引っ越しでは、事前に見積もりを取っていても、引っ越し当日になって想定外の追加料金が発生することがあります。これは、引っ越し業者のスタッフが予定外の作業を行う必要が生じたり、家財の量が見積もり時より増えていてトラックに積みきれなかったりすることが主な原因です。
【原因1】荷造りが終わっていない
「荷造りが終わらない!」
「引っ越し当日の朝なのに、まだ詰めている…」
荷造りは、引っ越しで大変だった作業の上位にあげられることが多い項目。「荷造りが終わらない問題」は、SNS上でも溢れており、引っ越しあるあるのひとつと言っていいでしょう。
多くの場合、引っ越し業者の基本的なプランでは、大型家具や家電製品などはスタッフが当日に梱包することになっていますが、それ以外の荷物は利用者が自分で段ボール箱などに梱包することになっています。
この荷造りの作業が引っ越し当日まで終わっていなかった場合には、引っ越し業者のスタッフが代わって荷造りをすることになり、余計な時間がかかるだけでなく、その作業料金が追加で請求されることになるので要注意です。
家族の引っ越しや荷物が多い場合は危険度がかなり高め
単身の引っ越しなら、当日スタッフに詰めてもらうことで乗り切れることが多いようですが、単身でも荷物が多い場合や、家族の引っ越しで梱包が終わっていないと、最悪、当日の引っ越しができない可能性あり。
次のお客さんの引っ越し開始時刻に間に合わなくなる…などと判断された場合、当日引っ越しを断られてしまうこともあるので、「きっと最後には引っ越し業者さんが何とかしてくれる!」という判断は危険かもしれません。
早めの準備・早めのSOSでトラブル回避
対策としては、当日になって慌てないよう、事前にしっかり計画を立てて荷造りなどの準備をしておくことです。
「できないから困るのに。そんな正論はいらない」という声が聞こえてきそうですね。
忙しくて引っ越し日までに梱包が完了するかどうか不安な場合は、荷造りもサービスに含まれたプランで申し込めば、事前準備の必要はなくなります。
ただし、こうしたプランでは作業スタッフの人数が増える分、料金も割高になるうえ、基本的には引っ越し当日の荷造り作業となります。
事前に荷造りを済ませておく場合に比べて時間がかかる場合があるので、あらかじめ確認しておきましょう。
【原因2】荷物が増えていた
荷物の量が想定よりも多すぎて、用意された引っ越し会社のトラックに積みきれない場合も、追加料金が発生します。
荷物が積みきれないとどうなるのか…。
トラックで往復したり、別のトラックを手配する必要が出てきます。
こうなると、お金だけの問題ではなく、トラック手配ができずに当日の引っ越しがむずかしくなる…という可能性もあるので、かなりの大ごとに…。
訪問見積もりを必要としない単身者向けの引っ越しで、とくにこうした事態が起こりやすくなります。
「見積もり金額を下げるために、ちょっと荷物量を少なめに伝えよう♪」
なんて軽い気持ちで過小申告をすると、節約したハズの金額以上に追加料金がかかる羽目になりかねません。
「訪問見積もり利用」または「正しい荷物量の申告」でトラブル回避
引っ越し業者が訪問見積もりをすれば、プロの目で荷物の量を確認し、それに見合った大きさのトラックを手配するため、このようなトラブルはあまり起きません。
それでも、引っ越し当日までに処分する予定だった大型の家財が処分できず、引っ越し先に持って行かざるを得なくなったり、当初予定していたより荷物の量が増えると、トラックに積み込めなくなることがあります。
こうしたトラブルを防ぐには、訪問見積もりですべての家財をスタッフにチェックしてもらうこと、また訪問見積もり不要の場合でも、荷物の量を正確に引っ越し会社に伝えることが大切です。
訪問見積もりは無料のサービスですが、立ち会いが必要なうえ、「いま決めていただいたら、この価格になります!」など、引っ越し業者のセールス攻勢にさらされることも多いため、苦手に感じる人もいるかもしれません。
それでも追加料金の発生を防ぐためには、プロの目で見積もりを取ってもらった方が安心できます。
また、引っ越し先に持って行かず処分する予定の家財については、余裕を持って早めに手続きすることが必要です。
とくに引っ越しシーズンの春ごろは、粗大ごみの受付センターは予約が混み合って、なかなか希望どおりの日程で家財を処分できないので気をつけましょう。
【原因3】荷物搬入に想定外の作業が必要になった
荷物の搬出時に関しては、引っ越し業者に訪問見積もりをしてもらえば、自宅のエレベーターのサイズや通路の広さ、周辺道路の状況などを事前に把握できるため、想定外のトラブルは避けられるはずです。
しかし、荷物を搬入する引っ越し先の新居については、引っ越し業者は事前に下見するわけにもいかず、利用者からの申告に基づいて作業プランを立てるしかありません。
想定外の事態の一例
- 新居にエレベーターがあると聞いていたのにない
- 作業時間帯にエレベーターが定期点検で使えない
- 大型の家財がエレベーターに入らない、通路・玄関を通せない
- 新居の前の道路が狭すぎてトラックが付近まで入れない
大型家財がエレベーターに入りきれなかったり玄関を通れないなど、ベランダからクレーンを使って搬入するしかないような場合には、追加料金が発生します。
そもそも、当日クレーン車の手配ができるかどうかも問題になってきます。
また、新居への道路が狭すぎてトラックが入れないような場合、大通りにトラックを止めて、そこから荷物を運搬する必要が出てくるので、余計な追加料金が発生してしまうことがあります。
これらの対策としては、利用者が事前に新居の玄関や通路の広さ、エレベーターの大きさ、周辺の道路の状況など、荷物の搬入にかかわる情報をきちんと調べて、見積もりの際に引っ越し業者のスタッフに正確に伝えておくことが重要です。
大型マンションなどでは、引っ越しの搬入日時をあらかじめ管理会社に連絡して事前の許可が必要な場合も。トラブルを回避するためにも、ルールの確認をしておきましょう。
まとめ
以上のように、引っ越し当日になって追加料金が発生するのを防ぐためには、
- 引越会社に訪問見積もりをしてもらい、プロの目で荷物量をチェックしてもらう
- 引っ越し前日まで必ず荷造りを完了し、不用品も処分しておく
- 新居の建物や周辺道路の状況など、荷物搬入に必要な情報を引越会社に正確に伝えておく
という3点がとても大切です。