ペットと一緒にお引越し、公共交通機関で移動する方法と注意点

引っ越しにあたって、新居にペットを連れて行くのはなかなか骨の折れる作業です。もちろん大切なペットを他の家具と一緒にして運ぶわけにはいきませんし、自分たちと一緒に移動するにも、色々と気を遣わなければいけない点があります。

そこでこの記事では、引っ越しに際してペットを輸送する&一緒に移動する際の注意点などについて解説していきます。

ペットを運ぶ3つの方法

その前にまず、引っ越しにあたってペットを連れていくための方法について、自分たちと一緒に連れていく以外にも以下のような方法がありますので、そちらについても見てみましょう。

ペットの輸送ができる引っ越し会社に依頼する

引っ越し会社の中には、ペットの輸送も依頼できるところもあります。例えばハート引越センターさんは、オプションの1つとして「ペットの輸送」サービスを提供しており、専門のノウハウを持つスタッフが大切なペットを安全に運んでくれます。

引っ越しオプションサービス|ハート引越センター

またアート引越センターさんのように、ペット専門の輸送業者に取り次いでくれる引っ越し会社もあります。

ペットの引っ越しは?|アート引越センター

引っ越しの手続きと一緒にペット輸送の手配ができるので、忙しい方などにはおすすめですが、全ての引っ越し会社がペットの輸送に対応しているわけではありませんので、見積もりの際などに相談してみる必要があります。

なお弊社の「ラクっと引っ越しNAVI」をご利用いただければ、ペットを運んでくれる引っ越し会社のみをピックアップしてご紹介することが可能ですので、その場合はお問い合わせの際、弊社コンシェルジュに「ペット輸送希望」とお伝えください。

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ペット輸送専門業者に依頼する

特にペットの状態に気を配ってほしい場合などには、 ペット輸送の専門業者に依頼しましょう。こうした業者の場合、犬や猫といった一般的なペットはもちろん、爬虫類や魚類等の輸送が難しいペットを運べるスタッフや設備があるため、安心して預けることができます。

一例として、生き物の輸送で26年間の実績を持つワンニャンキャブさんでは、陸送をする車両の送風孔を延長してペットが息苦しくないようにしたり、寒さに弱い小犬、老犬などを冬場に輸送する際には、携帯カイロ等をケージの中に入れて保温をするなど、きめ細かいサービスを提供しています。

名古屋から東京までの輸送で63,000円と比較的値は張りますが、ペットの体調を第一に考えるのであれば、こうした専門業者の利用もおすすめです。

ペットの輸送・引っ越し・宿泊とペットタクシーのワンニャンキャブ

ペットを自分で運ぶ

一方で、ペットと一緒に移動したい方、あるいは予算をあまりかけられない方は、ご自身でペットを運ぶことになります。

その際にマイカー移動であれば大きな問題はないかもしれませんが、公共交通機関を使って犬や猫と一緒に移動する場合は、ケージに入れっぱなしにしなくてはならず、特に長時間の移動ではペットにストレスがたまりやすいので注意が必要です。

その上で鉄道や飛行機、バスでは持ち込めるペット(ケージ)の大きさや乗せられる犬種にそれぞれ制限がありますので、ここからはペットを交通機関で運ぶ際の注意点について主に解説します。

※なお、身体障害者補助犬法に定める盲導犬や介助犬などを使用者本人が連れて行く場合は、法律上飼い主との同伴が認められており、各運行会社のルールは適用されないため、ケージやキャリーバッグなどに入れなくても一緒に乗車できます。

電車へのペットの持ち込み

犬や猫など、電車でペットと一緒に移動する場合は、手回り品としての扱いになり、どの鉄道会社でも駅構内や電車内では頭や手足が出ないケージなどの容器に入れて運ぶことになっています。

キャリーバックならばたいていは問題ありませんが、ペットカート(ペットバギー)などの大型なものは、そのままの状態では手回り品の大きさ制限に引っかかるため持ち込めず、骨組みとバッグ部分を分離する必要があります。

