音楽関係者必見!防音物件の探し方とポイントまとめ
引越しラクっとブログをご覧のみなさん、はじめまして。
このたび、不定期で記事の投稿をさせて頂く事になりました、引越しラクっとナビオペレーターの山口です。
引越し、お部屋探し、インターネット回線などをはじめとする新生活サポート全般の窓口として、お客様のお電話対応を担当しております。
このブログでは、オペレーターとして約1年働いて、初めて知ったことや、気付いたことなどをみなさんに共有させて頂きつつ、本業は音楽活動をしているので、そちらの分野でもみなさんのお役に立てることがありましたら、お伝えしていきたいと思います。
さて、初の投稿となる今回は、引越しラクっとナビのサービスの一つである「お部屋探し」とそれにまつわる「音」についてのお話です。
みなさんは、物件を探す際、「音」についてどのくらい気にされますか?
周りの生活音や、自宅から漏れる音を気にされる方も少なくないと思います。また、楽器演奏をされる方や、大音量で音楽や映画を鑑賞される方もいらっしゃるでしょう。
僕も自宅では歌を録ったりギターを録ったり、いわゆる「宅録」をしますので、割と大きな音を出します。
そのため、19歳で初めて一人暮らしをしてから4回引越を重ねましたが、毎回条件の最優先事項として挙がるのが、「部屋の防音性」です。
しかし予算や場所の都合上、防音物件には住めず、壁ドン(苦情)を受けたり、自分でできる防音施工をしたり、あがいてきました。
その経験を活かして、「音」に特化した部屋探しについていろいろ紹介したいと思います。
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1.防音物件とは?
音は、空気振動によって人の耳へと伝わっていきます。つまり、その振動が隣まで届かなければ、音は聞こえないわけです。防音物件はそのためにいくつかの特殊な施工をしています。
ポピュラーなものから言えば、「二重サッシ」。読んで字のごとく、窓を二枚重ねて、空気振動が逃げないよう関門を増やしています。
外からの音も中からの音も遮断可能なので、線路や高速道路などが近い物件で、比較的築浅なマンションには、この二重サッシが採用されているところが多いですね。
他にも、通常よりも密度の濃いコンクリート壁を使っていたり、ドアの縁がゴムで覆われていて、隙間を空けないようになっていたり、吸音材が貼られていたりします。
もっと大がかりな工事もありますが、賃貸物件ではこのような対策をしている物件が相場となっています。
つまり、防音と謳っていながらも、完全に音が漏れない物件は、少なくとも賃貸には存在しないと考えた方が良いでしょう。
そして、僕のこれまでの経験上、自分が思い描いている理想の防音物件というのも、存在しないと思った方が良いですね(笑)
条件にかかわらず、賃貸物件を探すのは妥協が必要だと言われています。しかし、防音という条件が入ると、この妥協は自分の最低ラインを大きく下げることになります。
防音で、内装もオシャレで、バストイレ別で独立洗面台で追い炊きも欲しいし2F以上の築浅で駅近がいい!と、条件てんこ盛りで探すと、該当物件なし、もしくは超絶ハイグレード物件しか見つからないでしょう。
防音という条件を優先するのであれば、他の条件は全て捨てるくらいの気合が必要です。そして何より、時間をかけてじっくり探す根気が必要です。
防音物件は、需要に対し、物件数が圧倒的に少ないので、基本は空き待ちとなります。
2.防音物件に強い不動産会社(自分で利用してみてのレビュー)
前述の通り、町の不動産屋さんや、賃貸情報サイトなどで検索してみるとわかりますが、「楽器相談」という条件が入ると、極端に該当件数が減って、やる気がなくなりかけます。
しかし、近頃は防音物件を専門で取り扱っている会社があるのをご存知ですか?
正確には、不動産会社が防音専門の窓口を設けている、という感じですね。僕が使ったことのあるサイトをいくつか紹介したいと思います。
音楽賃貸ネット
メジャーハウジング株式会社が運営する、楽器可物件専門の情報サイトです。都内近郊の防音物件を紹介しており、更新頻度も高めです。
24時間演奏可能、ファミリー楽器可、防音設備あり、お手頃賃料などのカテゴリに分かれており、目的に合わせた検索が可能です。
通常の情報サイトでは出てこないような物件も出てくるので、見ているだけでも面白いですよ。
ピックアップされている物件は、動画での部屋紹介や営業スタッフのコメントもあるので、内見前に多くの情報を得ることが出来ます。
実際に、池袋にある店舗にも伺ったことがありますが、ベテランの社員さんがしっかりとお話しを聞いて下さり、候補の物件をいくつかあげて頂きました。
防音賃貸.com
有限会社ガルバプランニングが運営している、こちらも音楽賃貸専門の情報サイトです。UIがやや古めですが、こまめに更新されています。
都内を中心に、プロや法人が借りるようなスタジオ物件や、防音工事なども取り扱っており、グレードの高い物件が多い印象。
プライベートスタジオの運営もしていますから、防音に関する知識は間違いなくプロ中のプロですね。
その証拠に、各物件の備考欄には、演奏できる楽器と出来ない楽器が明記されているため、各分野への対応可否が一目で分かるようになっています。
個人的には、UIと、検索機能、写真の画質が上がったらもっと見やすいのになーと思ってたりします。
ルームカフェ
株式会社ビリーフコーポレーションが運営する、同じく音楽賃貸専門の情報サイトです。
演奏する楽器別に検索が出来たり、駅近、夜でも演奏可、などの特集もあるので、目的に合わせて簡単に検索できます。
