引っ越しの際、郵便物は転送届けを出しますが、宅配便はどうすればいいのでしょうか? 引っ越しで住所が変わった場合を想定し、転送サービスがある会社もあるのですが、宅配便会社の中には新居への自動転送サービスが利用できないところもあります。大手の一角を占める佐川急便もそのひとつです。
佐川急便には宅配便の転送サービスはない
引っ越しで住所が変わった場合、宅配便については転送サービスを利用できる会社もあります。
日本郵便の「ゆうパック」であれば、郵便局に転居届を出しておくだけで郵便物と同様に1年間は新住所に転送されますし、ヤマト運輸の「宅急便」であれば、郵便局の転居届提出に加えて「宅急便転居転送サービス」に申し込んでおくことで、同じく1年間は荷物が自動的に新住所宛てに転送されます 。しかし、宅配便大手の一角である佐川急便にはそのようなサービスはありません。
荷受人からの要請で送り主確認が取れれば転送可能
佐川急便の場合、原則として荷受人の側で荷物の配送先を変更することはできません 。ただ、引っ越しで新しい住所への転送が必要になった場合は、荷受人からの要請があれば、送り主に転送してよいかどうかの確認をしたうえで、新住所に転送しているようです。このため、前もって新住所宛てに荷物を転送するよう申し込んでおくことはできず、宅配便が発送されてから、その都度、佐川急便に転送を要請しなくてはなりません。その際には、送り状(伝票)の控えにある「お問い合せ送り状No.」の番号を伝える必要があるため、送り主に番号を教えてもらいましょう。
こうしてみると、こと引っ越し先への荷物転送サービスに関する限り、佐川急便はヤマト運輸や日本郵便に比べて顧客への便宜が十分図られていないように思われるかもしれません。
しかし、佐川急便が転送サービスに消極的なのは、なりすましなどによる犯罪被害やトラブルを防止するため、それだけ荷物の取り扱いに慎重になっていることの表れともみることができます。
佐川急便の宅配便の自宅以外での受け取りは可能?
なお、 佐川急便の宅配便に関しては、自宅以外での荷物受け取りを希望する場合には、通販事業者から購入する商品に限り、提携コンビニエンスストアで荷物を受け取ることができます 。
また、不在再配達の荷物については、最近駅やスーパー、コンビニなどに増えている宅配便ロッカー「PUDOステーション」で受け取ることもできます。ただ、宅配便ロッカーに関しては一部に利用できないところもあります。
佐川急便には、自宅ではなく同社の営業所で宅配便を受け取れる「営業所受取サービス」というのもありますが、これを利用するには送り主側で営業所受け取りを指定する必要があります。自宅宛てに送られた荷物を荷受人の側で営業所での受け取りに変更することはできません。
引っ越しの際は通販サイトの住所変更登録も忘れずに
佐川急便のように引っ越し先への宅配便の自動転送サービスを行っていない宅配便会社もあるため、引っ越しで住所が変わる際には、宅配便を送ってくる可能性のある親類や知人、取引先などには忘れずに転居通知を出して新住所を知らせておくようにしましょう。
最近では、多くの人にとって宅配便の荷物を受け取る機会が最も多いのは、Amazonや楽天市場などのネット通販サイトで商品を購入したときや、ヤフオク!などのオークションサイトで落札したとき、メルカリなどの個人売買サイトを利用するときでしょう。
引っ越しに際しては、これらの通販サイトなどでの登録住所も忘れずに変更しておきましょう。