移住するならどの地域?シニア、若年層が注目する移住先人気ランキング
新型コロナウイルスの影響が長引く昨今、何かと窮屈な生活を余儀なくされる都会での生活に見切りをつけた方も少なくない(筆者もそのうちの1人です) のではないでしょうか?
そんな方に改めて知っていただきたいのが、地方への移住について。地方移住は定年後のセカンドライフを考えるシニア世代だけでなく、若い子育て世代の間でも都会との2拠点生活や新規就農などで近年注目を集めてきましたが、今回の新型コロナによってその流れが加速するかもしれません。
この記事では、近年の移住事情や、人気の移住先ランキングなどを詳しく見てみます。
幅広い年齢層で地方移住希望者が急増
地方移住者と全国の自治体のマッチングを行っている特定非営利活動法人「100万人のふるさと回帰・循環運動推進・支援センター」では、東京都内にある相談施設「ふるさと回帰支援センター」で、地方移住に関する相談を受け付けています。
同センターでは、2019年の年間相談件数が前年から7883件増の49,401件となり、さらに移住相談会やセミナーの開催件数も545回と過去最大となっていることを発表。地方移住の希望者が年々増えていることが数字上で明らかになりました。
注目すべきは相談者の年齢層で、2017年から2018年にかけては20歳~30歳代の相談が5割を越えていたそうですが、2019年は40~60歳代の相談者が微増。
中でも年金だけでは今後の生活費に不安あるというシニア層による、生活コストを下げるための地方移住の相談が増えているとのこと。今後もしばらくは、幅広い年齢層で同様の傾向が続いていくかもしれません。
移住希望地ランキング、1位は三年連続で長野県
あわせて同センターでは、来場者を対象とした移住希望地のアンケート調査も毎年行っていますが、最新の2019年の移住希望地ランキングでは、長野県が3年連続で1位。長年移住人気の高い静岡県が2位に続き、また広島県が前年の6位から2位へと順位を上げました。
出典: 2019年の移住相談の傾向、移住希望地ランキング| ふるさと回帰支援センター
長野県は77市町村と全国で2番目に多い自治体のそれぞれの魅力を発信するため「出張相談デスク」をうまく活用して効果を上げており、また年代別のランキングでも20歳代以外はすべて1位となっています。
また昨年の6位から2位に順位を上げた広島県は、瀬戸内ライフ、新しい働き方、カープ移住や食をテーマにした移住相談会を開催するなど、広島の資源や魅力を活かした多様な暮らし方の発信を行い、若年層を中心に人気を集めているとのこと。年代別では20歳代以下でトップになったほか、全ての年代で5位以内に入り、幅広い年代へのアプローチが効果をあげています。
このほか3位の静岡県も、首都圏からのアクセスの良さなどから全ての年代で5位以内をキープ。70歳代以上からの支持が高かったことで、4位の北海道と僅差で3位となりました。
宝島社は移住施策や環境をポイント化してランキング
一方、それぞれの移住候補地が移住者にとってどれだけ住みやすいかを採点したランキングを実施しているのが、宝島社の雑誌「田舎暮らしの本」。
2020年に発行された「2020年版 住みたい田舎ベストランキング」では、移住定住の推進に積極的な市町村を対象に、移住支援策、医療、子育て、自然環境、就労支援、移住者数などを含む230項目のアンケートを実施。629の自治体からの回答をもとに、田舎暮らしの魅力をランキング形式で紹介しています。
同ランキングは移住候補地を、「都会の便利な暮らしも捨てがたい人」向けとなる人口10万人以上の「大きなまち」と、「自然が豊かなところで田舎暮らしを楽しみたい人」向けとなる人口10万人未満の「小さなまち」に分類。
世代によって移住者のニーズや施策が様々なことから、それぞれについて 全世代対象の【総合部門】のほか、【若者世代部門】【子育て世代部門】【シニア世代部門】の全4部門を設置しています。
「大きなまち」は3自治体が初の1位に
「大きなまち」では、【総合部門】は山口県宇部市、【若者世代部門】は愛媛県西条市、【シニア世代部門】は山形県酒田市の3自治体が初の1位を獲得。【子育て世代部門】は、前回3冠の鳥取県鳥取市が1位を獲得しました。
【若者世代部門】1位となった西条市は、前年度の「2019年版 全国12エリア別 住みたい田舎ベストランキング 四国エリア」で5冠を達成。ランキングを活かしたPRを行い、近隣からの移住者が急増。地域おこし協力隊制度を起業支援に特化した「ローカルベンチャー誘致・育成事業」の実施により、若者世代や起業を目指す方の移住に成果をあげています。
大きなまちのランキング
<総合部門>
1位 山口県宇部市
2位 鳥取県鳥取市
3位 静岡県静岡市
4位 山形県酒田市
5位 栃木県栃木市
<若者世代が住みたい部門>
1位 愛媛県西条市
2位 鳥取県鳥取市
