引越しじゃなくても使える。今更聞けない、光コラボについて解説してみました。

昨日のエントリーで光コラボが今後の電力やガスの自由化の試金石だ!的なことを書きましたが、実際に光コラボってどうなの?そもそも、光コラボってなに?という所を今回は掘り下げたいと思います。

そもそも、ミンナ、どうやってインターネットしてるの?

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まずは、総務省のデータを引っ張ってきました。
2014年12月のデータですが
光回線の通信サービスは2,638万回線
ADSLの通信サービスは392万回線
CATVの通信サービスは595万回線
となっています。

移動系通信の契約数は携帯電話の契約数に含まれているので、無線WiFiのみの数値はわかりませんでしたが、2014年12月のWiMAXが950万契約とオフィシャルサイトに記載があります。また、Y!Mobileは、2013年の12月のデータで、440万契約とのことです。ちょっと多めに見積もって、無線WiFiサービスは、約1,500万契約程度と想定してみます。

そうすると、固定通信で約3,600万回線、無線WiFiで約1,500万回線、合計で約5,100万回線が利用されていると推測できます。

次に本題の光コラボというのは、この固定通信(3,600万回線)の中の、光回線(2,600万回線)の中の、さらにNTTの部分(1,800万回線)が、自由化された形となります。

グラフにすると、このちょっと切り離された、青い部分が該当します。契約回線数は、約1,800万回線、全体のシェアでいうと、約36%になります。

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光コラボとは?

元々、光回線事業者は
・光ファイバーの敷設
・宅内工事
・局舎内工事
などの、インフラ整備

・ユーザーへの販売
・サポートセンターの設置
・代理店営業
などの 販売&サポート業務 の両方を行っていました。

それが光コラボによって、NTT東西はインフラ整備を担当し、各サービス事業者が販売&サポート業務行うことになりました。インフラ整備と販売&サポートを分離した形になります。
これが、光コラボレーションと呼ばれる体制になります。

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メリットは?

では、光コラボレーション体制になって、どんなメリットが起こるのでしょうか?

【利用者】
これまで、寡占状態だった光回線市場が新しいプレイヤーがたくさん参入することで、競争原理が働き、料金が 安くなる ことが期待できます。
また、光コラボレーションだからできるような、新しいサービス が生まれるかもしれません。

【サービス事業者】
光ファイバーのインフラ整備には多額の投資が必要になりますので、非常に参入障壁の高い業界でした。しかしながら、NTT東西がインフラ部分を提供してくれるので、一気に参入障壁が下がり、いろいろな業種、業界から参入しやすくなりました。

【NTT東西】
販売&サポート業務をアウトソースすることで、インフラ整備や、成長部門に注力することが出来るようになりました。卸値は、どんなサービス事業者にも一定金額で卸すことになっているので、ある一定の利益の確保がしやすいのでしょう。

また、販売代理店が悪さをして、総務省から度々怒られていたみたいですので、それも落ち着きますね(笑)

と、三方良し!の光コラボレーションが、2015年2月からスタートしました。

光コラボ、はじまる

光コラボは、どんな企業が参入したのでしょうか?5/24現在、NTT東日本へサービス事業者として登録されている企業は、エヌティティドコモを含めて、81社!NTT西日本へ登録されている企業は、78社!もちろん、NTT東西両方に登録されている企業もあるのですが、NTTが提供していた光回線が、少なくとも 約80倍 のサービス提供社数に膨れ上がりました。

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先ほどと同じ絵ですが、このNTTの部分だけで、80社以上に増えたわけです。ちなみに、791万回線の光回線(その他)は、8社の光回線事業者の合計数になります。社名をあげると、

・KDDI(auひかり)
・SoftBank
・アルテリアネットワークス(spaaqs光)
・ケイオプティコム(eo光:関西地方)
・中部テレコミュニケーションズ(コミュファ光:中部地方)
・エネルギアコミュニケーションズ(メガエッグ:中国地方)
・STNet(Pikara:四国地方)
・九州通信ネットワーク(BBIQ:九州地方)

という、地域限定の光回線事業者だったり、全国展開している光回線事業者だったりしたのですが、そこに80社以上が追加されたのです。

さらに、592万回線のCATVを利用したインターネットでは、346が事業者サービスを提供しています。(総務省発表データより)

今回、光コラボに参入した具体的な会社名は上記のリンク先で確認してもらって、いくつかご紹介すると、
株式会社朝日ネット
株式会社インターネットイニシアティブ
エキサイト株式会社
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
株式会社NTTドコモ
株式会社NTTぷらら
ソネット株式会社
ソフトバンクモバイル株式会社
株式会社T-MEDIAホールディングス
株式会社Hi-Bit
ビッグローブ株式会社
株式会社U-NEXT
ざっと挙げただけでも、これくらいの企業が参入しています。

どうでしょうか?ここから各社のキャンペーンがあって、スマートフォンとのセット割引や、SIMとのセット割引、映像配信サービスとのセット割引など、選択肢が増えすぎています。

ここでもう一度、あのグラフを出します。

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光回線だけで、90社近く存在している上に、ADSLの提供会社、CATVの提供会社、WiFiルーターの提供会社もあります。

SoftBankの様に、光回線(SoftBank光)、ADSL(YahooBB)、WiFiルーター(Y!mobile)と複数のサービスを提供している会社もありますので、一概には言えませんが、とにかくインターネットの提供会社が爆発的に増えたのが、今回の光コラボレーションなのです。

もう、ユーザーにとっては、何が何やらの状態でしょう。NTT東西のフレッツよりも料金はお安く設定されているはずの光コラボですが、「よくわからない」という理由で、移行しないユーザーがかなりの数、いらっしゃいます。そんな人にも、わかってもらえるように、このブログで連載のように、定期的にお伝えできればと思っております。

本日は、光コラボレーションモデルの概要と、今後の意気込みを語ってみました。

Supported by Toshitada Kawahara

【2016.5.28追記】
この後、光コラボのエントリーも増えまして、インターネットだけでなく、電気とのセット割引などが出始めました。

光コラボのエントリーについては、こちらもご覧ください。

引越しラクっとNAVI光コラボ

著者投稿者 横川
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