「エアコンの引っ越し」は意外と面倒!?処分方法から買い替えまで、まとめて解説!
この記事はこんな方にお勧め!
- 引っ越しにあたって、エアコンの処分方法について悩んでいる方
- 引っ越しにあたって、エアコンの買い替えを検討している方
- 引っ越しの有無に関わらず、エアコンを長く使い続けたい方
引っ越しをする際に大型家電の処分で頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか?その中でも特に悩んでしまうのが「エアコン」です。エアコンの取り付けや取り外しを自分で行ったことがある方はあまりいないのではないでしょうか?エアコンは粗大ごみとして簡単には処理できないこともあって、運ぶにしても捨てるにしても途方に暮れてしまいますよね。
そんな方に今回は、エアコン取り外し方法や新居への移設、不要になったエアコンの処分や料金などをわかりやすく解説します。
古いエアコン、置いていく?捨てる?持っていく?
まず、これまで使ってきたエアコンの処分については、引っ越し時点の状況によって、(1)旧居に残しておく(2)処分する(3)移設する、といった選択肢があります。それぞれについて見てみましょう。
旧居にそのまま置いて引っ越す
近年の賃貸物件は、エアコンが設置されていることが多くなっています。その場合は大家さんの持ち物なので、エアコンを持っていくことはNG。一番シンプルなケースです。
問題は旧居に自分で設置した場合。もちろんご自分で引っ越し先に持っていくことができますが、新居にエアコンが設置されている場合や、新しいエアコンを購入する場合には不要となってしまいます。
状態の良いエアコンだったら、ただ処分してしまうよりも、新たに入居する方に使ってもらった方が良いと考える方もいるかもしれません。
基本的には、旧居に「残置物」を残してはいけないのですが、大家さんがエアコンを残すことにOKしてくれるケースもあるので、まずは相談してみてはいかがでしょうか?なお、大家さんが了承してくれた場合は、エアコンの所有権が部屋の貸主である大家さんになることを理解しておきましょう。
処分するか移設するかを見極める
次に自分でエアコンを用意した方(新居にエアコンがない場合)や、一戸建てに住んでいる方は、エアコンを処分するか使用していた新居へ持っていくか、を決める必要があります。取り外して新居へ移設する場合もお金がかかりますので、持っていったはいいもののすぐに壊れてしまったり、冷房の効きが悪くなってしまっては損をした気分になってしまいますよね。
処分すべきか否か?悩んでしまった場合は「エアコンの買い替えの目安」を参考に決めてみましょう。
〈エアコンの買い替え目安〉
・エアコンの買い替えは10年が目安
・室外機の環境が劣悪であった
・引っ越しなどで何度か移設している
エアコンの一般的な寿命は10年と言われています。エアコンには、標準使用期間を明記したシールが室内機の下側に貼ってあるのでチェックしてみましょう。
10年以上使用しているエアコンは、新型のエアコンに比べて故障の発生率が2倍と言われています。
また、エアコンの部品メーカーによる部品の最低保有年数が9〜10年と決まっている場合もあるので、10年を目安にした方が安心して使用できますね。
エアコンは室内機に加え、室外機も大切に使用しなければなりません。直射日光の当たる場所に設置している場合は、エアコンの機能や寿命に影響が出ることが多いので、室外機の劣化具合のチェックもしておきましょう。
引っ越しの度にエアコンの移設を繰り返していると、配管に傷がついていたりすることもあります。既に何度か移設している場合は買い替えた方が良いでしょう。まだまだいける!と判断した場合は、新居に移設することになります。
取り付け、取り外しの費用の相場や方法
もちろんエアコンを廃棄するにしても移設するにしても、工事業者や引っ越し業者にエアコンの取り付け、取り外しをお願いすると料金が発生しますが、その相場はどれくらいでしょう?
エアコンの移設には、移設先の条件など様々な条件によって、通常の取り付け、取り外し作業以外に、電圧の切り替えなどのオプション作業が必要になる場合があります。トータルで見ると、意外と馬鹿にならない費用になる可能性もありますね。
〈エアコン工事業者の工事費用の相場〉
・エアコン取り外し 5,000円〜
・エアコン取り付け 10,000円〜18,000円
〈引っ越し業者の工事費用の相場〉
・エアコン取り外し 8,000円〜
・エアコン取り付け 11,000円〜19,000円
〈移設オプション費用相場〉
・運送費 10,000〜40,000円
・エアコン配管取り付け 2,000円〜2,500円(1メートルあたり)
・室内配管化粧カバー 2,000円〜4,000円(1メートルあたり)
・コンセント工事 3,000円〜
・電圧工事 3,000円〜
自分で作業したほうが安い!?
