引っ越しマニア・葛飾北斎の94回目の引越し先に行ってきた
本日は、江戸時代の天才浮世絵師、葛飾北斎の生誕255周年の日です。いろいろな引越しのサイトで、93回の引越しをした葛飾北斎。といったことが書かれています。
93回のお引越し! すごいですよね。まあ、今みたいに運転免許証の住所変更とかしなくていいので、引越しは楽なのでしょうが、それにしても、すごい回数です。
他のサイトと同じこと書くのもちょっと嫌なので、今回は葛飾北斎が生きていた時代、江戸時代の暮らしや北斎の生誕の地に行ってみました。
東京都江戸東京博物館で調べてきた
「引越しする前に絶対に読んでおきたい本」はご覧いただけましたでしょうか?そちらにも書いてありますが、東京都江戸東京博物館には、北斎の画室が常設展示されています。
東京に約10年ほど住んでいますが、実は初めて来ました。総武線に乗っていると、両国国技館の隣に見える、ちょっと特徴的な建物が、江戸東京博物館です。
中に入ると、すぐに大きな橋が架かっています。一気にテンションが上がります。
来場者は、外国の方が4割ほど、小・中学生が3割ほど、おじいちゃんが2割ほどです。僕みたいなのは1割もいませんが、江戸の町に表と裏があるお話とか、大名行列のお話とか、一人でテンション上がっていました(笑)
いろんな模型が展示されており、例えば江戸の街並みの模型や、江戸城の模型、江戸は火事が多かったので、火消組の模型などがありました。中には、実物大の長屋もあって、かなり楽しく、江戸時代を知ることができると思います。
この展示は、北斎が83歳の頃の娘と同居していた絵を元に組み立てられた模型のようです。障子もやぶれ、ゴミが散乱し、家具もない。かなり質素というよりも、粗末なお家で絵を描いていたようです。
これは、同じく東京都江戸東京博物館に常設展示されている、一般的な長屋の展示です。上の、北斎の住処と比べると、モノの数が多いですよね?というよりも、北斎の部屋の荷物が少なすぎるわけです。
実は北斎、ほとんど家具などの家財を持たずに生活をしています。絵を描くこと以外は、まったくの無頓着な性格で、居酒屋が近くにあれば、出前を頼み、ゴミを捨てるのが面倒なので、室内に放置したりと、かなりきままな生活を送っていたようです(親子そろって)。そして、ゴミがたまると、次のお部屋へ引越し。これが引越し回数が増えた理由と言われています。
この性格は、お金に対してもそうだったみたいで、売り掛けの酒屋や居酒屋が来た時も手持ちのお金とまとめて渡して、足りなければ別途請求。余った場合は、商人がくすねていたという状況だったようで、北斎は人気作家だったので、稼ぎは良かったはずが、あまりお金持ちではなかったようです。
そして、北斎は引越し先がほとんど都内というか、墨田区内に集中しています。ですので、ちょっと近所の空いている長屋へ移動する。家財はほとんどなし。家族が移動するだけなので、一般的にイメージする引越しとはちょっと違いますよね。
1日に3回の引越しをした。とも言われますが、それって引越しというか、
「ちょっと時間の長い内見」
という感じではないでしょうか?
つまり、引越しを93回も行った人として葛飾北斎が紹介されたりしますが、実際の所、今の引越し事情とは全然違っているので、あまり意味のない数字になると思います。
ちなみに、墨田区に住み続けた葛飾北斎、今では墨田区の住民票の裏に北斎の絵が描かれるようになりました。
94回目の引越し先に行ってみた
せっかくここまできたので、江戸東京博物館を後にして、すぐ近くにある、葛飾北斎生誕の地を目指します。現在は、北斎通りという名称まで付けられた、通り沿いで生まれたようで、フォートラベルにも北斎生誕の地を紹介されていたのは、驚きました。
事前の確認で、生誕の地とはいえ、建物があるわけでもないことは知っていたのですが、それらしい地域に入っても、全然見つかりません。ネットで調べると、「東あられ本舗の前」と書かれており、あ、そこ通りすぎたじゃん。。。という状態。
踵を返して、東あられ本舗前にありました!北斎生誕の地の看板が!
こんな感じでポツンとあるので、わかんないですよ!!
墨田区では、すみだ北斎美術館を建設中です。北斎生誕の地から約200m離れたところに建設中で、平成28年中には開館予定とのことです。
もう帰ろうかと思ったのですが、ここまできたら、94回目の引越し先へ行きましょう!ということで、94回目の引越し先は、両国駅から都営大江戸線2駅離れた新御徒町にあります。住所で言うと、北斎の住み慣れた墨田区ではなく台東区です!
浄土宗誓教寺の中に94回目の引越し先がありました。
こんな立て看板も立っております。
そして、ついにお会いできました!94回目の引越し先である、北斎のお墓!しっかりと手を合わせて、今回のエントリーで紹介させてもらいますよ!と伝えてきました。
ゴッホなどの西洋の画家にも影響を与え、「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」で、日本人として唯一86位にランクインしたほどの、稀代の偉人ですが、普段の生活同様、いまでも質素なお墓で眠っていらっしゃるようです。
引越し好きの偉人に少しでもあやかれますように。・・・煩悩が尽きません。
あと、江戸東京博物館は、江戸の町だけでなく、江戸から現在の東京までを展示していますので、すごい楽しい博物館でした!時間があれば、もっと見たかったくらいです。あんまり、東京に住んでいる人って、見に行かないイメージがあるので、これを機会に見に行ってみてはどうでしょうか?楽しいですよ!
東京都江戸東京博物館
〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
・JR総武線 両国駅西口下車 徒歩3分、東口下車 徒歩7分
・都営地下鉄大江戸線 両国駅(江戸東京博物館前) A4・A3出口 徒歩1分
・都バス錦27・両28・門33系統、
墨田区内循環バス「すみだ百景すみまるくん・すみりんちゃん(南部ルート)」
「都営両国駅前(江戸東京博物館前)」下車、徒歩3分
本日は、以上です。