こちらも都内中心で、沿線やエリアから探すことが出来るので、賃貸情報サイトに慣れている方は、同じようなイメージで探し進めることが出来ると思います。
実際に利用しましたが、見学予約も簡単で、翌日には担当者から電話がありました。その後、渋谷ヒカリエ横にある店舗にお伺いし、候補をいくつかあげていただきました。
こちらも印象としては知識豊富で、楽器や使用用途によって細かく探してくれます。サイトも使いやすく、店舗の立地も良いので混み合っており、基本的に来店は予約が必須となるようです。
ソナーレ
こちらは株式会社ソナーレが運営する楽器演奏可能マンション専門のサイト。
これまで紹介したサイトとは違い、自社で楽器演奏可能マンションの運営管理も行っている会社です。
基本的には、音大生や演奏家向けの物件が多く、特に音大生に対しては、受験や進路についてなど、手厚いサポートがあるようです。
割合として単身向けの物件が多く、上京した音大生などが借りるような物件がメインです。
物件数自体は少ないですが、情報が非常に細かく、特に演奏可能楽器についての記載は群を抜いています。検索方法も様々で、「音大別に探す」「2DKで探す」など、他にはあまりない方法での検索も可能です。
また、空き予定物件のお知らせメールや、取扱い物件のカタログの郵送なども行っています。問い合わせからの電話レスポンスも早いです。
ただし、定期的に連絡をしてくるタイプなので、物件を探し終わってからかかってきた際は、そのように伝えておきましょう。
かなり長期的に気にしてくれて電話がきますが、嫌味な営業などはしてこないのでご安心を。
僕が使ったことのある専門業者でいうとこのくらいでしょうか。
あとは、ソナーレさんに習って、音大の近くにある不動産屋さんを訪ねてみるのも手です。都内だと、日大芸術学部や、武蔵野音楽大学がある江古田駅、昭和音楽大学がある新百合ヶ丘駅、国立音楽大学がある国立駅などですね。
音大生は生楽器を扱うことが多く、電子音楽と違い音を抑えることが難しいので、防音物件などを探す学生が多いです。そのため、音大周辺の不動産屋さんは防音物件を扱うオーナーとの繋がりが強いと言えるでしょう。
あとは、少しお金に余裕があれば、ミュージション(http://musision.jp/)や、ラシクラス(http://rasiclas.com/)「ミュージシャン専用の物件」に住むのもよいでしょう。
アクセスも良く、内装もきれいで、完全防音。ただし賃料は一般物件の1.5~2倍ほど。まさに音楽で生きている人が住むところという感じですね。
3.実際に探す上でのポイント
まずは、目的にあった防音の程度を考えて、そもそも本当に防音物件が必要なのか?また、必要ならどの程度の防音なのか?をはっきりさせます。
物件の構造と、そこにあった目的を、僕なりにざっくりまとめてみます。
★木造
壁の厚さによりますが、携帯のバイブ音すら聞こえてくるほどに音は筒抜けと思った方がよいでしょう。
空洞の多い木造は、それだけ空気の振動も伝わりやすいですからね。
★鉄骨造
なんとなく字面からして防音度合も高そうですが、実際は木造とほぼ変わりません。
読んで字のごとく、鉄は骨組みだけなので、壁の部分は木造、もしくはそれに代わる材料である場合がほとんどです。造りはしっかりしていますが、防音は期待できません。
★鉄筋コンクリート物件
足音や普通の話し声など、日常生活をする上で左右上下の生活音はほぼ聞こえないでしょう。しかし、鉄筋コンクリートと謳っていながら、壁がコンクリ―トではない物件もたまにあります。
それを見分ける方法は簡単。内見の時に、壁を軽く叩いてみてください。パチンパチンと、中身が詰まった音がするのがコンクリート。コンコン、と空洞に音が響くのは木や、それに代わる素材です。
音を出す部屋の壁がどうなのか。騒音が気になる寝室の壁はどうなのか。このあたりは内見でしっかり確かめておきましょう。
★楽器相談物件
「楽器相談」の記載は、物件を探している時にたまに目にしたことがあるかもしれません。
この記載がある物件は、時間や楽器の種類などの条件付で演奏が許されていますが、構造的には防音ではない場合がほとんどです。
もちろん夜間の演奏は不可。打楽器や大音量での演奏も不可。
周りに聞こえてもいい日中に、アップライトピアノくらいなら弾いていいですよ、というところが多いです。
★時間指定付の楽器可物件
時間指定付の楽器可物件の記載がある場合は、許容時間帯によって防音度合が違います。
~20:00のところは、楽器相談物件とほぼ同じ。
~23:00のところは、そこそこ防音性の高い物件です。
(個人的には23:00がいいなら24:00もいいでしょと思いますが)
周りの物件相場より、少し高いところが多いです。
★完全防音物件
24時間演奏可能、窓は二重サッシ、扉はレバーで固定タイプ、つまりはほぼスタジオのような物件。先ほど紹介した、ミュージションやラシクラスのような、かなり特殊な物件です。
物件相場との価格差は1.5~2倍。
上から順に、物件数が少なくなっていきます。それと共に家賃も上がっていきます。
目的や条件に合わせて、落としどころを見極めるのが良いかと思います。
ちなみに僕の家は、鉄骨造のマンションなので、防音性はさほど高くありません。しかし、前述の通り、家で作曲をしたり、歌を録ったり演奏を録ったりするので、割と大きめの音を出すときもあります。
防音物件ではないですが、一応その程度の音を24時間「だましだまし出せる環境」になっています。
なぜこれができるのか?理由は二つあります。
その詳細は、、、次のエントリーで!