引越しで待機児童に!?引越しによる保育園の転園が難しい理由

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引っ越しによる保育園の入園・転園

夫の転勤やマイホームの購入などにより、家族一緒に引越しをすることになったとき。もし子どもが保育園に通っているのなら、保育園の転園が必要になります。でも、引越しによる保育園の転園は、通常の保育園の入園より、さらに難しいという声も……。それは、なぜなのでしょうか。今回は、引越しによる保育園の転園が難しい理由に迫ります。

引越しによる保育園の転園は不利!その理由って?

子どもの保育園探し=保活。働くママのいる家庭にとって、子どもの保育園が決まらなかったら一大事ですよね。待機児童の多い都市部の激戦区の場合、通常の4月入園でも保育園に入れるのは難しいと言われています。それが、引越しによる転園となると、難易度はさらにアップ。どんなに保活をがんばったとしても、相当難しいということを覚悟しなければなりません。

では、なぜ、引越しによる保育園の転園は難しいのでしょうか。

そもそも保育園に空きがない

保育園の定員に空きが出るのは、ほとんどが年度末。年度替わりでの卒園や、上の年齢のクラスへの進級によって空くものです。4月の入園を希望する園児の募集は、多くの自治体で前年度の秋から始まります。激戦区では、この時点で定員を遥かに上回る申し込みがあり、結果、待機児童が出てしまうのです。

こうした地域では、引越しによって年度の途中に転園の申し込みをしても、そもそも空きがありません。同じように、引越しなどで転園した園児がいた場合、わずかに募集があるのみ。4月の時点よりも、ますます保育園に入れるのが難しくなるのです。また、引越し以外に、育児休業明けで年度の途中に申し込みをするケースもあり、4月以降、待機児童はどんどん増え続けることになります。

保育所等の空き定員は、多くが、4月の年度替わりでの卒園者や上の年齢のクラスへの代替わりによって生じるもの。年度途中の育児休業明けなどによる保育所等の利用申込み者は、4月に比べ入所が難しく、4月以降、年度を通して待機児童は増加する構造。

引用:平成30年10月時点の保育所等の待機児童数の状況について(厚生労働省)

住民票を異動していないと、選考で不利になる

認可保育園の場合、転園の申し込みをしたときに保育園のある自治体に住民票を移していないと「管外協議」という扱いになり、選考の際に不利になることがあります。そもそも転園の申し込みを受け付けてもらえない自治体も。

住民票をうつす前でも、住宅の売買契約書や賃貸契約書の写しを提出して、確実にその自治体の住民になることを証明できれば、転園の申し込みを受け付けてくれるところもあります。けれど、転勤などで急に引越しが決まった場合、家が正式に決まってからでないと、保活を始めるのは難しいでしょう。

いずれにしても、転居先の自治体が引越しによる転園にどのような対応をしているのか、引越しが決まったら、できるだけ早く確認しておくことが大切です。

もともと住んでいた人が優先されることがある

保育園の入園基準は、点数制です。親の勤務時間や家庭環境、世帯収入などで保育の必要性を点数化し、ポイントが高い家庭の子どもから入園が決まります。

もし、同じポイントになった場合、自治体によっては、もともと住んでいて、在住年数が長い家庭の子どもを優先的に入園させるケースも。この場合、引越しによる転園は不利になってしまいます。

自治体の窓口へ相談に行きづらい

保活は「情報戦」とも言われています。引越しによる保活も、転居先の自治体の保育園情報をいかに多く集められるかが成功のカギ。引越し前からインターネットで情報収集することはできますが、保育園の空き状況や待機児童数、応募状況など、最新の正確な情報を把握するには、自治体の窓口へ直接相談にいくのがいちばんです。

近場の引越しなら直接窓口へ行くことも可能ですが、遠方の引越しとなると、転居先へ何度も足を運ぶのは困難です。そのため、引越しによる保活は大変だと言われるのです。

引越しをしても、保育園が決まらなかったら…

引越し先で希望通りに転園ができなかったら、気を取り直して、やれることから始めましょう。少しでも早く子どもを預けられる場所を探したいなら、保育園以外のサービスを検討するのもひとつの方法です。

自治体の窓口へ相談にいく

前述の通り、待機児童数や応募状況など、最新の正確な情報を把握するには、自治体の窓口へいくのがいちばん。引越しが済んだら、自治体の窓口にも行きやすくなるはずです。現在の状況を相談しにいきましょう。地域の保育園情報がまとめてある案内冊子をもらえるほか、申込書の書き方や提出方法、必要な書類なども詳しく教えてくれますよ。

認可外保育園や幼稚園も検討する

自治体や社会福祉法人が公費によって運営している「認可保育園」に対し、基本的に利用者が支払う保育料で運営しているのが「認可外保育園」。認可保育園の転園の申し込みは自治体の窓口になりますが、認可外保育園の場合、直接保育園に申し込みます。認可保育園のように点数制ではなく、申し込み順で入園が決まるため、空きさえあれば入園できる可能性はあります。自宅や職場に近い認可外保育園はないか、確認してみましょう。

また、幼稚園なら、保育園に比べて空きがある可能性も。働くママのために、延長保育を行っている幼稚園も増えています。ほかにも自治体が行っている一時保育、民間のベビーシッターなど、さまざまな保育サービスがあるので検討してみるといいでしょう。

点数制の仕組みをしっかり理解する

認可外保育園やベビーシッターなど、認可保育園以外の保育サービスを利用しながら職場復帰をする場合、点数制の仕組みについて再確認しておきましょう。自治体によっては、選考の際に保育サービスの利用が加点につながるため、保育園に空きが出た場合、転園できる確率が高くなります。

早めの保活スタートが大事!

いかがでしたか?待機児童問題が解消されず、それでなくても苦労の多い保活ですが、引越しによる転園の保活は、ますます大変なことがわかりました。でも、引越しや転勤の多い9月10月に、ふと保育園に空きが出ることもあります。引越しが決まったら、まずは転居先の自治体に問い合わせるなど、早めに情報収集を始めることが大切です。気落ちに余裕を持って、保活をスタートしましょう。