【引っ越し準備】初心者でもわかる! PCデータのバックアップ方法(Win/Mac)
「引っ越しの際にパソコンを運んでもらったらデータが消えた!」
考えただけでゾッとしませんか? もはやホラーです。
でもこれ、自己責任なんです…。気をつけてもらいたいので声を大にして言いますね。
引っ越しの際にパソコンを引っ越し業者にお願いした場合、データの中身は補償の対象外です!これは引っ越し業者に専門知識がないからとか、ケチだから、というわけではなく、単純に「修復不可能」だからです。
さらに、PCのデータ破損は常時起こり得るアクシデントなので、引っ越しが原因で消えたかどうかを確認できないというのも理由の一つ。
「引っ越しでPCを運ぶのって怖い」「リスクがある」と感じるかもしれませんが、PCのデータ破損・消失はいつ起こってもおかしくないので、引っ越し時に限らず、常にリスク回避の対策が必要です。
消えてから慌てるのではなく「バックアップを取りましょう」。
今回は、初心者の方でもわかるバックアップの取り方について解説します。
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バックアップって?
最近はスマホのデータも、個人のPCにバックアップを取る時代なので、「バックアップ」という言葉自体は、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
バックアップとは、不慮の事態で本体のデータが消えてしまった場合に備えて、データのコピーを別場所に保存しておくことです。
本体は交換や修理で替えが利いても、データに関しては消えてしまうと元に戻せない場合もあります。
重要な仕事のデータ、大事な連絡先やスケジュール、思い出の詰まった写真や動画…どれも消えてしまっては困りますよね。万が一のことを考えて、バックアップは必ずしておきたいところです。
「そんなむずかしそうなこと、自分でできないから!」と諦めかけたあなた、大丈夫。案外簡単なんです。
もともとは複雑な作業もありましたが、バックアップが身近になってきたことで、簡単な方法が出てきたんです。とはいえ、何を用意して、何から始めていいかわからない…そんな方のために、基本的なバックアップの方法をご説明します。
バックアップは、本体容量の節約や、PCの負担軽減などにもつながります。WindowsもMacも、クリック数回で終わる作業なので、これを機に一度、トライしてみてください!
準備するもの
外付けHDD
さて、何をもって外付けなのか。そもそも内につけるものもあるの?っていうかHDDって?!っというところまで、一応説明しておきましょう。
HDDとは、「ハードディスクドライブ」の略で、この「ハードディスク」にパソコンのデータが記憶されています。
「ハードディスク」は、CDやDVDなどよりも大容量の記憶が可能なディスクです。それを稼働させるための機器が、「ドライブ」。基本はこの二つがセットになったものを、「HDD」と呼びます。パソコンの中には、もともとHDDが搭載されており、電源がついている間はハードディスクが回り続けています。
パソコンからウィーンとかキュイーンとかなっている音の一部は、ハードディスクが回っている音です。
一般的に、元々本体に搭載されているHDDを、内蔵HDDと呼びます。それに対し、本体の外に、USBなどの接続方法で繋ぐHDDを、外付けHDDと呼びます。PCにおいてはほとんどの場合、内蔵HDDから、外付けHDDにデータを移動させることを、バックアップと呼びます。
ちなみに、最近ではSSD(ソリッドステートドライブ)、FD(ヒュージョンドライブ=HDDとSSDの複合版)という、HDDに代わる次世代の記憶装置が出てきています。
これらはHDDに比べて、データの読み込みや移行が素早く行えます。このあたりは機器の解説は一旦省略します!データを移行させるという作業自体は、どのタイプでも同じです。
さて、HDDについてはこの後詳しく書きますが、準備するものは実際この外付けHDDくらいです。あえてもう一つ挙げるとすれば、「時間」ですね。
大容量のデータをコピーするわけですから、それなりの時間がかかります。テラバイトの単位になってくると、数時間かかる場合もあります。
もちろんずっと見ておく必要はありませんが、途中で電池が切れたり、何かのアクシデントで電源が落ちたりした場合、データが破損してしまう可能性があるため、ノートパソコンの場合、必ず電源を繋いだまま実行する必要があります。
そのため、外に持ち出したりは出来ませんし、PCで他の作業をすることも、あまりお勧めできません。僕の場合、夜寝ている間にバックアップを取ったりしますが、初めてのバックアップは、定期的に様子を見られるときにやったほうがいいかもしれませんね。
外付けHDDの選び方
たとえば、パソコンの内蔵HDDの容量が512GBだとして、そこにパンパンにデータが入っているとします。そのデータを丸々バックアップするとしたら、当然512GB以上の容量を持つ外付けHDDが必要になります。出来るだけ容量の多いものを用意しましょう(1TB以上がおすすめですデータの)
そして、もう一つ重要なのは、「接続方法」です。USB2、USB3(2より高速)、Thunderbolt1~3(USBよりも高速/今のところMacのみ)など、パソコンによって対応している接続方法が異なりますので、確認が必要です。ここ4~5年以内に購入したものであれば、少なくともUSB2、USB3あたりは対応しているはずです。ただし、最近のMacbookシリーズは、USB接続が廃止されているので、接続するには変換プラグが必要です。でも、変換があれば使える場合がほとんどなので、わからないときはUSB方式を買っておくのが無難です。
おすすめの外付けHDD
それで結局どれがいいの?というお声を待たずして、僕が使っているおすすめ商品をご紹介します!
