サービス開発者にはわかってほしい、法人向けクラウドサービスが避暑地だらけで戦場じゃない件
こんにちわ。引越しラクっとNAVI(@hikkoshinavi)の横川です。
クラウドサービス全盛期です。
僕たちの、引越しラクっとNAVIも、転勤ラクっとNAVIもクラウドサービスの端っこの方に存在させてもらっています。
ちょっと前に、日経ビジネスさんで、総務は一人でもできる。的な記事があって、僕は、「そうだそうだ。」と思い、会社の運営で、できるところは基本的にクラウドサービスでええじゃないか。という派なのです。
総務は1人で十分こなせる https://t.co/2MdHOUz1j5
— 引越しラクっとNAVI【公式】 (@hikkoshinavi) 2016年12月20日
なので、僕たちの会社でも、いくつかのクラウドサービスを利用していますが、ここ最近、ちょっとアレな感じが続くので、ここで不満を述べたいと思います。
ガンガン営業電話のくるクラウド会計サービス
ちょっと前に大流行した、フリーミアムという言葉。最近聞きませんね。あまりにも当たり前になって、フリーミアムなんて、わざわざ言わないのかもしれないですね。
そして、今回イラっとしたのは、某クラウド会計サービスのフリープランを申し込むと、ガンガン、サポートという名の営業電話がかかって来ます。
しばらく、フリープランのログインすらしていなかったんですけど、昨日、どんな感じだったかな?と思い、ログインして画面を操作したら、翌日、「昨日、ログインされましたよね?何か操作で不都合はありませんでしょうか?」というサポート電話がかかって来ます。
なんか、「気持ち悪っ!」って感じるのは僕だけでしょうか?
ここまで、ログインの情報とかチェックされていると、サポートされているというよりも、監視されているという気持ちが強くなって、僕はもらった電話で、退会の方法を教えてもらい、即座に退会しました。
そして、このクラウド会計サービスですが、面白いのが、別法人で、有料プランでも申し込みしているのですが、そちらの会社には全然サポートの電話とかこないんです。ですから、サポート電話は、有料プランのユーザーには二の次のようです。
ビジネスモデル上、フリープランのユーザーをいかに有料にもって行き、さらに別のサービス(請求書発行とか)に繋げていくかが重要なことはわかります。それを理解した上で、サービスの登録をしている立場ですから。
ですが、結果的にユーザーに気持ち悪がられるサービスは、いかがなものでしょうか?
年間契約という、自信のないサービス
続いて、最近、流行り?の年間契約型のクラウドサービスについても、不満です。
月額契約と、年間契約を選ぶことができて、年間契約の方がお得です。というような、選択型であれば、ものすごく利用する法人にとって、気持ちのいいサービスになります。例えば、僕たちも利用させてもらっていますが、サイボウズのクラウドサービスなんかはこの形式ですよね。
ですが、最近、最初から年間契約のみしかプランがないサービスが増えている!・・・気がします。(どことは言いませんが)
まあ、年間契約であれば、請求書立てて、振込して。と入金関係が楽なのは、理解できます。ベンチャーならば、そのような関節コストは削減したいでしょうから。
ですが、利用する法人にとって、思いの外、使い勝手が悪いとか、急激な環境の変化に対応したいという場合、年間契約よりも、月額契約の方が導入までのハードルは低いわけです。単価が多少、高くてもです。
僕みたいな人間が窓口をすると、
「このサービス、継続してもらう自信がないのかな?」
と思えてしまいます。
サービスで勝負できるならば、この辺りのハードルはとにかく下げる方向に行くと思うんですよね。例えば、クレジットカード決済でも、請求書払いでも、口座振替でも大丈夫です!みたいに。
法人で年間契約を結ぶ理由
サービス提供側にとっては、メリットしかありません。
法人の場合、導入までのハードルは多少高くとも、一度利用してもらえれば、データが蓄積されて、多少のサービス不備があっても、改善していくことで、継続して利用してもらえます。
また、料金についてもクラウドサービスのように定価がある程度決まるものは、それほど料金交渉もないでしょう。
窓口の担当者にとっては、会社のお金なので、自分が楽になるなら、導入しておきたいというインセンティブも働きます。
ですから、法人向けのクラウドサービスは、導入までのハードルは高くとも、継続のハードルはそれほど高くありません。しかも、年間契約を結んでおけば、解約が一番多いであろう、初年度の解約を防止することができます。
また、前述の通り、請求書払いで対応できてしまうので、クレジットカード会社などに手数料を取られることもありません。
とにかく、サービス提供側にとって、年間契約はメリットしかありません。
常に契約終了を意識しないサービスは終わりやすい
ですが、サービスを提供する側が、契約終了を意識できる状況でないと、本当の意味で、サービスを充実させるインセンティブが働かないと思います。
不満が多いサービスならば、一時的に解約も増えるかもしれませんが、長い目で見た場合、サービスレベルは早めにあがっていくはずです。
年間契約という、甘い避暑地へ行くよりも、月間契約という、常に戦場にいることで、あなたのサービスレベルは、絶対に上がりますから!
ですから、サービスの開発者はより厳しい状況の中で戦うことをお勧めします。
転勤ラクっとNAVIは?
じゃあ、お前はどうなんだと言われそうなので、ご紹介すると、転勤ラクっとNAVIは、これまで同業他社が月額契約や年間契約をしていたサービスを、無料で提供しています。
無料ということは、使わなくてもいいし、使ってもいいわけです。こんな仕組みにすることで、もっと過酷な環境にサービスを置いています。
とはいえ、サービス導入のハードルは間違いなく下がるので、サービスに自信がないと、この設定はできないと思います。
2011年にローンチしてから、常にバージョンアップをして、機能を追加して、投資した金額は・・・・・いえません(笑)
でも、こうやって、導入のハードルを下げて、たくさんの企業の方に利用してもらうことで、お叱りのお言葉も頂きましたが、サービスレベルは間違いなく上がりました。サービス開始当初からお付き合い頂いている企業さんの要望は、かなり応えて来れたと思います。
そんなわけで、戦場に突っ込むのは大変だし、胃が痛いし、怖いけど、本当に最短距離でサービスを広げるならば、戦場に飛び込みましょう!