引越しの際は、マイナンバーの住所変更手続きも忘れないようにしましょう。とくにマイナンバーカードを持っていて他の市区町村に引っ越した人は、期限内に手続きをしないとカードが失効してしまうので注意が必要です。今回はマイナンバーカードと通知カードの住所変更手続きを解説します。
マイナンバー自体は引っ越しても変わらない
2015年度から導入されたマイナンバー(個人番号)制度により、全国の各市区町村に住民登録しているすべての人に、それぞれ固有の番号が割り当てられました。マイナンバー自体は、原則として生涯同じ番号を使い続けることになっており、引越しなどによって変わることはありません。
ただ、マイナンバーの情報は住民票のある市区町村ごとに管理されており、またマイナンバーカードや通知カードには本人の住所が記載されているため、住所が変わった際は記載事項変更手続きを行う必要があります。
引越しに伴うマイナンバーの手続きは、いつどこで行うか
引越しで住所が変わったときは、14日以内にマイナンバーカードまたは通知カードに記載された住所を変更する必要があります。この記載事項変更手続きは、引越し先の市区町村役所・役場の窓口に出向いて行います。この手続きにより、カードの追記欄には新住所が記載されます。
なお、記載内容変更手続きの際には、転入届(他の市区町村からの引越しの場合)や転居届(同じ市区町村内での引越しの場合)が受理されている必要があります。
転入届・転居届の提出期限も引越しから14日以内とされているので、転居先の市区町村の窓口でそれらの届け出をする際に、マイナンバーの手続きも一緒に行うとよいでしょう。
ちなみに、マイナンバーカードを持っている人が、引越しから14日以内に転入届を出していないと、カードは失効しますのでご注意ください。
マイナンバーカードの住所変更手続き
マイナンバーカードの住所など記載事項を変更する際には、カード交付時に設定した数字4桁の暗証番号の入力が必要になります。暗証番号を忘れた場合は、自治体の役所窓口で再設定の手続きが必要になります。
本人と同一世帯の代理人や法定代理人が手続きする場合には、あらかじめ本人から暗証番号を聞いておきましょう。
なお、法定代理人や任意代理人が本人の同行なしに手続きする場合は、窓口での暗証番号入力は不要ですが、即日手続きは完了しません。申請後に、本人住所に文書が郵送され、文書確認することとなりますので、ご注意ください。
手続きの際に持参する必要があるものは、誰が手続きをするかによって異なります。ご紹介したものは一例です。自治体によっても違いがあり、法定代理人の場合は代理権を証明する戸籍謄本や登録事項証明書の提出などが必要となる自治体もあります。必ず事前に確認しましょう。
手続きする人 | 持参物 |
本人 | ・マイナンバーカード ※4桁の暗証番号が必要 |
同一世帯の人 | ・本人のマイナンバーカード ※4桁の暗証番号が必要 ・手続きをする同一世帯の人の本人確認書類 |
法定代理人 | ・本人のマイナンバーカード ※4桁の暗証番号が必要(自治体によっては不要) ・法定代理人の本人確認書類(★) ・委任状 (本人の自署・押印必要) |
任意代理人 | ・本人のマイナンバーカード ・任意代理人の本人確認書類(★) ・委任状(本人の自署・押印必要) |
★本人確認書類
自治体によって差がありますが、法定代理人や任意代理人が手続きをする場合、本人確認書類については1点のみではなく、複数点の提示必須とされていることが多いため、気を付けましょう。
顔写真入りの証明書1点は必須とされ、顔写真入りの証明書2点か、顔写真入りの証明書1点+「氏名と住所」が入った証明書1点、または「氏名と生年月日」が入った証明書1点となっていることが多いようです。
顔写真入りの公的証明書である書類(一例)
- 運転免許証パスポート
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード(写真入りのもの)
- 在留カード
- 特別永住者証明書
- 身体障がい者手帳
- 精神障がい者保健福祉手帳
「氏名と住所」または「氏名と生年月日」が記載されている書類(一例)
- 国民健康保険証
- 年金手帳
- 各種年金証書
- 住民基本台帳カード(顔写真なし)
マイナンバーの住所変更。誰が手続きするのかで違いあり
引越しによりマイナンバーカードの記載事項変更手続きをしなければならない再、マイナンバーカードの所有者本人が窓口に行くのか、そうでないのかによって持参物も変わってきます。
マイナンバーカードの所有者本人が手続きをする場合は、「(1)本人のマイナンバーカード」のみで大丈夫。ただし、マイナンバーカード交付時に設定した4桁の暗証番号は必要になります。暗証番号を忘れてしまった場合には、事前に役所の窓口で再設定手続きを行ってください。
本人と同一世帯の代理人が手続きする場合は、これらに加え、(3)代理人の本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)-が必要になります。
法定代理人が手続きする場合は、さらに(4)代理人の資格を証明する書類(登記事項証明書や戸籍謄本など)、自治体によっては(5)委任状も必要です。
任意代理人(知人など)が手続きする場合には、これらのほか、(5)本人の全文自書・押印による委任状-も必要となります。
なお、任意代理人による記載事項変更手続きの場合、窓口での暗証番号入力は必要ない代わりに、市区町村役所・役場から本人宛てに照会書を発送して暗証番号を確認することになっており、即日での手続きはできません。任意代理人には暗証番号は教えないようにしましょう。
通知カードの住所変更手続き
マイナンバー通知カードにはマイナンバーカードと違って身分証明機能がないため、引越しに伴って住所変更をする際には、本人が手続きする場合でも運転免許証などの本人確認書類が必要になります。
本人または同一世帯の代理人が手続きする場合は、(1)変更が必要な通知カード(2)窓口に来た人の本人確認書類、(3)窓口に来た人の印鑑-を持参します。
これらに加え、法定代理人が手続きする場合は代理人資格を証明する書類(登記事項証明書、戸籍謄本など)、また任意代理人が手続きする場合は本人の自書・押印による委任状が、それぞれ必要になります。
転居・転入先の市区町村役所・役場の窓口には「通知カード表面記載事項変更届」の用紙が備えられているので、これに届け出人の氏名、住所、電話番号や、通知カードの記載事項変更が必要な人のマイナンバー(個人番号)、生年月日、氏名、性別、届け出人との関係、変更内容(引越しの場合なら住所)といった必要事項を記入して提出します。1枚の届け出用紙で最大4人分の記載事項変更を届け出ることができます。
マイナンバーカードの交付申請中に引っ越したら
マイナンバーカードの交付申請中に急に引越しが決まった場合などは注意が必要です。マイナンバーカードは各市区町村が発行しているので、交付申請を出した後、受け取る前に引っ越して他の市区町村に住民登録が移った場合、カードを受け取れなくなってしまうからです。
交付申請から発行までには約1カ月半かかりますので、引越しを間近に控えている人は申請しない方が無難でしょう。また、カード交付申請後、受け取り前に他の市区町村に引っ越した場合には、いったん申請を取り消した上、引越し先の市区町村で再申請するようにしてください。