Western Digital My book/My Passportシリーズ
何事も見た目から入りがちな方におすすめなのが、WD社のHDDです。スタイリッシュでクールなデザインが多いので、いい具合に「仕事できそうな人」を演出します。僕も、こういった小物は気分の上がるものを選びたいので、My book、My Pasport共に愛用しています。もちろん見た目だけではなく、機能のほうもかなり良いです!Win,Mac両方に専用のアプリケーションがあり、簡単にバックアップやデータ管理が可能です。パスワードを設定してロックをかけることもできるので、セキュリティ面も安心。3年間の製品保証付きというところから、耐久性への自信が見られます。
My bookは、据え置きタイプのHDD。Duo,Proなどの種類があり、Proは最大で20TB。真っ黒なデザインがかっこいい!
引用:Western Digital 公式サイト:My book 製品ページ
据え置きと言っても通常のMy Bookは幅13cm、高さ17cm、厚さ5cm程度なので、衝撃の保護さえできれば、持ち運びもそこまでかさばらないと思います。価格はエントリーモデルの3TBで14,000円程度。これで十分だと思います。
My Passportは、ポータブルタイプという位置づけ。Ultra,For Macなどの種類があり、最大で4TB。My Bookよりもカラーバリエーションが多く、コンパクト。
引用:Western Digital 公式サイト:My Passport 製品ページ
幅8cm、高さ11cm、厚さ2cm程度なので、頑張ればポケットにも入るくらいのサイズ。こちらのシリーズもMy book同様、専用アプリケーション付きで、セキュリティーもばっちり。価格はエントリーモデルの1TBで9,000円程度。別売りですが、専用のケースもあるので、持ち運びの際はそちらに入れることをおすすめします。パソコン周りの機器もインテリアの一つ!と捉える方にはかなりおすすめですよ!
他にも膨大な種類がありますが、中でもBUFFALO、IODATAの製品はランキングでも軒並み上位にいるので、選んで間違いはないかと思います。
バックアップを始める前に!!
ここ、かなり重要なポイントです。HDDは、使うパソコンによって記憶の仕方が異なります。まずはHDDを、お使いのパソコン用に「フォーマット(初期化)」する必要があります。フォーマットせずに使える場合もありますが、その後不具合が起きたり、データの管理がうまくできなくなったりする可能性があるので、ここを怠るのは厳禁です。その手順も紹介しておきましょう。なお、専用のアプリケーションがあったり、接続と同時にフォーマットされたりなど、メーカーごとに方法が異なる場合もあります。どの製品を買っても、フォーマットについての説明は必ず記載されてるので、取扱説明書をじっくり読みましょう。
■Windows
※外付けHDDを接続した状態で始めてください。
- まずは、キーボード上のWindowsマークのキー(通常はCtrlとAltの間にあります)を押しながら、Xキーを押します。
- すると、小さな小窓が出てくるので、その中のディスク管理をクリック。※そのパソコンの管理権限がないとこの先には進めません。管理者に相談しましょう。
- 次のウィンドウが出てきたら、中段左側に、ディスクがいくつか出てきます。初期化されていません(初期化されていま…)と表示されているのが、外付けHDDなので、そのディスクにカーソルを合わせて、右クリック⇒ディスクの初期化を選択します。
- その次に、MBRとGPTという選択肢が出ます⇒GPTを選択。(これに関しては専門性が高すぎるので説明省きます!)