上記の費用を見て、自分でやった方が安上がり!と思われるかもしれませんが、それが思わぬ事態を招くことも。自分で取り外しを行った場合に発生したトラブルを紹介します。
Aさんは、エアコンを新居へ移設する際、取り外し費用の5,000円を節約のするために、自分で取り外しを行いました。
新居で取り付けを終えてエアコンを使用したのですが、まったく部屋が冷えません。
困ったAさんは、エアコンの修理業者に依頼をして見てもらうと「冷媒ガス」が完全に抜けてしまっていたため、部屋の温度がまったく下がらなくなっていたのでした。
このトラブルの原因は、取り外しの際に 室内機や配管内に残ったガスを室外機に回収する 「ポンプダウン作業」を行わなかったことでした。そのために、冷媒ガスが全部抜けてしまい、Aさんは、冷媒ガス補充代の14,000円を支払うことになったそうです。
上記のような失敗例は珍しくないことです。エアコンの取り外しや移設には、専門知識が必要になる作業もあるので、エアコンを壊してしまう危険がある場合には、専門業者にお願いするようにしたほうが安心ですね。
エアコンを処分する場合のポイント
ここまでお読みいただいて、ご自宅のエアコンを処分するか移設するか、決心は付きましたか?いずれを選択するにしても、それぞれいくつか大切なポイントがありますので、ご紹介します。まずは不要になったエアコンを処分する場合について、状況にもよりますが、選択肢は大きく分けて3つあります。
・使用できる状態のエアコンの処分
・使用できないエアコンの処分
・使用できないエアコンの処分をし、新しいエアコンを購入
使用できる状態のエアコンの処分
使用できるエアコンを処分する場合は、リサイクルショップに買い取りを依頼できます。製造から使用年数の低いエアコンほど、高く買い取ってもらえるので、リサイクルショップにエアコンの買い取りが可能かどうか確認をしてから持ち込むようにしましょう。
ただし、取り外しの費用は自己負担となるので、買取金額が負担金額に見合うかどうかをしっかりと判断しておきましょう。
使用できないエアコンの処分
古いエアコンや壊れてしまったエアコンを処分する場合は、家電量販店に連絡をして引き取ってもらうか、粗大ゴミ回収業者に回収してもらうかになります。
家電量販店に引き取ってもらう場合は、家電リサイクル料、運搬費、出張費などを負担することになります。
エアコンは、行政の粗大ゴミでは回収してくれないので、粗大ゴミ回収業者に回収してもらうことになります。この場合は、取り外しも一緒にお願いすることができることがあるので、確認をしてから見積もりを出してもらうといいですね。
ひとつ気をつけたいのが、エアコンの無料回収をうたっている業者です。エアコンを無料回収する業者が存在するのは、1台に付き4000円から5000円の資源を取り出せるからです。 エアコン内部には「鉄、銅、白金、ネオジウム磁石などのレアアース類、クロムやニッケルなどのレアメタル類」が含まれています。これを取り出した後のエアコンは再資源化するために費用が発生するので、違法にエアコンを無料回収する業者は取り出した後のエアコンを不法投棄している可能性もあります。気になるようであれば、確認してみてください。
使用できないエアコンの処分をし、新しいエアコンを購入
あわせてエアコンを買い替える場合は、購入した家電量販店で回収と処分をお願いするとスムーズです。使用できないエアコンを回収しにきてくれる際にリサイクル料を払います。
新しいエアコンの運搬費はかかってしまいますが、回収の際の出張費は無料にしてくれる販売店もあるので、確認しておきましょう。
インターネットで購入する場合は、エアコンの購入と同時に「リサイクル券購入」という形でリサイクル料を支払う場合がほとんどです。引き取りの料金は、エアコンのメーカーや型式で変わってくるので、よくチェックしてリサイクル券を選ぶようにしましょう。
エアコンを移設する場合のポイント
廃棄はもったいない、移設する!と決めた場合には、引っ越し業者またはエアコン専門業者に作業を依頼することが一般的ですが、どちらに頼めばいいか、その判断も悩みどころの一つです。
引っ越し業者のメリット・デメリット
引っ越し業者にエアコンの移設をお願いすることの最大のメリットは、引っ越し手続きのついでにまとめてお願いができるところです。
窓口をひとつにすることで、なにかと忙しい引っ越し時期のスケジュール調整の手間を省くことができます。
