引っ越しに際しては、新居に荷物を搬入する前に準備しておくべき作業があります。遠方への引っ越しだとなかなか時間がとれないかもしれませんが、スムーズな荷物の搬入のため、また新居で快適な生活を送るために、事前にやっておきたいことを紹介します。
管理組合への許可申請
集合住宅の場合、引っ越し作業をする場合、事前に管理組合に作業日時を申請して、許可を得ておかなくてはならないところが多くなっています。
荷物の搬入作業やエレベーターの使用、オートロックの開放などで他の住民に迷惑をかけることになるためです。
許可申請を怠ったことで当日の搬入作業に支障を来さないよう注意しましょう。
引っ越し業者のトラックをマンションの玄関前など敷地内に止める場合も、必ず管理組合やオーナーなどの許可を取っておきましょう。駐車位置を指定された場合は、引っ越し業者のスタッフに忘れずに伝えておきましょう。
家具や家電の配置場所を確認
スムーズに荷物を運び込むため、室内の間取り図のコピーに、たんすや本棚などの大型の家具や、冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの大型家電製品の設置場所を書き込んで、事前に引っ越し業者のスタッフに渡しておきましょう。
間取り図は不動産仲介業者からもらえるはずです。
大型家具・家電の設置計画を立てるにあたっては、それらの家具などの大きさを事前に採寸しておき、部屋の間取り図と照らし合わせて設置可能かどうか検証する必要があります。これは旧居での荷物の搬出前にやっておきましょう。
家電製品の配置にあたっては、電源コンセントの位置や数、アンテナ端子の位置も確認しておく必要があります。電源やアンテナが家電の設置予定の位置から遠かったり、数が足りなかったりする場合には、電源タップやアンテナコードを用意しておきましょう。
家電製品が使用可能か確認
日本では電気の周波数が、静岡県の富士川と新潟県の糸魚川あたりを境に、東側が50ヘルツ、西側が60ヘルツに分かれています。周波数が異なる地域に引っ越すと使えなくなる家電製品もあるので、事前に確認しておきましょう。
家電製品には「50Hz」「60Hz」「50/60Hz」のいずれかの表示があります。「50/60Hz」であれば全国どこでも使えますが、「50Hz」または「60Hz」の場合は使用地域が限られます。周波数の違う家電製品を使うと故障や火災の原因ともなりかねません。
洗濯機や乾燥機、蛍光灯(インバーター式のものを除く)などの製品は、周波数の異なる地域ではそのままでは使えず、部品交換などが必要となる場合があります。
室内の汚れや傷をチェック
室内の壁や床に傷や汚れがないか、室内に異臭がしていないか、また備え付けの湯沸かし装置やエアコンなどに異常がないかをチェックしておきましょう。
汚れや傷を見つけた場合は写真に記録すると共に、それらが入居前からのものであることを管理人やオーナーに確認してもらいましょう。これによって、退去時の原状回復や敷金返還をめぐる無用のトラブルを避けることができます。
荷物の搬入路をチェック
大型の家具などが玄関から搬入できるかどうか、廊下の幅などを事前に確認しておきます。大型家具が玄関から入れず、クレーンを使ってベランダから運び入れることになれば、余計な追加料金がかかっていまいます。
室内の掃除
荷物を運び入れてからでは掃除がしにくくなる箇所もあるので、搬入前に一通り掃除をしておきましょう。
害虫対策
ゴキブリやダニ対策として室内のくん蒸も、搬入作業前に行っておくとよいでしょう。荷物を運び入れてから行うと、食器などにカバーを掛けたり、熱帯魚などを飼っている場合には外に運び出すのが大変だからです。
すべての窓を閉め切った状態で、くん蒸式の殺虫剤を使います。室内に有効成分が充満するため、使用中は外に出ていましょう。
近隣の世帯に火災と間違えられないよう、ドアに「室内くん蒸中」の張り紙をし、近所の人や消防署にも通告しておいたほうがよいでしょう。また、煙感知式の火災警報器が作動しないよう、事前にカバーを掛けておきましょう。
室内のくん蒸が終わったら、窓を開放して換気をします。くん蒸には2〜3時間程度かかるので、荷物の搬入作業に支障がないよう、早めに行っておく必要があります。
カーペットや壁紙
部屋にカーペットを敷く場合や、壁紙を貼る場合は、これらも荷物の搬入前に行ったおいたほうが作業が楽になります。
カーテンのサイズ確認
旧居で使っていたカーテンを新居でも使う場合は、窓の大きさとカーテンのサイズが合っているかどうかも事前に確認しておきましょう。