家賃が下がる時期に引越しするメリット、デメリットとは?

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家賃と引越し費用

賃貸住宅の家賃相場も季節によって変動します。部屋探しをする人が多い春先や秋の異動シーズンには高止まりし、逆に閑散期となる夏場には値下げしたり、敷金・礼金の減額や家賃無料期間付きのサービス物件も出てきます。それぞれの時期に部屋探しをする利点と注意点を紹介します。

家賃が高い時期と下がる時期

1年のうちで家賃相場が最も高くなるのは、進学や就職、転勤で新居に引っ越す人が最も多くなる1月から4月にかけての時期です。

最近は大学で、一般入試より合否決定が早い推薦入学の割合が増えているため、これに伴って学生向け物件の部屋探しの時期も繰り上がってきています。

会社員の場合は、人事異動が最も多いのは新年度となる4月なので、3~4月に引っ越しに向けて部屋探しをする人が最も多くなります。秋の人事異動シーズンを迎える9~10月にも部屋探しをする人が増えます。

こうした繁忙期には賃貸住宅の借り手が見つかりやすいので、不動産会社や不動産のオーナーも強気になり、家賃相場も高止まりしたままです。

逆に家賃相場が安くなるのは、春の繁忙期が終わった後のゴールデンウィーク明け。中でも引っ越しする人が極端に少なくなる6~8月にかけての時期です。春先から入居者を募集していた物件がこの時期になっても埋まらないと、下手をすれば翌年春まで借り手が見つからない恐れもあるので、大家さんにとっては全く家賃が入らないよりはましだということで、月額家賃を引き下げたり、敷金・礼金を減額したり、一定期間の家賃を無料にする「フリーレント」のサービスを行ったりする物件が増えてきます。

家賃が高い時期に引っ越しするメリットとデメリット

家賃が高止まりする春先の部屋探しは、進学や転勤などで引っ越し時期を選べない人にとっては致し方ないことなのですが、この時期の部屋探しには利点もあります。

春先に引っ越しするメリット

最大のメリットは、繁忙期には部屋を退去する人も最も多くなるので、物件が豊富に出回っていることです。

気候がいい春先なら引っ越しの作業も楽なうえ、家電量販店や大型家具店などで新生活応援キャンペーンを展開するところが多く、新居に家電や家具を買いそろえたい人にとっても有利です。

春先に引っ越しするデメリット

一方で最大のデメリットは、家賃相場が年間を通じて最も高くなることです。契約時に一度決まった月額家賃は契約更新まで変わらないので、毎月の固定費にも響いてきます。春先には賃貸物件の借り手が見つかりやすく、大家さんや不動産会社も強気になっているので、家賃の値下げを持ちかけてもこの時期はなかなか相手にされません。

また、不動産会社も多くの接客をこなさなくてはならないので、じっくり相談に乗る余裕がなくなります。時には内見の際に不動産会社が車で案内してくれることもなく、部屋の鍵だけ渡され、自分で見に行くように言われることさえあります。

さらに、好条件の物件を求めて部屋探しをしている競争相手も多いので、これはと思う物件が見つかったら早めに手付金を打っておかないと、他の人に取られてしまう恐れがあります。

そうなると、多くの物件をじっくり比較してから住む家を決めるということがやりにくくなり、実際に住み始めてから問題点に気づくという事態も起きかねません。

家賃が安い時期に引っ越しするメリットとデメリット

家賃が安い時期の引っ越しメリット

逆に賃貸住宅市場の閑散期に部屋探しをすれば、繁忙期と違って競争相手も少ないため、多くの物件をじっくり内見して比較したうえで、住む家を決められるという利点があります。

また、夏場であれば日照時間も長いので、部屋の状況を確認しやすい日中に内見に回れる件数も増え、夏場に発生しやすいカビや悪臭、虫の発生などの部屋の問題点も把握しやすくなります。

そして何といっても、大家さんや不動産会社が早く空室を埋めたいと焦っているので、借り手にとっては家賃の減額交渉がやりやすくなります。

もっとも集合住宅の場合には、一部の借り手だけに家賃を下げてしまうと、大家さんにとっては他の居住者との関係で不都合があり、また仲介する不動産業者としては、月額家賃の引き下げは仲介手数料の減額につながってしまうため、月額家賃の値下げは嫌がられる場合もあります。

ただ、そうした場合でも、敷金・礼金の減免や、1、2か月分程度の家賃を無料にする「フリーレント」という形でサービスしてもらえることがあります。集合住宅の場合は、むしろこちらを念頭に置いて交渉した方が現実的かもしれません。

閑散期は引っ越し業者の料金も格安になり、場合によっては繁忙期の半額程度に抑えられることもあるため、このことも相まって、この時期に部屋を探して契約すれば、引っ越しに伴う不要負担を大幅に軽減できます。

家賃が安い時期の引っ越しデメリット

ただし、閑散期の部屋探しにはもちろんデメリットもあります。最大の問題点は、出回る物件が少なく、優良物件が見つかりにくいこと。オンシーズンに借り手が見つからなかった物件は、家賃が高いとか駅から遠いとか、何らかの理由がある場合も考えられます。

逆に、駅から近いのに周辺の家賃相場に比べてあまりに安いというような不自然に好条件の物件が空き部屋のまま残っている場合は、いわゆる「事故物件」などの訳ありである恐れもあります。

不動産会社の担当者に、なぜ家賃が付近の相場より安いのかや、前の住人の退去理由なども確認しておくとよいでしょう。もちろん、そうした訳あり物件ばかりではなく、たまたま前の住人がこの時期に退去して、運良く空室になった掘り出し物の物件もあるはずです。

まとめ

どちらにしても、引っ越しをする際には、引越し料金そのものだけではなく、マンションの初期費用なども必要になることを考慮し、いつ引っ越すのがお得なのか考えてみるのがおすすめです。