大手の引っ越し会社のエアコン移設費用は、15,000円〜28,000円ほどとなっています。ただし、市外への引っ越しは別途料金がかかったり、状況により料金の変動があるので、引っ越しの見積もりの際に一緒に確認しておきましょう。
デメリットは特にないように思いますが、引っ越し業者のエアコンの移設は外注がほとんどとなっています。ただ、引っ越し会社の信用にもかかわってくるので、外注だから技術面が劣るなどということはなさそうです。
金額面では、引っ越し業者の料金は少々高く感じるかもしれませんが、料金より時間や労力の節約が大切だと考えている方には引っ越し業者がオススメです。弊社の「引っ越しラクっとNAVI」なら、専用コンシェルジェに「エアコンの移設も依頼したい」旨お伝えいただければ、各社からそれに合わせた見積もりが届きますのでさらにおススメ!ぜひご検討ください。
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エアコン専門業者のメリット・デメリット
他方エアコン専門業者にエアコンの移設をお願いするメリットは、自分で納得のいく業者を選べる点ではないでしょうか?
何社かに見積もりを出してもらうこともできるので、エアコンの移設状況や自分の都合にあった条件で見積もりを出してもらい決めるようにしましょう。
エアコンの移設料金は、取り外しが4,000円〜5,000円ほど、中古取り付けが6,500円〜9,000円ほど、新品取り付けが14,000円からとなっています。
また、取り外しと取り付けをセットにした中古セット8,000円〜や、新品セット13,000円〜を用意している業者もあります。どのエアコン専門業者もセットにすると少しお得な料金設定になっていることが多いので、よく比べてみましょう。
なにより、エアコンのプロなので設置環境に少し無理があっても、お任せしておけばこちらが困らないように作業してくれます。この場合、オプション料金がかかってしまうことがあるので注意しましょう。
デメリットとしては、引っ越し業者、ライフライン手続き、行政の手続きと、引っ越しでやることがたくさんある中で、さらにエアコン専門業者にアポイントを取らなければならないこと。その手間さえ気にならなければ、エアコン専門業者もおすすめです。
エアコン買い替えの見極めポイント
ここからはエアコンを処分することを決めた方に向けて、改めてエアコンの買い替えの見極めについて詳しく見てみましょう。
エアコン購入のおすすめの時期、選び方
一年間の中でもエアコンをお得に購入できる時期があることを知っていますか?家電機器の中でもエアコンは高額。新しいエアコンを購入する際は、少しでもお得に買いたいですよね。
エアコンは夏製品のイメージが強いですが、実は新製品の発売時期は「秋〜冬」が中心なのです。この「秋〜冬」に各社の最新最上位モデルが発売されます。
どの電化製品にも共通していますが、この新製品が発売になるタイミングで、前年度のモデルの価格が下がることになるので、11月頃には前年度の最新モデルをお得に買うことができるわけです。
「古いものはちょっと…」と躊躇される方もいるかもしれませんが、エアコンは1年に1度新製品が発売されるので、フルモデルチェンジでない限り、そこまで性能に大きな差はないのです。もちろん、新製品の新機能が魅力的であれば少々値が張ってもそちらを選んでも良いですね。
ちなみに最新モデルを購入したい方は、最高値になる年末のボーナス商戦時期は避けて、年明けくらいからを狙って購入したほうがお得かもしれません。3月近くになると、引っ越し時期と重なってしまうので、年明けから3月前半までがおすすめです。
また12月の歳末セールを「年間でも重要なセール」と位置づけている家電量販店では、販売数量を増やすために全体的に価格を下げている傾向にあります。
しかし、12月の中でもクリスマスの25日までは、ボーナスでの買い物やプレゼント購入のため店内が混み合っていて、接客時間があまりとれない場合があるので、値下げ交渉などがしづらいかもしれません。
なので、忙しさも落ち着き、売上も確保しておきたい時期、12月30日、31日あたりもおすすめです。
12月に一度下がった価格を1月に上げることも多いため、1月は「目玉商品」とされているもの以外の購入には注意が必要です。キャンペーンに力を入れている場合もあるので、お得度をよく考えて購入しましょう。