3位 静岡県静岡市
4位 秋田県秋田市
5位 福岡県北九州市
<子育て世代が住みたい部門>
1位 鳥取県鳥取市
2位 福岡県北九州市
3位 宮崎県延岡市
4位 愛媛県西条市
5位 栃木県栃木市
<シニア世代が住みたい部門>
1位 山形県酒田市
2位 山口県宇部市
3位 福岡県北九州市
4位 愛媛県西条市
5位 宮崎県都城市
「小さなまち」は豊後高田市と臼杵市が2冠達成
「小さなまち」では、ランキング常連である大分県豊後高田市が【総合部門】と【子育て世代部門】で1位、大分県臼杵市が【若者世代部門】と【シニア世代部門】で1位と、それぞれ2冠を獲得。大分県の2市が4部門を占め、豊後高田市は8年連続ベスト3入りを達成しています。
このように人気の高い豊後高田市では、移住者向けの無償宅地や多様な奨励金など、きめ細やかな移住支援策を実施。中でも教育・育児に大変力を入れており、平成31年4月からは下記のような「全国トップレベルの本気の子育て支援」を行っています。育児世帯にとって、これは大変魅力的ではないでしょうか。
・市内保育園の保育料の完全無料化
・市内公立幼稚園の授業料の完全無料化
・市内幼稚園・市内保育園ともに0歳~5歳児の給食費の完全無料化
・子育て応援誕生祝い金で最大100万円を支給
小さなまちのランキング
<総合部門>
1位 大分県豊後高田市
2位 山梨県北杜市
3位 島根県飯南町
4位 大分県臼杵市
5位 兵庫県養父市
<若者世代が住みたい部門>
1位 大分県臼杵市
2位 島根県飯南町
3位 長野県飯山市
4位 大分県国東市
5位 大分県日田市
<子育て世代が住みたい部門>
1位 大分県豊後高田市
2位 大分県臼杵市
3位 島根県飯南町
4位 茨城県常陸太田市
5位 大分県国東市
<シニア世代が住みたい部門>
1位 大分県臼杵市
2位 大分県豊後高田市
3位 兵庫県養父市
4位 島根県雲南市
5位 山梨県北杜市
最後に、全国12エリア別の総合ランキングベスト5をご紹介します。
<北海道エリア>
1位 沼田町
2位 深川市
3位 旭川市
4位 三笠市
5位 砂川市
<東北エリア>
1位 山形県酒田市
2位 宮城県栗原市
3位 秋田県秋田市
4位 秋田県にかほ市
5位 秋田県由利本荘市
<北関東エリア>
1位 栃木県栃木市
2位 茨城県常陸太田市
3位 栃木県鹿沼市
4位 栃木県足利市
5位 茨城県境町
<首都圏エリア>
1位 千葉県いすみ市
2位 埼玉県秩父市
3位 千葉県館山市
4位 埼玉県飯能市
5位 埼玉県加須市
<北陸エリア>
1位 富山県南砺市
2位 富山県魚津市
3位 新潟県糸魚川市
4位 富山県氷見市
5位 新潟県新発田市
<甲信エリア>
1位 山梨県北杜市
2位 長野県辰野町
3位 長野県飯田市
4位 長野県飯山市
5位 長野県伊那市
<東海エリア>
1位 静岡県静岡市
2位 岐阜県中津川市
3位 岐阜県恵那市
4位 三重県伊賀市
5位 愛知県豊田市
<近畿エリア>
1位 兵庫県養父市
2位 兵庫県豊岡市
3位 兵庫県朝来市
4位 兵庫県香美町
5位 京都府綾部市
<中国エリア>
1位 島根県飯南町
2位 山口県宇部市
3位 鳥取県鳥取市
4位 島根県雲南市
5位 岡山県笠岡市
<四国エリア>
1位 愛媛県西条市
2位 愛媛県東温市
3位 愛媛県松山市
4位 愛媛県久万高原町
5位 香川県観音寺市
<北九州エリア>
1位 大分県豊後高田市
2位 大分県臼杵市
3位 大分県日田市
4位 大分県国東市
5位 長崎県五島市
<南九州エリア>
1位 宮崎県都城市
2位 宮崎県延岡市
3位 鹿児島県霧島市
4位 鹿児島県伊佐市
5位 鹿児島県薩摩川内市
まとめ:人気の移住先は全国各地に広がる
ここまで移住先の人気ランキングなどについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか?個人的には、首都圏から近いエリアが人気を集めているのではと思っていたため、人気エリアが日本全国に分布しているのは意外でした。
今回ご紹介したランキングでは、いずれも西日本の市町村が比較的多数ランクインしていますが、これは気候の影響もあるのかもしれないですね(北国の冬は年齢を問わず辛いものです…)。
いずれにしても移住と言えば人生の大きな決断です。今回ご紹介したふるさと回帰支援センターの相談会や書籍、さらには下記のような各自治体の移住特設サイトなどで十分な情報収集をしつつ、ここまでお読みいただいた皆様が、悔いの残らないような選択ができることをお祈りしています。
そして最後になりますが、もし今後地方へ移住をされる際に、引っ越し会社探しが面倒だと感じたら、ぜひ一度弊社の「引越しラクっとNAVI」へご相談ください。
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※ちなみに筆者が今興味のある移住先は、こちらです。