電車で運べるペットの大きさ

JR各社を例に取ると、 持ち込めるペット用のキャリーバッグの大きさは長さ70cm、縦・横・高さの合計が90cm程度、容器と動物を合わせた重さが10kgまで。

持ち運べる動物の例として「小犬、猫、鳩またはこれらに類する小動物(猛獣やへびの類を除く)」とされており、これを上回る大型犬は持ち込みできません。私鉄の多くも同じ基準を使っています。

ペットを持ち込む際の料金

JR各社や関西の大手私鉄各社の場合は、ペットは有料手回り品となり、改札口などで駅係員にケージを見せた上、1回の乗車ごとにケージ1個につき290円の有料手回り品きっぷを購入して乗車します。これは在来線だけでなく新幹線でも同様です。

これに対し、関東の私鉄各社では手回り品料金は無料となっており、この点は地域や鉄道会社によって異なるようです。

車内ではキャリーはどうすべき?

残念ながら、電車の車内にはペット専用のスペースはありません。持ち込んだ人が自分の足元の床に置くか、ひざに乗せることになります。座席のテーブルは面積が小さく落下しやすいので、置かないほうがよいでしょう。

ペットは、飼い主さんにとっては大切な家族ですが、犬や猫が苦手な方や、アレルギーの方がいる可能性があります。まわりの方に迷惑にならないように、バッグからペットが出ないように気をつけましょう。

また、座席に乗せることはできませんので、小型バッグならば膝に乗せ、少し大きめならば床に置くなどしてください。

電車でのペット持ち込みルールを確認しよう

飛行機へのペットの持ち込み

気持ちとしては客室に持ち込み、一緒に移動したいものの、飛行機にペットを持ち込む場合も、手荷物扱いとなります。客室ではなく貨物室に乗せられます。

鉄道と違って大型犬も持ち込めますが、ブルドッグなど短頭種の犬については持ち込み制限がありますので注意してください。また機内に持ち込むには、国際航空運送協会(IATA) の規定に適合したペットケージに入れる必要があります。

●硬いプラスチックや金属など強度のある素材でつくられ、頑丈な屋根がついた、航空輸送に耐えうるケージ

●車輪付きの場合は、取り外しが可能なもの、もしくは車輪が固定できるもの

●側面に換気用の窓が備わっているなど、通気性のあるもの

●ペットがケージの中で立つ、座る、寝そべる、回転できるなど、十分に動けるスペースがあるもの

※布製のキャリーバッグや厚紙、ダンボールなどでつくられたものは不可

参考:IATA公式サイト

飛行機に持ち込めるペットの重量と料金

日本航空のペット持ち込み

日本航空の場合、機内に持ち込めるペットの大きさには制限はありませんが、手荷物として扱えるのはペットとクレート(容器)の合計重量が32kgまで、かつ他の手荷物との合計重量が100kgまで。ペットとクレートの合計重量が32kg以上の場合は貨物扱いとなります。

料金はクレート1個1区間あたり3,000円~6,000円(路線により異なります)で、 原則として犬・猫・うさぎ・ハムスターなどはペットクレート1個につき1匹(羽)ずつ、小鳥などは1個につき1種類2羽程度までの持ち込みとなっています。

クレートはご自分で持ち込むほかに、同社が用意しているクレートを借りることもできます。

参考:ペットをお連れの方(日本航空)

参考:動物(ペット)の貨物輸送について

全日空のペット持ち込み

全日空では、ペットケージ1個につき国内線1区間あたり6000円(一部路線は4000円)のペット料金がかかります。ペットケージがLLサイズ(幅65×奥行き95×高さ70cm)となる大型犬(シェパード、レトリバー、ドーベルマンなど)については貨物扱いとなる場合もあります。

また同社においても、貸し出し用ペットケージが用意されています。

参考:ペットをお連れのお客様[国内線](ANA)

短頭種などの飛行機の持ち込み制限

ブルドッグなど短頭種の犬については、ほかの犬種と比べて高温に弱く、熱中症や呼吸困難を引き起こしやすいため、航空会社ごとに持ち込み制限があります。

日本航空の場合、フレンチ・ブルドッグとブルドッグの2犬種はすべての便で年間を通じて持ち込みができません。

全日空の場合は5月1日~10月31日の夏期期間中、この2犬種のほか、ボクサー、シーズー、ボストン・テリア、ブル・テリア、キングチャールズ・スパニエル、チベタン・スパニエル、ブリュッセル・グリフォン、チャウチャウ、パグ、チン、ペキニーズについて、機内持ち込みができません。