エアコンの選び方
エアコンを購入しに家電量販店に訪れても、ネットで検索してもたくさんのエアコンが存在していてどれを選べば良いか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そんな時は「エアコンの選び方のポイント」をしっかり抑えて、自分の生活スタイルにぴったりなエアコンを選ぶようにしましょう。
〈エアコンの選び方のポイント〉
1.壁掛けタイプ、窓用タイプ、床置きタイプの中から選ぶ
エアコンには「壁掛けタイプ、窓用タイプ、床置きタイプ」の3種類があります。壁掛けタイプは室内機と室外機がセットで売られている一番スタンダードなタイプのエアコンです。部屋全体を冷やしたり温めたりすることができ、電気代も安く抑えられるのがメリットです。
窓用タイプと床置きタイプは、壁掛けタイプの設置が難しい部屋でよく使用されるので、部屋の形状によって選ぶようにしましょう。
2.適応畳数を確認する
エアコンには、適応畳数が設定されており、エアコンの適応畳数は木造か鉄筋かでも変わってきます。
例えば、冷暖房能力が「8畳〜12畳」に設定されていた場合、一戸建ての木造住宅で8畳、鉄筋集合住宅で12畳の部屋に最適という意味になっています。
冷房能力が「8畳〜12畳」であれば、暖房能力は「8畳〜10畳」と、暖房のほうが冷房能力より適応畳数が減るので確認してくと良いでしょう。
さらに、引越し先が南向きで日当たりのいい部屋の場合は、エアコンの適応畳数が実際の部屋よりも2畳広いものを選ぶようにすると、快適に過ごせるのではないでしょうか?
リビングダイニングキッチンの場合は、料理をする際の熱や換気扇から流れ込む空気により気温が上がりやすいので、適応畳数が4畳広いものを選ぶことをおすすめします。
3.エアコンに搭載されている機能をチェック
最近のエアコンには、省エネ性能や空気清浄、自動洗浄など、いろいろな機能が搭載されています。自分に合った機能を選ぶようにしましょう。
家電量販店でも設置できる?
家電量販店でエアコンを購入した場合、エアコンの設置も購入と同時にまとめて申し込みをすることができます。
この時に設置日時も決めることができますが、地域ごとに設置業者が回っていることがあるので、2〜3週間待ちになることもあり、引っ越しのタイミングに合わない可能性もあります。購入を決める際に「今購入すると設置時期はいつになりますか?」と聞いておくと安心です。
家電量販店のエアコン設置の料金は、標準設置工事費とオプション工事料金となります。
標準設置工事費は、エアコンを購入する際にエアコン本体の料金と一緒に支払うことができますが、オプション工事料金は実際に工事をしてみて必要となる部品代であったり作業代となるので、設置業者に直接支払うことになります。希望すれば、有料で工事前に見積りに来てくれることもあります。
エアコンの取り外しや引き取りは、別途料金が必要となります。リサイクル料金と収集運搬費は、エアコンのメーカーによって変わってくるので購入時に確認しておきましょう。
エアコンはメンテナンスが大事!
ここでもう一つ重要なポイント。買い替えにしろ移設にしろ、エアコンはメンテナンス次第で耐久期間が変わってきます。大切に扱えば寿命はそれだけ延びますので、エアコンのメンテナンスについても解説していきます。
改めて考える、エアコンの寿命
冒頭でも触れたように、家庭用エアコンの寿命は「10年」です。
10年と言っても10年使用し続けたら壊れてしまうということではなく、エアコンメーカーが測定した「設計上の標準使用期間」が10年という期間であるということです。
内閣府による2017年の統計情報「消費者動向調査」によると、エアコンの平均寿命は「13.6年」という結果が出ています。
消費動向調査 平成29年(※参考表は最新月を参照) 3月調査 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口
なぜ、エアコンメーカーが安全に使用できる期間を「10年」としているのか?それは、エアコンの修理部品には「保有期間」があり、この期間を過ぎてしまうと、エアコンが故障した際に修理に使う部品がなくなってしまうからなのです。
しかし、大事に使えばそれ以上の期間使い続けることももちろん可能です。メンテナンスのポイントをいくつか見てみましょう。
カビやホコリのチェックをしよう!
