比較サイトを潰した男が解説する、引越し比較サイトの儲けるポイント
こんにちわ。今日は、引越しの比較サイトは、どうやって儲けているのか?と、ズバッと、まるでサムライのように切り込みたいと思います。
引っ越し見積もり料金 簡易シミュレーション
引越し比較サイトを潰した男
実は、僕は「一般的な」引越し比較サイトを潰したことがあります。システムが出来上がって、ある程度の売り上げもあって、一応利益も出ていたサイトをまるっと購入して、運営者が変る形で、運営をしました。
まあ、これが結構大変でした。
以前の運営者は、システム周りを外注していまして、その外注さんも含めて譲り受けるわけですが、このシステム会社の社長が本当にクセモノでした。
このシステム会社、社長一人の会社だったので、社長のやる気なのか、こちらの対応が悪いのか、とにかく動いてくれません。サイトのテキストを修正するだけで、1日以上待たされる状況です。
そして、ついに、連絡が取れなくなります。仕事でお願いしているのに、お金も払っているのに、連絡が途絶えて、サービスの運営ができなくなりました。
その結果、キャンペーンページも作れないし、新しい引越し会社さんが登録になっても、システム会社が、登録してくれないわけです。
さらに、システム屋だけでなく、SEO業者も譲り受けたのですが、検索順位は上がらないわ、毎月の報告すらしないわ、そのうち検索順位を上げれないことを悟ったのか、フェードアウトしていきました。
で、解約しようと思っても、年間縛りです。といって、契約を盾に請求してきます。まあ、無知な自分たちの負けなのですが、最低限、月次で報告義務はありますよね。
そしてつい最近、この引越しラクっとNAVIをみて、このSEO会社がテレアポしてきました。過去に御社にお願いして、痛い目にあってるよ。と伝えると、すごすごと電話を切りました。
テレアポしている、SEO業者って、その時点でダメでしょ。まあ、このおかげで、SEO=胡散臭いが自分の中に染み付きました。調べるおさんでも、IT企業として地図に載っている、この会社、まじでなくなって欲しい。
そんなわけで、高い買い物でしたが、大失敗に終わる「一般的な」引越し比較サイトですが、当然、その中でキャッシュポイントを見つけていますし、今の「一般的な」引越し比較サイトもそのポイントで儲けていますのでご紹介していきましょう。
1)個人情報の取次(転送)で儲けます。
まずは、本業です。引越し比較サイトは、引越しする人(個人)の情報を取次(転送)して、引越し会社から情報料として、お金をもらっています。
1情報いくら。という料金形態ですから、少しでもたくさんの引越し会社へ売りたいわけですね。その結果、10社がいいですよ!といって、10社に個人情報を転送するわけです。
2社でもいいですよ!と言っても、10社くるわけです。なぜなら、たくさんバラまく方が儲かるからです。
ざっくりですが、300円〜500円/件で売れますから、10社に送れば、3,000円〜5,000円。これをひたすら、積み上げていくわけです。
その影で、不幸な引越しユーザーが、
深夜も鳴り響く電話攻撃に泣いています。
あのイケダハヤト氏も、こうおっしゃっています。
よく読まれてます。 / 電話地獄に陥るので、「一括引越し見積もり」サービスは使ってはいけない : まだ東京で消耗してるの? http://t.co/99HvuDn2Eq
— イケダハヤト (@IHayato) 2015, 6月 17
ちょっと検索するだけで、こんな話は、すぐに出てきます。(最近のお話です)
京都の荷物を引越し業者に頼むべく、面倒だけど一括見積もりやるかーと思ったら、本当に23時とかでも電話かかってくるんですね……深夜に引越しトークしたくないので出ないけど、しつこく3回もかかってくるので一気にストーカーっぽい感じに….。 — 天野萌@引越す! (@moeama) 2015, 11月 19
ちなみに、深夜帯はアウトソース先のコールセンター会社が請け負う事が多いです。以前は、海外の拠点から引越しの電話をするケースもありました。(某赤色の引越し会社は、夜間はインドのコールセンターを使っていました。)
ちょっとお話がそれました。収益のポイントとして情報課金といいましたが、大手の引越し会社は、情報課金ではなく、成約課金(成果報酬)のパターンもあります。
比較サイトとしても、大手のブランド名は使いたいですし、大手も引越し比較サイトの情報量は無視できないので、お互いの利害が一致し、成約課金という妥協点が生まれています。
ですから、大手が何社か入ったとしても、あなたの情報は3,000円程度では売られています。これ以下の金額で、ユーザーを引っ張ってくることができれば、儲かるわけです。
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2)付帯サービスで儲けます。
引越し比較サイトには、いくつもオプションというか付帯サービスがあるのを知っていますか?見積もり依頼をかけた後に、ウォーターサーバーや、インターネットはいかがでしょうか?という案内があります。