このほか、妊娠中や生後4カ月未満のペットも持ち込みできません。

飛行機の輸送環境

ペットは容器に入れられた状態で扱われます。飛行機への積み下ろしの際には駐機場などで外気にさらされるため、夏には高温となることがあります。夏場はケージ内に保冷剤を入れるなどして対処しましょう。

フライト中にペットが過ごす貨物室の室内は、空調で温度・湿度が管理されていますが、飛行中は照明が消え、暗室となります。気圧は0.8気圧(2000メートルの山頂と同等)となり、上昇時や下降時の気圧変化でペットの耳の機能などに悪影響が出る恐れがあります。

なお、ペットの機内持ち込みに当たっては、輸送中に機内環境などが原因でペットが死傷しても航空会社は責任を負わない旨の確認書に署名する必要があります。

バスへのペットの持ち込み

路線バスの場合

路線バスの場合は、多くのバス会社でペットは手回り品として持ち込むことができます。ただし、その場合も必ずふたの付いたキャリーバッグなどの容器に入れて持ち運ぶ必要があるため、大型犬を乗せるのは難しそうです。

たとえば都バスの場合、手回り品の大きさは、縦・横・高さの合計100cm以内、重さ10kg以内とされています。

空港リムジンバスの場合

空港リムジンバスへのペットの持ち込みについては各運行会社ごとに規則がありますが、羽田・成田空港と首都圏各地を結ぶ東京空港交通の場合、トランクルームに入れることはできず、客室内に持ち込むことになります。

その場合、体の一部が出ないような小さいかごに入れ、ひざ上または足元の床に置くこととされています。他の座席に乗せることはできません。別途料金は不要です。

高速バスの場合

長距離の高速バスの場合も各運行会社ごとに規則がありますが、おおむね夜行便への持ち込みは不可。昼行便に限って車内持ち込みが認められています。

これは、夜行便は長時間の運行となってペットへの負担も大きい上、鳴き声などで他の乗客の安眠を妨げる危険もあるからです。

ジェイアールバス関東

昼行便への持ち込み条件については、ジェイアールバス関東の場合、0.027立方メートル(おおむね30cm×30cm×30cm)までの収納ケースに入れたペット(猛獣を除く)とされています。

なお、鳴き声や異臭などで他の乗客の迷惑となった場合、途中で強制下車させられることがあります。

ジェイアールバス関東 | 高速バス利用時の注意

西鉄バス

一方西鉄バスでは、九州と本州の間を行き来する夜行高速バスでは持ち込み不可。九州島内を行き来する高速バス全便では、床下トランク内のみに限りペット持ち込みが可能です。

ただし、トランク内は空調設備がなく、ペットに異常が発生した場合でもバス会社側は責任を負わないとされています。

また、トランクに積み込む場合はペットをかごに入れるなどして他の乗客の荷物を破損・汚損しない措置が講じられている場合に限られます。

西鉄くらしネット 高速バスのご案内

ペットにもしものことがないよう、万全の対策を

ペットを連れて公共交通機関を使って移動をする際は、それぞれの交通機関がどんなルールを設けているのか、あらかじめ確認するようにしましょう。

また、長時間の移動をさせる前には、かかりつけの動物病院に行って、事前に健康診断を行うことをおすすめします。大切なペットにもしものことがないように、万全の対策を取りたいですね。

そして最後になりますが、ペットとご一緒に引っ越しをされる際には、今回取り上げた移動の他にも、引っ越し先での獣医さん探しや、飼い犬の場合は市区町村役所または保健所での登録変更手続きなど、考えなければいけないことがたくさんありますよね。

そんな中で、もし引っ越し会社探しが面倒だと感じたら、ぜひ一度弊社の「引越しラクっとNAVI」へご相談ください。

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著者投稿者 引越しラクっとNAVI編集部
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