引っ越し先にエアコンが設置されていると、自分で購入することも設置することもなく便利ですよね。 ですが、使う前に必ず「エアコンの汚れ」をチェックしておく必要があります!エアコンのクリーニングがしっかりと行われているのかを確認するためにも必ず見ておきましょう。
まずは、30秒でエアコンのカビやホコリをチェック!エアコンの電源を入れて、送風口を覗いてみてください。もし黒い点々があればそれはカビです。
エアコンは、部屋の暖かい空気を吸い込みながら、冷気を吹き出します。そのため、中に結露が発生してカビの発生源となってしまうのです。
次に、エアコンのフィルターをチェックしましょう。エアコンフィルターを外し中のパーツにホコリが溜まっていたらエアコンの内部にホコリが溜まっている証拠です。そのまま放置しておくとカビの餌になってしまう上に機械に過剰な負担がかかることがあります 。
これらを確認せずに使用してしまうと、エアコンの風に乗ってカビが部屋中に送られてしまい、カビ臭さの原因にもなってしまい体にも悪影響を及ぼします。引っ越したらすぐにでも、そしてその後も定期的にチェックしてみましょう。
室外機にも気配りを
室外機に負荷がかかってしまうことも、機能や寿命に影響が出る原因です。夏は室外機に直接日光が当たらないように日よけのカバーを被せたりし、冬はできるだけ直射日光を当てて温めるなど、状態に気を配るようにしましょう。
また室外機自体をキレイにしたり、室外機の周りでスムーズに空気が循環できるようにスッキリさせておくことも大切です。普段目に付く室内機に注意が行きがちですが、室外機にも気を使うすることが大切です。
室内温度の設定を見直そう
上記のようなホコリや室外機の状態を無視して、無理な温度設定をしてしまうこともエアコンに負荷をかけてしまいます。
メーカーなどによれば、設定温度と室内温度の差が5℃以内であることが重要な要素となっています。この条件で言うと冷房は室内温度27℃の時設定温度22℃以内、暖房は室内温度20℃の時25℃以内を守るのが、エアコンにやさしい設定温度です。もし暖房や冷房の効きが悪いようであれば、一度ホコリや室内機をチェックしてみる必要がありそうです。
自分でエアコンの掃除をしてみよう!
年間を通して使用するエアコンは汚れやすい家電機器なので、自分で定期的に掃除をする必要があります。
プロじゃないとできないのではないかと思っている方もいるかもしれませんが、自分でできる方法もあるのでご紹介します。
自分でエアコンの掃除をする場合は「フィルター掃除」と「フィンとファンの掃除」を行いましょう。
〈フィルター掃除の手順〉
1.エアコンのフィルターを外す。
2.掃除機でホコリを吸い取る。
3.お風呂場などでフィルターを水洗いする。
4.フィルターをブラシでこすり洗いをする。
5.乾燥
フィルターをブラシでこする際は、強くこすりすぎると網目が崩れてしまうことがあるので、優しくこするようにしましょう。
洗ったフィルターは、しっかりと乾燥させましょう。湿ったままにすると、カビの発生の原因になってしまいます。
フィンとファンの掃除
1.エアコンのコンセントを抜く。
2.吹き出し口の部分を中性洗剤をつけたタオルで拭く。
3.水で絞ったタオルで中性洗剤を拭き取る。
フィンとファンの掃除をする際は、エアコンの内部に触れることになるので、コンセントを抜き電源を落とすようにしましょう。
タオルで拭く際には、表面だけの掃除にならないように折りたたみ細い形状にして細部まで届くように拭きましょう。
プロにエアコンクリーニングを頼む場合
自分である程度掃除をしてみても、 クーラーのファンや露を受けるためのドレンパンなどに発生したカビはなかなか除去しきれません。これをきれいにするためにはエアコンを分解してパーツ毎に洗浄しなければなりませんが、素人が行うのは難易度が高いですよね。市販のエアコン掃除スプレーなどでの作業も内部までは掃除ができないと言われています。