優しいサイトだと、自分でチェックしない限りは、連絡が入ることはありません。まあ、最近はトラブルが増えたからか、どこのサイトも、自分でチェックするパターンが多いですが、中にはデフォルトでチェックが入っていて、気づかないうちに、サービスを申し込んでいるケースもあるので、気をつけましょう。
そう、こんな感じです。
引越し比較サイトから問合せたらウォーターサーバーとネット回線契約の電話営業が激増。 リスト転売されてるでござる。
— 鏑木啓之(Hiro Kaburaki) (@hirokaburaki) 2015, 7月 2
そして、このウォーターサーバーや、インターネットの案内も、それぞれ専門業社がいて、そこに個人情報を1件いくらで販売するのです。
フレッツの全盛期だと、引越しの取次手数料よりも、高額な情報料が支払われていたようですが、光コラボがスタートしてからは、その手数料体系も崩れ、収益は下がっています。
ですから、何も考えず、お得だ!と思って、チェックを入れると、引越し会社から嵐のような電話が来る上に、それぞれの付帯サービス業社からも、嵐の電話が入ってきます。
どれだけ、個人情報を転売されているんだというお話ですね。ここでも、比較サイト自身は、自社内でコールセンターなどを持たずに、各サービス業社へ個人情報を転売して儲けるわけです。
ただし、最近は情報課金が厳しい状況のようで、成果報酬に移っているという話は聞いています。
3)アフターフォローで儲けます。
サイトを利用した人たちに、アフターフォローの電話が入ることがあります。
これは、アフターフォローも一応は行いますが、結果、インターネット回線の営業や、お水の営業を兼ねているわけです。
いわゆる、そういった外部の業社が、成果報酬型でアフターフォローリストを購入して営業を行います。
アフターフォローがいろんなところから来ないように、1社限定での販売となります。
これは、成果報酬なので、単価の高い、インターネットやウォーターサーバー会社が担うケースが多いです。
中には、ひどいケースがあって、1年前に比較サイトを利用したユーザーに、アフターフォローと称して電話をして、フレッツの販売を行うというケースも見られ、結構無法地帯となっていた時期もありました。(最近は落ち着いたようです)
あなたの個人情報を骨の髄まで、しゃぶりつくす。と思われてもおかしくないと思いませんか?
4)広告で儲けます。
まあ、ここはわかりやすいですよね。引越しをされるユーザーさんが集まるわけですから、引越しする人向けになにかをアピールしたい商品を持つ人は、広告を出したがります。
ただし、最近はインターネット広告も、単なるバナーや、被リンクを売るということができなくなってきつつあるので、単なる広告収入は、下がる傾向にあります。
あとは、タイアップ記事がたまに見ますけど、それほどうまくPRできていないようです。まあ、これは引越し比較サイトに限った話ではないので、この辺にしておきます。
まとめます
というわけで、引越しの比較サイトのキャッシュポイントは、大きく4つです。
1)個人情報を売る(引越し)
2)個人情報を売る(付帯サービス)
3)個人情報を売る(アフターフォロー)
4)広告で儲ける
まあ、自分自身が失敗したからという訳ではありませんが、この仕組みが本当に良くないと感じたので、私たちは「引越しラクっとNAVI」を運営しています。
サービスとして、提供するべく、お客様の代わりに複数社の引越し会社に見積もりをとります。成約になった場合のみ、引越し会社に電話番号が開示される仕組みなので、成約に至らないお客様の不要な個人情報は、引越し会社へは伝わりません。
また、お客様が希望した場合のみ、付帯サービスを申込んでもらいます。例えばインターネット回線であれば、フレッツだけを売るわけでなく、インターネット回線全般を取り扱うことで、お客様の新居で利用できるインターネットをすべてをお伝えした上で、お客様が希望の回線を選ぶことができる仕組みです。
お前も昔は、個人情報転売やってたんだろ!とツッコミがあると思います。事実ですから、否定はしませんが、実際にやっていたからこそ、この仕組みの無理に気づいて、新しい無理のない仕組みを作るきっかけになったので、「一般的な」引越し比較サイトを運営してよかったなと思っています。
また、某引越し一括見積もりサイトは、上記のような形ではなく、個人情報を転売しているんじゃないか?疑惑が、引越し会社の中の人から言われているくらいです。本当、某サイトはオススメできません。
まあ、この仕組みは引越しに限らず、「車の買取」や、「保険」などでも、よくある仕組みなので、その分野も決して、いい仕組みだとは感じていません。
ただ単に、選択肢が少ないからだと感じていますので、将来的にはその辺りもカバーできるといいなぁと思っています。
本日は、以上です。
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