引っ越し先の待機児童状況は? 待機児童が少ないエリアをチェック!

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待機児童が少ないエリア

夫婦共働きで小さな子どもがいる家庭の場合、引っ越し先の保育所に空きがあるかどうかは死活問題。

保育所の待機児童率は各市区町村によってかなりの差があり、自治体ごとの施策のばらつきが目立っています。

引っ越し先を決める前に待機児童状況を十分にチェックしましょう。

2019年4月の待機児童数は過去最少に

政府は女性の就業率を80%に引き上げるため、2020年度末までに待機児童をゼロにする目標を掲げています。

2019年9月に発表された集計(厚生労働省調べ)によると、保育所等の利用定員は前年比8万8000人増加して289万人、保育所等を利用する児童の数は同6万5000人増加の268万人。

一方で待機児童数は、前年比で3123人減少して1万6772人と、過去最少を記録しました。

待機児童数ワーストは東京都世田谷区

待機児童数が全国で最も多いのは、東京都世田谷区の470人です。ニュースでも世田谷区の待機児童問題はたびたび取り上げられているため、想定内の結果といったところでしょうか。

待機児童数の多い市区町村

市区町村待機児童数
1位東京都世田谷区470人
2位兵庫県明石市412人
3位埼玉県さいたま市393人
4位
岡山県岡山市353人
5位兵庫県西宮市253人
6位沖縄県那覇市250人
7位兵庫県神戸市217人
8位鹿児島県鹿児島市209人
9位沖縄県南風原町208人
10位沖縄県沖縄市198人

もっとも、自治体ごとの待機児童数はその自治体の人口の大小にも左右されるので、これだけでは保育所に入りやすいかどうかはわかりません。

待機児童率が最悪なのは沖縄県南風原町

そこで、保育所等の申込者数に占める、待機児童数の割合を示した待機児童率で比較してみましょう。

待機児童数が100人以上いる市区町村のうち、全国で最も待機児童率が高いのは沖縄県南風原町の9.92%です。申込者のうち10人に1人は保育所に入れない状況です。

待機児童率が高い市区町村

市区町村待機児童率
1位沖縄県南風原町9.92%
2位福岡県福津市7.97%
3位沖縄県南城市7.24%
4位福岡県筑紫野市5.86%
5位福岡県大野城市5.83%
6位兵庫県明石市5.33%
7位埼玉県三郷市4.44%
8位東京都国分寺市4.14%
9位東京都小金井市3.97%
10位東京都中央区3.73%

東京の待機児童率は急速に改善

全国待機児童マップ(都道府県別)

都道府県別で見ると、待機児童率が1%を超えているのは、宮城県の1.33%、東京都の1.19%、兵庫県の1.40%、岡山県の1.21%、沖縄県の2.80%の5都県。

あとは埼玉県の0.91%、千葉県の0.88%、福岡県の0.98%が目立っています。

雇用状況改善した沖縄県は待機児童率が高い数値

沖縄県の待機児童率がダントツで高いのは、県内の雇用状況が改善したため子どもを施設に預けて働こうとする親が急増したことに加え、施設自体は増えているものの保育士の数が足りないことが原因とみられています。

女性就業率が高いとみられる都市部であっても、神奈川県の待機児童率は0.45%、大阪府では0.32%と、意外に低い数値です。

これは保育施設の拡大や保育士の確保に、どれだけ本腰を入れているかという自治体の姿勢の差によるものかもしれません。

都内でも待機児童は改善傾向

東京都は人口が多いこともあって、待機児童数は3690人。全国の中でも突出して多いのですが、前年比では1724人も減少しており、急激に改善しています。

実際、筆者が住んでいる都内の家の近所でも何軒もの新規保育所が来春開園予定で、待機児童対策が進んでいることを実感させられます。

なお2019年4月時点で待機児童が少ない区は以下です。

待機児童が少ない区(2019年4月時点)

待機児童
第1位港区0
第1位杉並区0
第3位新宿区2

港区と杉並区は、2019年4月段階で待機児童ゼロを達成しています。

「潜在的待機児童」にも注意

厚生労働省の調査結果は、各市区町村の待機児童の状況を知る上で参考にはなりますが、この調査だけからはわからない実態にも注意する必要があります。

子どもを預ける施設として自宅の近くなど特定の保育所のみを希望する場合は待機児童には含まれないのです。

保育所を選べず、遠方の施設にしか預けられないようでは仕事の上でも支障が出てきます。引っ越し先を決める際には、自宅近くの保育所が使えるかという点にも注意するようにしましょう。

本記事のデータ出典:保育所等関連状況取りまとめ(平成31年4月1日/厚生労働省)