そのため、エアコンの内部まで掃除するなら、プロにお任せした方が安心です。プロに依頼した場合は、エアコンを分解し高圧洗浄してくれるので隅々までキレイにしてもらえます。
所要時間も通常のエアコンですと1時間〜2時間程度。自動お掃除機能付きエアコンは3〜4時間程度となっています。
〈プロのエアコンクリーニングの工程〉
1.エアコンの分解
2.部屋やエアコンの養生
3.エアコンの洗浄
4.乾燥
5.フィルター掃除
6.排水ホースの掃除
7.エアコンの組み立て
8.エアコンの動作確認
9.片付け
プロに任せると部屋を汚さないようにきっちりと養生してくれるので安心です。洗剤も強アルカリの洗剤を使用してくれるので、キレイにカビやホコリを落としてくれます。
料金もお掃除機能なしの通常のエアコンですと、1台あたり10,000円〜15,000円程度、お掃除機能付きエアコンの場合は、14,000円〜26,000円程度となっています。
さらに、エアコンクリーニング業者によっては「防カビ仕上げ」のオプションも用意されているので、キレイな状態をキープしておきたい方は利用してみてはいかがでしょうか?
エアコンの「原状回復」について
最後に賃貸物件に住んでいた方向けに、エアコンの「原状回復」についても触れておきましょう。部屋の汚れや劣化と違い、設置されている場合と自分で設置した場合があるエアコンは、どこまで手を施して良いのか、すぐにはわからないですよね。
備え付けか、自分で設置したかが分岐点
最初からエアコンが設置されていた場合には、設置及び、管理の責任は貸主である大家さんになるため、わざと壊してしまった場合などを除いて、住人に原状回復の責任はありません。
自分でエアコンを設置した場合には「原状回復」の原則に従い、取り外す責任が生じます。この場合、設置時に大家さんに設置の許可をもらっていたか?いなかったか?で、違いが出てきます。
基本的には、エアコンの撤去と取り付け工事でできた傷や穴の修復にかかる費用を負担することになりますが、エアコン設置の許可をもらっていた場合には、原状回復での負担が軽くなることがあります。また、契約次第にはなりますが、撤去費用などの費用を負担する必要がなくなるケースもあります。
許可をもらっていなかった場合には、「ビス穴の修復」や「壁紙の張替え」など、エアコンの設置で傷を付けた部分をすべて元に戻す必要があります。
エアコンの室内機と室外機をつなぐホースを通す穴をふさぐ専用のキャップなどの購入もしなければなりません。そのための費用は、下記のような目安となっています。
〈原状回復のための修復作業費用〉
・ビス穴の修復 20,000円〜30,000円(複数の穴がある場合は50,000円ほど)
・壁紙の張替え 1㎡あたり1,000円前後
・エアコン配管用ホールキャップ 500円〜1,000円
また、契約次第ではありますが、貸主が設置したエアコンを買い取ってくれる場合もあります。賃貸契約をした際の「賃貸借契約書」を確認してみましょう。逆に「賃貸借契約書の特約」に「入居者が入居後に取り付けた設備の買取には一切応じない」と記されている場合もありますので、その場合貸主には、買取りに応じる義務は当然ありませんので、処分または新居への移設が必須となります。
まとめ:余裕のある準備が大切
引っ越し作業におけるエアコンの取り扱いは判断するべき事柄も多く、意外と手間のかかる作業のひとつです。
さらに、エアコンの移設や掃除は、素人には難しい作業が多くプロの手を借りなければならないことが多いのでお金もかかります。
引っ越しを機に、これまでのエアコンを処分して新しいものを買うほうが良いか、移設して使い続けるほうが良いか?長期的な費用対効果も考えつつ、新居に合ったエアコンを選ぶようにしましょう。
そして最後に、エアコンの取り扱いにあたっては業者の方への依頼が発生するケースが多いため、トラブル防止のためにもエアコンの廃棄や移設には時間に余裕を持って取り掛かり、コミュニケーションをしっかり取って納得のいく依頼をするようにしましょう。