お城は引越しすると、いくらかかるのか?弘前城の引越しをチェックしてみよう!
こんにちは。先日、青森ねぶた祭り、仙台七夕祭り、郡山うねめ祭りと東北のお祭りを満喫した横川です。いや、仕事で行ったので、満喫はしていません。昼間しかみてませんしね。
そんな東北で、一大プロジェクトが進行していました。それは、青森の弘前城が「引越し」をしているとのこと。お城が引越し?どこへ?と疑問だらけのお引越しですが、今回のプロジェクトは、弘前城の石垣が老朽化しており、危険な状況になったため、石垣を補修するために、上物のお城を70メートルほど移動して、石垣を補修した後に、また上物のお城を元に戻す。という前代未聞の工事です。
弘前城のお引越しプロジェクトは、特設サイトまで用意されています。
概要は、この特設サイトでご覧いただければと思いますが、面倒な方は、下の動画を見れば、全部わかりますので、そちらをご覧ください(笑)
そして、この工事、実際に始まっていまして、ちょうど先日、曳家工事がスタートして、実際にお城が動いています!YoutubeのANNチャンネルに実際の動画がありましたので、ご紹介です。
この動画を見てもらえばわかると思いますが、この曳家工事というのは、ジャッキアップしたお城を引っ張って、目的地へ移動させるという工事です。すごい技術だなーと思いますよね?実はこの曳家、起源はエジプト文明の「テコ」と「コロ」の技術のようです。
出典:社団法人日本曳家協会より
でもって、このジャッキアップで思い出したのは、以下の2つの事例です。
1)羽田空港の地盤沈下対策のジャッキアップ
羽田空港は埋立地に作られた空港なので、毎年数センチ地盤沈下が起こります。すると、舗装の路面が波打って、飛行機の正常な運行に支障をきたすため、ジャッキアップして舗装面を持ち上げ、その下にグラウトと注入する工法です。詳細はピーエス三菱さんのサイトでご覧いただけます。
出典:株式会社ピーエス三菱
2)鹿島建設本社ビル解体工事の、ジャッキアップによる下層階からの取り壊し
もう一つ思い出したのは、東京赤坂の鹿島建設の本社ビルの解体工事です。通常、ビルの解体は最上階から壊していきますが、鹿島建設本社ビルは、だるま落としのように、下段から壊していったのです。その際に利用したのが油圧ジャッキです。詳細は、鹿島建設のサイトにありますので、気になる人はご覧ください。
出典:鹿島建設
完全にお話が脱線しましたが、今回の弘前城の曳家工事、メインは石垣の補修工事な訳ですが、お城が引越し(曳家)することが珍しかったので、ご紹介でした。(曳家工事は、古民家など歴史的な建物を、そのままで移動させる技術なので、こういったケースで活躍します)
そして、このお引越しの予算は約20億円とのこと。この中には石垣工事の部分も含まれていますし、単純に曳家工事分だけではないのですが、今年最大の引越し作業となりそうです。
最後にTwitterでのツイートをご紹介しましょう。
弘前城は100年ぶりの石垣の修復のために天守閣が曳家という工法で一昨日から移動が始まりました。今日現在までの写真を撮ってみましたがこれから秋にかけてもっともっと移動します。 pic.twitter.com/th7kkHZfbS
— 瞬く (@bokoyai) 2015, 9月 5
弘前城天守、朝日新聞デジタルに動画もアップしました。私が撮った動画、タイムラプス(コマ送り)と市提供のタイムラプスを組み合わせています。少し動いたのが伝わればいいのですが。#弘前城 http://t.co/6vhYIHG92t pic.twitter.com/JiBeK8f9fb
— 西畑志朗 Shiro Nishihata (@NSHT_46) 2015, 9月 3
早起きして弘前城(^^) 上の天守閣動かそうとしてるのだから驚き 現段階でリンゴジュース1リットル近く飲んでる(笑) pic.twitter.com/53h88kujHP
— やぎ@9/25~9/27帰省 (@sigeki70) 2015, 8月 28
元土木課の人間としては、ちょっと血が騒いでしまい、脱線しつつのお城の引越しご紹介でした。
本日は、以上です。