AIやITが発達しても消えない仕事、就職先としての「引越し業界」をお伝えします。
今日は、いつもと毛色を変えて、引越し業界へ就職する場合、どのような待遇や、ヒエラルキーがあるのでしょうか。
引越し業界、特有!?の状況をお伝えしたいと思います。
引越し会社での業務
引越し会社と一口に言っても、様々な職種があります。
・引越し作業
・個人向け営業
・法人向け営業
・コールセンター
・マネージャー
・一般事務
一般事務は、いわゆる総務人事的な部門ですから、どこの会社にもありますので、ここでは特筆しません。
引越し作業
一番、イメージしやすいお仕事ですね。お客様のお家に行って、荷物を運びます。以前のエントリーでも書きましたが、まずは荷物を運搬する係になり、そのあと、トラックに荷積みをする係や、お客様宅から、荷物を出す係へと「昇格」していきます。
そして、現場のリーダーを経て、本社勤務や、副支店長、支店長。という流れが一般的な流れと言えます。
技術が発達すると、ここがロボットに置き換えられることが予想できます。ですが、アルバイトが担う、力作業のところがロボットの守備範囲でしょう。その時その時で、お客様から追加で依頼される荷物を効率良くトラックの空間に積み込む作業は、まだ人の仕事ですね。
個人向け営業
個人向け営業とは、その名の通り、個人のお客様のお宅へ訪問して、見積もりを出して、受注を獲得する業務となります。
毎日、3〜4件、繁忙期はその倍の件数を訪問して、お客様とやり取りを行います。
営業ですから、獲得件数に応じた歩合があることが一般的です。
こちらも、営業の現場リーダーを経て、本社勤務や、副支店長、支店長。といった流れが一般的です。
法人向け営業
法人向け営業とは、企業の転勤の際のお引越しを受注すべく、企業を回って、営業を行います。
企業の総務人事部あてに訪問して、年間の価格を策定する場合もあれば、割引率などを提示したりします。
引越し会社ごとのカラーが分かれるところですが、法人担当が、転勤者の対応を行う会社もありますし、法人担当は総務人事部との窓口だけで、転勤者はコールセンターや一般の個人と同じ人間が対応する会社もあります。
法人向けは、契約が取れれば毎年、一定数の依頼が見込めますので、手堅く予算が見込める一方、無茶苦茶な依頼も来ますが、それにも対応しなくてはいけません。
この辺は、安定度と特別な対応とのトレードオフという感じです。
法人営業と個人向けの営業だと、社内の立場は企業の考え方によって強い弱いがあります。それは、企業としては、固い法人のニーズを安定的に拾える方が、嬉しいということならば、法人の営業部が強く、繁忙期でも法人の案件を、多少無理をしてでもバンバン入れていきます。
個人向けが強い引越し会社は、繁忙期の法人の無茶な要望にも、華麗にスルーしますから、引越し会社の色によってという感じでしょうか。
ちなみに、私たちがご紹介している引越し会社は、法人部門がある引越し会社で、強い、弱いは企業ごとに違います。
コールセンター
コールセンターは、お客様、営業、現場とのハブとなる非常に重要なポジションです。
中小の引越し会社は、コールセンターを取りまとめるチームで、トラックの手配も行うことが多いようです。
お客様に叱られる矢面に立つ、大変なお仕事ですが、お客様に会社の印象を持ってもらえる、重要なポジションです。
ここも、将来的にはロボットというか、AIというか、ITの技術で置きかわる業務でしょうね。
マネージャー
副支店長や、支店長といったポジションや、コールセンター長がこの職種になります。
基本的には、クレームの対応がお仕事です。
「モノが壊れた。」「聞いていた話と違う。」「早く見積もりを出して欲しい。」「ダンボールを引き取りに来い。」など、要望は様々ですが、副支店長や、支店長は現場のクレーム対応がメイン業務です。
コールセンター長は、コールセンターの対応を含めて、引越し全般のクレームが届きます。
ここをロボットに置き換えると、さらに激昂されるので、マネージャーはしばらく、耐え忍ぶ仕事は無くならないでしょう。
出世コース
引越し会社での出世は、一般的に営業畑と現場畑の2つのルートが多くなっています。
どちらも、
現場 > 本社勤務 > 副支店長 > 支店長 > 役員
営業 > 本社勤務 > 副支店長 > 支店長 > 役員
と、スタートが違うだけでルートはほぼ同じです。ですが、どこの業界でもありますが、現場上がりの支店長と、営業上がりの支店長では、その支店の色が全然違います。
まあ、その辺りの調整をしながら、会社をバランス良く回していくのが、役員を中心とした、人事権を持っている方々ですね。
ですが、これはあくまで これまでの話 です。これからは、ロボットや、自動で効率のいい配車システムが開発されるでしょうから、この出世コースとは違ったルートが出てくることは、間違いないでしょう。
お給料
そして、気になるお給料です。現在、上場している引越し専業の企業が、「サカイ引越センター」1社しか有りませんので、サカイ引越センターさんの情報を元に見ていきます。
サカイ引越センター 平均年収
・2013年:431万円(31.8歳/4,027人)
・2014年:447万円(31.7歳/4,621人)
・2015年:443万円(31.7歳/5,019人)
業界的には、平均から若干お安めと言われているサカイ引越センターの給与ですから、他社へ行けば、もうちょっと高くなるでしょう。基本的に、最大手は安定、安心感があるので、若干、給与は抑えられる傾向にありますよね。(引越し業界に限らず)
仮に、新卒で入社した場合、
現場・営業(20〜30代):400〜500万円
本社勤務(30〜40代):500〜600万円
支店長(40〜50代):600〜800万円
こんな感じでしょうか。(あくまで推測です。)
もちろん、成績次第で、もっと高給になりますし、もっと早く昇進もしますが、あくまで目安として考えてみてくださいね。
まとめ
引越し業界で、働こうと考えているあなた。
僕が伝えたいこととして、学歴不問!とか、給料がいい!とか、仕事が大変!とか、そう言った側面はありますが、よくある就職サイトなどで、書かれていますので、割愛します。
せっかく、引越し業界にすごく近いところで、お仕事をさせてもらっている身として、お伝えしたいことは、
しばらくの間は、世の中から、無くならないお仕事ですよ。
ということ。
ロボットが代わりになっても、荷物を移動すること自体は無くならないので、今のアルバイトがしている仕事がなくなるだけです。
自動運転と、ロボットの活躍で、人員は減るかもしれませんが、社員は体が楽になって、お引越しをさばいていく業務がメインになるでしょう。
そして、いかに効率良く配車をして、たくさんの引越しをロボットを使ってこなしていくか。
これから引越し業界に求められる人は、そういう未来を持って、動き出せる人だと思います。
ぜひ、引越し業界で働いてみてください。お待ちしております。
本日は、以上です。