- OKを押すと、初期化が始まります。
終了すると、先ほどのディスクの管理のところは中段左側のディスクのところが「オンライン」に変わるはずです。
これで、お使いのパソコンでHDDが正常に動きます。
■Mac
※外付けHDDを接続した状態で始めてください。
- Finder(初期設定だとDock(画面下のアプリケーション一覧)の一番左にある青と白の半笑いの顔面マーク)を開きます。
- 画面上部の、移動タブをクリック⇒出てきた中からユーティリティをクリック。
- いくつかのアプリケーションが出てくるので、ディスクユーティリティをダブルクリックで開きます。
- 画面上部の表示タブをクリック⇒出てきた中からすべてのデバイスを表示をクリック。
左側にいくつかのディスクが表示されます。メーカーの名前が出たり、名称未設定と出たり、表示のされ方は様々ですが、外部という表示の下に出るのが、外付けのドライブです。
- それを選択し、ウィンドウ上部中央にある、消去をクリック。~~(ディスクの名前)を消去しますか?と出ます。その下に、名前、フォーマット、方式、という項目があるので、お好きな名前を入れ、フォーマットはMac OS拡張(ジャーナリング)を選択。方式は、GUIDパーティションマップを選択。
- そして、右下の消去を押します。
- フォーマットが開始され、完了したら完了を押せば終了です。
Time Machineでバックアップを作成するために、~~(ディスクの名前)を使用しますか?と出た場合は、使用を選択して、設定をしましょう。このTime Machineは、Macの中身を定期的かつ自動的にバックアップを取ってくれる機能なので、設定をお勧めします。
これで準備は完了です。
この時点でクリック数回はとっくに超えていると思いますが、あくまでこれは準備ですので。(言い訳)
ここからが、ようやくバックアップの方法です。
バックアップ方法
■Windows
バージョンによって方法が異なりますが、今回はWindows8と、最新のWindows10のやり方をご紹介します。
□Windows8
※フォーマット済の外付けHDDを接続した状態で始めてください。
- まずは、キーボード上のWindowsマークのキー(通常はCtrlとAltの間にあります)を押しながら、Xキーを押します。
- 小さなウィンドウが出てくるので、その中のコントロールパネルをクリック。
- コントロールパネルのウィンドウが出てきたら、左上にある、システムとセキュリティの欄の、ファイル履歴でファイルのバックアップコピーを保存をクリック。
- 次のウィンドウが出てきたら、左下にあるシステムイメージバックアップをクリック。
しばらくすると読み込みが終わり、バックアップの保存先を選択することができます。
内蔵HDDにもバックアップが出来ますし、外付けのドライブが繋がれていれば、それも選択できるようになっているはずです。
- 選択して次へをクリック。
次に、どのドライブをバックアップに含めますか?と出ます。基本は一番容量の重いものがメインドライブなので、それを含めれば大体のファイルはバックアップが取れます。
- 次へをクリックすると、確認画面に移り、バックアップを開始でスタートします。
□Windows10
Windows10では、上記MacのTime Machineと同じような定期バックアップ機能があるので、そちらをご紹介します。
※フォーマット済の外付けHDDを接続した状態で始めてください。
- まずは、キーボード上のWindowsマークのキー(通常はCtrlとAltの間にあります)を押します。
- 左下にメニューが出るので、左側の小さな歯車のマーク(設定)をクリック。
- 中央下段の、更新とセキュリティをクリック。
- 左メニューより、バックアップを選択。
- ドライブの追加というところをクリックして、バックアップしたいHDDを選択します。
これで、デフォルトだと1時間おきにユーザーフォルダー (C:\Users\username) がバックアップされます。
更新頻度や、バックアップを取るファイルの変更は、そのページ内のその他のオプションで行えます。
■Mac
Macの場合、様々な方法がありますが、個人的に一番便利なTime Machineというバックアップツールを用いた方法をご紹介します。
- 画面の最左上部のリンゴマークをクリックして、システム環境設定を開き、Time Machineをクリックします。
- バックアップディスクを選択、ディスクを選択またはバックアップディスクを追加/削除をクリックします。
- 外付けのHDDを選択し、ディスクを使用をクリック。
- ウィンドウの左側、バックアップを自動作成にチェックを入れれば、定期的にバックアップがとられます。
すぐにバックアップがとりたい場合は、画面最上部のメニューバーの時計が矢印で囲まれているマークを押して、今すぐバックアップを作成をクリックすれば、すぐにバックアップが開始されます。
ちなみに
Time Machineを使用せずにバックアップを取る方法はもっとずっと簡単です。
- Finderから、バックアップを取りたいファイルにカーソルを合わせる
- Altを押しながら、ウィンドウ左側の該当外付けHDDにドラッグ&ドロップ(クリックしたまま移動させて、離す)。
これでコピー完了です。こちらは手動なので、その都度この作業が必要になります。
バックアップをとる頻度について
さて、作業についてはお分かりいただけましたでしょうか。(僕がMacユーザーなのでWindowsの説明はスクショ画像がなくてすみません。。。)
では、バックアップってどれくらいの頻度でとればいいでしょう?
特に決まりはありませんが、ご自身のパソコン内のファイルが、どれくらいの頻度で更新されていくかによって決めればよいかと思います。中身に何も変化がないのにバックアップをとってもしょうがないので、一週間ごと、一か月ごととかでもいいと思いますよ。僕は、毎日消えたら死活問題になるデータが作成されていくので、24時間おきにとっています。ちなみに、外付けHDDがいっぱいになったら古い順に消えていくので、注意してくださいね。
まとめ
今回は内蔵HDDから外付けHDDへのバックアップを紹介させていただきました。
引越しの際はHDD、PCのどちらか必ず、ご自身で運ぶようにしましょう。引越トラックで運んで、両方破損してしまっては元も子もないですからね。
揺れや衝撃での破損リスクを回避する方法として、オンラインストレージへのバックアップという手もあります。
引っ越し前に万全の準備をして悲劇を事前に防ぎましょう!