってしまった……という話は多いもの。そんなトラブルを回避するため、契約時や入居中の注意点、ペットと暮らすうえでのしつけ&マナーについてまとめます。

飼育ルールについて

「ペット可賃貸」といっても、飼育が認められているペットの種類やサイズ、頭数は、物件によってさまざまです。たとえ「小型犬可」であっても、「猫不可」、「大型犬不可」、「多頭不可」など、制約がある場合も。契約前に、必ず不動産屋や貸主に確認しましょう。

退去時の補修費用について

ペットと暮らしていると、傷や汚れのほか、ペット特有のにおいもつくため、通常の賃貸に比べて退去費用を多く請求されるケースが多いようです。また、賃貸借契約書や重要事項説明書に「ペットがいた場合、敷金は償却」と記載があれば、敷金は一切返金されません。

ペット可賃貸に限ったことではありませんが、退去時は原状回復をめぐるトラブルが起こりがちです。クリーニング費用や補修費用はどこまで借り主の負担になるのか、どこからが貸主の負担になるのか、契約前に貸主や管理会社としっかり確認しておきましょう。

抑えておきたいしつけ&マナー<犬編>

犬の鳴き声に注意して騒音トラブル回避

犬にまつわる近隣トラブルで、もっとも多いと言われるのが鳴き声。犬種によっても吠えやすい犬、あまり吠えない犬がいますが、もし無駄吠えが多いのなら、なるべく吠えないようにトレーニングが必要になるでしょう。

犬が吠えるのは、飼い主への要求のほか、不安や恐怖、警戒など、なにかしらの理由があります、その理由はなにかを探して取り除いてあげることが、無駄吠えをなくす近道と言えます。

マンション内での移動時は周囲に配慮を

散歩時のマナーにも要注意が必要です。エントランスやエレベーターでほかの入居者とバッタリ遭遇したとき、飛びついたり吠えたりすると、トラブルになる恐れが。小型犬なら抱きかかえ、中型・大型犬ならリードを短く持つなど、犬をコントロールできるように工夫しましょう。

抑えておきたいしつけ&マナー<猫編>

爪研ぎ環境を用意するのは飼い主の基本

猫と賃貸に暮らすうえでいちばん多い悩みといえば、爪研ぎです。壁や柱に爪のひっかき傷ができると、退去時に高額なクロスの張り替え費用や修繕費用を請求されてしまうことも。

しかし、爪研ぎは猫の習性です。最初にきちんと教えれば、所定の場所以外での爪研ぎはしません。爪研ぎ自体をやめさせようとするのではなく、爪研ぎボードや麻縄が巻かれた爪研ぎもできるキャットタワーを用意するなど、猫が思いきり爪を研げる場所を準備してあげましょう。

完全室内飼いや脱走防止でご近所トラブルも回避

最近では、猫の「完全室内飼い」が推奨されており、保護施設などは「完全室内飼い」を条件に猫の譲渡を行なっています。これは、外に出さないことで、猫を交通事故や感染症などの病気から守るためです。完全室内飼いであれば、近所の家のベランダや共用スペース、庭などに入って粗相をしてしまうなどの問題からも無縁です。

もし、ベランダまでは出られるようにする場合などは、猫が脱走しないように気をつけましょう。高い場所からの落下や事故などから守るためにも、マナーの面からも注意してあげてください。

押さえておきたいしつけ&マナー<小動物編>

うさぎやハムスター、フェレットなどの小動物は、サイズが小さく、鳴き声も大きくないので、賃貸でも飼いやすいペットだと言われています。近隣トラブルになる可能性は比較的低いほうですが、しっかりとマナーを守って飼いましょう。とくに注意したいのは、排せつ物の処理です。ベランダなどに放置しておくと、悪臭の原因になり、近隣に迷惑をかけてしまいます。こまめに掃除しましょう。

賃貸でもできる、ペットの騒音対策

ペットが苦手な人にとっては、小さな音であっても気になるものです。とくに賃貸は、分譲に比べて壁や床が薄く、防音性が低い場合があります。ペット可賃貸にはペットが苦手な人も住んでいると考えて、トラブルになる前に対策しておきましょう。

犬の鳴き声は、どうしてもトレーニングが必要になります。自分でトレーニングするのが難しいのなら、しつけ教室に通うなど、プロのトレーナーに依頼するのもいいでしょう。

カーペットやラグで防音対策

犬や猫、小動物が歩くときの足音は、床に遮音性の高いカーペットやラグマットを敷いて、階下に足音が響かないように工夫しましょう。タイル状のジョイントカーペットなら、必要な範囲だけに敷けるうえ、汚れた部分だけをはがして洗うこともできるので、ペットとの暮らしに向いています。ペットサークルやペット用のフェンスなどを使って、ペットが自由に動ける範囲を制限するのも効果的です。

トラブルを防いで、楽しいペットライフを送ろう

いかがでしたか?ペット可賃貸で暮らすにはそれなりに注意や工夫が必要ですが、ペットとの暮らしはそれ以上に心癒され、日々が豊かになるものです。ペット可賃貸への引越しを考えている人は、この記事を参考に自分に合った物件を探してくださいね。