引越しの一番の山場ともいえる物件探しは、県外の場合にはより大変な作業になります。とくにあまり時間が取れない状況だと、効率的に準備を進めないとあっという間に時間が過ぎてしまいます。ここではそんな県外へ引越しする方に向けて、県外への引越しをする際の部屋探しに必要な日数や不動産会社の選び方を解説していきます。
県外に引越しするための部屋探しの方法
県外への引越しの場合は、距離があるため、頻繁に引越し先の地域に行くことができません。そのため、まずはネットを使って物件探しを行うという方がほとんどです。何件かに絞り込んだら管理している不動産会社にアポイントを取り、内見をしにいくという流れになります。
できるだけ1回の訪問で多くの情報を集めて、その日のうちに物件を決めるのが理想的です。効率よく物件探しをするためにも、スケジュールを綿密に組み、必要なものを準備しておく必要があります。
県外の部屋探しに必要な日数
引越し先の物件探しには、20日前後かかることが多いといわれています。運よく理想の物件に巡り合うことができれば数日で決まりますが、難航した場合はもっと長くなります。
県外への引越しの場合はさらに時間がかかるので、最低でも1ヵ月は見ておいた方がいいでしょう。以下のようなスケジュールで行うと効率的です。
ネットで物件の情報を集める
引越しを決めたら、すぐに引越し予定の地域の物件を見てみましょう。家賃・間取り・広さ・最寄りの駅・周辺環境・入居可能時期など、ネット上で集められる情報はすべて確認してください。
ここで注意したいのは、ネットの情報が最新ではない可能性です。ネット上には不動産会社の看板物件が掲載されていることが多く、競争率が高めです。空室表示になっていても契約されていることがあるので、候補物件は少し多めにピックアップしておきましょう。
不動産会社にアポイントを取る
お目当ての物件を絞り込んだら、管理している不動産会社に連絡し、物件の状況確認と内見に行く日を決めます。ここで不動産会社には以下のことを伝えておきましょう。
- 遠方なのでその日しか内見ができないこと
- 複数の物件を見たいので時間に限りがあること
- 類似の物件も用意してほしいこと
類似物件の用意をお願いすると、家賃や希望エリアなどの条件を聞かれます。譲れない条件も含めて、予め伝えたいことをメモして準備しておきましょう。
現地に内見に行く
いよいよ内見となったら、できるだけその1日で多くの情報を集める必要があります。内見には以下のものを持っていきましょう。
内見の際の持ち物
- 自分の希望をまとめたメモ
- カメラ(スマホ撮影でもOK)
- ネットの情報を印刷したもの
これらがあると自分に合う物件かどうか冷静になれますし、内見後迷った場合に見直すことができます。カメラは一緒に住む家族やパートナーが当日来られない場合に、物件の雰囲気を伝えるのにも便利です。
しかし、県外の場合は内見して気に入ったら、その日のうちに決めてしまうのが理想です。物件契約時には必ず不動産屋に行く必要があるので、一度帰宅してしまうと再度不動産屋に訪れる時間を作らなくてはいけなくなるためです。
内見したその日のうちに契約をしたい場合は、以下のものも合わせて持っていくようにしましょう。
内見の際に持参するのがおすすめ
- 身分証明書
- 実印
- 収入証明書
- 連帯保証人の収入証明書
- 手付金(家賃1ヶ月分程度)
これらがあれば問題ないことが多いですが、内見の日に契約まで行いたい場合はその旨を不動産会社に伝えてください。必要な書類も教えてくれるはずなので、抜けがないように準備してから訪問しましょう。
なお、入居者が未成年であったり、家賃の支払いが保護者になったりする場合は、必ず保護者と一緒に内見に行くようにしましょう。
入居の申し込みと審査
引越し物件を決めたら入居申し込みを行い、大家と不動産会社によって入居審査が行われます。
早ければ3日程度で審査の結果が伝えられます。長いところだと2週間くらいかかってしまうことがあるので、急ぎの場合はできるだけ早く知りたいことも伝えると良いでしょう。
県外へ引越しする場合の不動産会社選びのコツ
