転勤族は孤独との闘い!?転妻がうつになりやすいと言われる理由

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うつ病になる女性

「転勤族の妻=転妻」。夫に転勤の辞令が出るたび、ようやく慣れた場所を離れ、新しい土地に引越すというのはなにかと気苦労の多いことですよね。なかには「転勤のせいでうつになってしまった」という転妻も少なくありません。そこで今回は、なぜ転妻がうつになりやすいと言われているのか、その理由と、うつを和らげるためのアイデアをまとめます。

転勤族の妻が、うつになりやすい理由って?

夫が転勤になると、引越しの準備や新居の片付け、子どもの転校・転園手続き、お世話になった人やご近所への挨拶まわり……などなど。転妻には、引越し前後にやらなければいけないことが山のようにあります。それらの作業を淡々とこなしているうちはいいのですが、注意したいのが、新居の片付けがひと段落して落ち着いた頃。

それでなくても、慣れない環境では想像以上にストレスがたまるもの。体の疲れに加え、本人も気づかないうちに、心にまで大きな負荷を抱えてしまい、転妻はうつになりやすいと言われているのです。では、転妻のストレスの原因は、どんなものが多いのでしょうか。

原因①新しい友だちができにくい

夫の転勤で引越しをすると、せっかく仲よくなった友だちとも離ればなれに。転勤先で、またイチから友だちを作ることになります。夫には会社があるため、比較的すぐ新しい人間関係が築けるのですが、転妻の場合、普通に生活しているだけではなかなか友だちができません。

おしゃべりする相手はもちろん、挨拶を交わす人さえいない状況は、とても寂しくてつらいこと。夫と話がしたくても帰りが遅く、新しい職場に赴任したばかりで疲れもあるため、十分に話す時間が取れず、孤独を感じている転妻は多いようです。

未就学児の母親は、ママ友作りに苦戦

また、子どもがいる転妻の場合、子どもが小学生や中学生なら、子どもを介してママ友を作るチャンスがあります。大変なのは、子どもが未就学児のケースです。

東急住宅リースの「ビジネスパーソンの転勤事情に関する調査2019」によると、転勤先でママ友作りに苦労したことがある転妻の割合は、未就学児のママで63.8%と最も高くなりました。未就学児のママは知らない土地で公園デビュー、子育て支援センターデビューをするなど、ママ友作りをイチから始めなければならず、苦労していることがわかります。

原因②自分の好きなように仕事ができない

夫の転勤で家族一緒に引越すことを決めたら、仕事を持っている転妻は退職することになります。転勤先で新たに仕事を探しても、夫が転勤族だと正社員として採用されるのはなかなか困難で、たとえ正社員として採用されたとしても、「数年後に辞める可能性があると思うと仕事に打ち込めない」と、転妻自身のモチベーションは下降気味に。自分の思い描くように働けず、大きなストレスとなるのです。

また、夫は転勤のたびにキャリアを重ねられるのに対し、夫の転勤を理由に退職を余儀なくされ、自身のキャリアをストップさせてしまうこともストレスの一因と言えるでしょう。

原因③新しい生活を送るのがそもそもストレス

見知らぬ土地では、ただ毎日の生活を送るだけでもストレスがたまります。慣れ親しんだ土地ならどこになにがあるのかすぐにわかっても、転勤先だと買い物をするにも病院へ行くにも、わざわざインターネットなどで調べなければなりません。車を運転するときも、知らない道では余分に疲れがたまってしまいます。このように転妻には日々、小さなストレスが蓄積されているのです。

早めの対処が肝心!転妻のうつを和らげるためのアイデア

厚生労働省のWEBサイト「みんなのメンタルヘルス」によると、「何をしても楽しくない」、「疲れているのに眠れない」などの症状が2週間以上ずっと続くことが、うつ病と診断するひとつの目安だとされています。

うつ病と診断するめやすとして、次のような症状のうちいくつかが2週間以上ずっと続く、というものがあります。ひとつひとつの症状は誰もが感じるような気分ですが、それが一日中ほぼ絶え間なく感じられ、長い期間続くようであれば、もしかしたらうつ病のサインかもしれません。

・抑うつ気分(憂うつ、気分が重い)
・何をしても楽しくない、何にも興味がわかない
・疲れているのに眠れない、一日中ねむい、いつもよりかなり早く目覚める
・イライラして、何かにせき立てられているようで落ち着かない
・悪いことをしたように感じて自分を責める、自分には価値がないと感じる
・思考力が落ちる
・死にたくなる


引用:うつ病のサイン・症状(みんなのメンタルヘルス/厚生労働省)

うつ状態が長引くとうつ病になることもあるため、早めに対処することが大切です。ここでは、転妻のうつを和らげるためのアイデアをラインナップしました。「なんだか憂鬱だな」、「気分が重いな」と感じたらトライしてみましょう。

規則正しい生活を送る

生活習慣が乱れていると自律神経のバランスが崩れ、心と体にさまざまな不調をもたらします。引越し直後は、新居の片付けなどで睡眠不足になりがちです。体の疲れをとるためにも十分な睡眠をとり、早寝早起きを心がけましょう。バランスのいい食事を三食しっかり食べる、ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を取り入れるなども、自律神経を整える効果があるようです。

新しい土地を観光してみる

転勤先の観光スポットをじっくり見てまわれるのは、その土地に住んだからこそできる、転勤族の特権です。ご当地グルメを味わったり、美しい風景を見たり、ガイドブックには紹介されていないようなスポットも、散歩がてらにまわってみましょう。適度な運動にもなって、気分がリフレッシュできますよ。

寂しさやつらさを抱え込まない

寂しい気持ち、つらい気持ちをひとりで抱え込んでいると、どんどん膨らんでしまいます。夫や自分の両親、兄弟・姉妹、昔からの友だちなど、大事な人に自分の気持ちを正直に話してみましょう。身近な人に心配をかけたくないのなら、SNSで転妻のコミュニティに参加するなど、同じ境遇の人と悩みを分かち合うのも手。心がすーっとラクになるはずですよ。

自分なりの働き方を見つける

数年後にまた引越してしまう可能性が高く、正社員では働きづらい転妻。でも、雇用形態にこだわらなければ、すぐにでも働ける仕事はたくさんあります。たとえば、短期の契約で働ける契約社員や派遣社員、フレキシブルな働き方ができる登録制アルバイトはその一例です。また、全国でチェーン展開しているコンビニやファミレスならマニュアルが共通のため、次の転勤先で働くときもイチから仕事を覚えなおす必要がありません。

仕事を始めると、自宅以外に居場所ができて、人づき合いの幅もぐんと広がります。孤独感からも解放され、お金を稼ぐ以外のメリットも多いと言えるでしょう。

まとめ

いかがでしたか? うつになりやすいと言われる転妻ですが、実は転勤族の暮らしを楽しんでいる転妻もたくさんいます。がんばりすぎず、気分が沈んでいるときは早めに解消して、自分なりのペースで転妻ライフを楽しんでくださいね。

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