物件探しでは、仲介している不動産会社選びも重要です。県外への引越しがスムーズにできるか、希望の物件を見つけられるかどうかは、選んだ不動産会社にかなり左右されます。どんな不動産会社を選ぶといいのか、3つのポイントをまとめました。
大手不動産会社or地域密着型
不動産会社にはCMなどでも良く見かける大手不動産会社と、地域に密着した小さめの不動産会社があります。どちらにもメリットとデメリットがあるので、自分に合った不動産会社を選びましょう。
大手不動産会社
大手不動産会社は物件数が豊富で、取り扱っている物件のエリアがとても広いのが特徴です。利便性が良い立地に店舗があるので行きやすいのもメリットです。
しかし、自社管理物件があまり多くないので、空室確認や入居審査に時間がかかるという面もあります。
地域密着型不動産会社
地域密着型の不動産会社は取り扱っている物件は少なめですが、思わぬ掘出し物物件があることも。また、大家さんとのパイプが太いので交渉面で有利になったり、各種確認が速かったりする場合があります。
その反面、接客やサービスに差があったり、希望する物件が見つからない可能性もあります。
色々な物件を見たいなら大手不動産会社、契約を有利に早く進めたいなら地域密着型がオススメです。県外への引越しの場合は行ける不動産会社に限りがあるので、近場で何件か回るというのも良いでしょう。
親身になってくれる担当者がいるか
県外への引越しは、ある意味では時間との勝負です。限られた時間の中で進めていくので、こちらの状況を把握して親身になってくれる担当者はとても大切です。
気持ちよく物件探しができるのはもちろんですが、入居審査で落ちてしまった時や、狙っていた物件が埋まっていた際、代わりの物件を探す時もとても頼りになるからです。
何件か不動産会社を回ってみて、物件に甲乙つけがたく迷った場合は担当者の印象で決めるのもアリ。態度が横柄であったり、こちらの条件を把握しきれていなかったりするような不動産会社は避けるようにしましょう。
広告内容はルールに則っているか
賃貸物件の広告を見ていると「日当たり良好!」などというように物件の特長が書かれていますよね。実はあの文言にはルールがあり、使用禁止とされている用語があります。
こんな言葉が使われてたら要注意
- 完全や完璧、絶対など
- 日本一、当社だけなど唯一を意味するもの
- 最上や最高など最上級を意味する言葉
- 格安、ほりだしもの、土地値など
- 必要以上に人気が高いことをアピールする用語
これらの言葉を使っている広告を出している不動産会社は要注意です。ルールを無視してでも契約させようとしていることが多いので、物件のデメリットを教えてくれないかもしれません。正しく適切な広告を出していて、物件のマイナス面も伝えてくれるような不動産会社を選ぶようにしましょう。
県外で部屋探しをする場合の注意点
県外での物件探しは時間の制約が多く、1日で多くのことを決めて進める必要があります。その際に注意しておきたいのは、以下のポイントです。
- 引越しを行いたい1ヵ月以上前から準備を行う
- スケジュールを組みムダのないように動く
- 内見をしに行く際には必要なものを事前確認し揃えておく
- 未成年や家賃の支払いが親の場合は一緒に契約に行く
- 内見の日は時間の余裕を作り周辺環境も見る
- 物件が決まらなかったことを考慮して余裕をもって動く
- 時間が迫っている場合はある程度の妥協をする
一番怖いのは、物件が決まらずに引越しができないという状況です。学校や会社に通う拠点となる場所ですので、妥協したくない気持ちは分かりますが、ある程度のところで決めてしまうのも重要です。
まとめ
引越しは近場でも多くの時間と労力を使うとても大きな転機です。それが県外になれば大変さは何倍にもなるので、体にも心にも多くの負担がかかってきます。
それを少しでも軽減するには、余裕を持ったスケジュールと綿密な準備がポイントです。特に不動産会社との連携が鍵になるので、相性の良い担当者がいる所を選べるととても気持ちがラクになります。運もありますがいろいろな物件と不動産会社をチェックしてみてくださいね。