ついに国土交通省も!引越し難民問題が今年だけで終わらない件

こんにちわ。引越しラクっとNAVI(@hikkoshinavi)の横川です。初めましての方が多いと思いますので簡単に自己紹介をしますと、私たちは企業の転勤のサポートや、不動産会社に来店される引越しをする人のサポートなどを専門に行うお仕事をしております。

こんなお仕事をしていると、いろんな方々から、今年の引越し難民についての状況を聞かれるので、ここで広くみなさんにお伝えできればと思い、このエントリーを書いております。では、ちょっと長くなりましたが、この引越し難民の状況に説明、引越し難民対策、今後の状況について、書き記しましたので、ご覧ください。

 

引越し難民ってなに?

今年は、過去にないほど、引越し難民という言葉が飛び交っています。引越しを希望していても、手配ができないことを引越し難民と定義していますが、この現象は今年初めて出たことではなく、実は去年から言い続けてきました。僕のつぶやきじゃ、全然広まらなかったですけどね(笑)。とにかく今年の引越しは厳しい状況が続いています。そしてついに、国土交通省からも発表がありました。

ただし、国土交通省の対策が、

石井大臣は「引っ越し業者に対して計画的にドライバーや車両の確保に努めるよう働きかけたい」と述べました。

何でしょうか、この他人事な感じ。。。引越し会社が計画的じゃないから、ドライバーや車両不足に陥っているかのような感じを受けてしまいますが、引越し会社だって事前に厳しいことがわかっていて、人材確保に動いているんです。それなのに、宅配の方が儲かるとか、アルバイトの確保が難しいとかで、引越し業を廃業すること、などが今回の引越し難民が発生する原因の一つなのに。。。

その結果、

引越し事業は儲からない。宅配事業が値上げで利益が確保できそうだったのに。という判断を市場はしているようです。実際、ヤマトさんの決算資料を見ても、引越しの利益はほとんど出ない計画になっていますしね・・・そりゃ、値上げを発表したばかりの単身パックをやめるという噂が出ても仕方がありません。

国土交通省ならば、経済産業省と連携して、4月1日の一斉入社の見直しとか、3月末決算の見直しとか、引越しのピークを下げる(平準化する)方向で動けばいいのに。。。

 

これは去年のエントリーですが、昨年の繁忙期は引越し難民が出そうでしたが、僕たちが手配する法人のお引越しでは、引越し難民は発生しませんでした。他の企業さんだと、新卒の人たちがほとんど引越し手配できなかったという企業もあったみたいなので、それに比べると頑張ったかなと思います。

とはいえ、それも去年のお話。今年(2018年)のお引越しは、必ず引越し難民が出るでしょう。なぜなら、去年よりも圧倒的に状況が悪いからです。今日は、そんな状況をお伝えしたいと思います。

引越し難民がでる理由1:トラック不足

宅配便もそうですが、物流に関するトラックやドライバーが不足しています。引越しだと、さらに荷物を運ぶスタッフも不足しています。記事にもありますが、引越しは春と秋に集中します。それ以外の閑散期はとても暇なのですが、同じ物流業界でも、宅配は年中たくさん仕事があるので、引越しをやめて宅配に移行するドライバーや企業が増えています。

その結果、引越しできる件数が世の中から減ってしまっているんです。

今年は異常なんて書かれていますが、去年からこの状況は変わってないし、世の中が指をくわえて待っていただけなんですけどね。

引越し難民がでる理由2:働き方改革

これは、労働環境を改善して、労働者を守るという意味では、とても素晴らしい取り組みですが、今年の引越しの時期の都合だけを考えると、非常に苦しい取り組みといえます。

簡単にいえば、

 

残業できない

受注件数減らす

引越し料金あがる

 

このコンボです。特に、大手の引越し会社を中心に受注抑制が始まっているので、ユーザーや企業が困ってしまい、今まで知らなかった中小の引越し会社に特需がきている状況です。今まで以上の受注を取っている中小の引越し会社は、うれしい悲鳴ですが、そもそものキャパシティがそれほど大きくないため、新規の依頼をストップする引越し会社が続出しています。

引越し難民がでる理由3:短期集中

春の引越しと、ひとくくりに言っても、毎年、トレンドがあります。

例えば、2017年は2月の上旬から引越しをする人が一気に増えたり、違う年は1月の下旬から増えたりと、毎年、シーズンのピークが違ったりします。

そして、2018年のピークは、いつでしょうか? 答え:「今でしょ!(古い)」

というわけで、今年は2月の中旬から下旬にかけてピークがきています。そして、引越し完了時期は3月末(4月の第1週)であることは、毎年変わらないので、今まで以上に見積もりをとる人が短期に集中して依頼がきています。その結果、引越し会社の受付担当部門がパンクをし始めており、見積もりすら出てこない状況が出始めました。

 

大手なら大丈夫だろう。なんて考える人が多いと思いますが、大手はスタッフの数も多いのですが、それ以上に依頼数が多いので、毎日捌ききれないほどの見積もり依頼が届いています。そしてこの依頼件数が増えたことで、ユーザーは不安を感じて、一社のみならず複数の引越し会社へ見積もり依頼をする結果、見積もり依頼件数が増えて、さらにパンクするという、悪循環が起こっています。

引越し難民がでる理由3:地理的に難しい場所

地理上、引越し難民が出やすい場所が存在します。例えば、沖縄へのお引越しは、船便を使います。船の運行スケジュールが決まっているので、それに合わせないと難しいのですが、お客様によってはそのスケジュールでは難しいので、別の方法などを手配しなければならない。と言った、引越し会社の中の人(見積もりを出す人)にとって手間のかかるお見積もりは、そもそも辞退されるケースが目立ちます。

 

つまり、離島の引越しは、見積もりを出すのがちょっと大変。(沖縄を含む)ということです。離島と書くと、人口100人の島。みたいなイメージを持つかもしれませんが、フェリーや鉄道などの限られたスペースや時間の中での調整が必要になる。という意味で言えば、北海道、四国あたりのお引越しも同じことがいえます。

 

また、引越し会社の数が少ない地域は、見積もりを取るのが非常に大変です。引越し会社の数が少ない=人口が少ないともいえますので、地方の引越しは、都市部に比べると大変です。

さらに、地方から地方への移動となると、専用便(チャーター便)を利用しなくてはならないので、もっと大変になります。(都市部は、幹線と呼ばれる定期便が走っているので、そのトラックに乗せてしまえば、安くなりやすい)

そして、今年は大雪の影響もあって、北陸のお引越しが手配しづらくなっています。(北陸へ行くのも、北陸から出るのも)大雪の際に止まったお引越しが、そのまま後ろにスライドして、結果、こなしきれずにこの時期まで来ています。

 

というわけで、地理的に難しいエリアが存在することが、わかっていただけたと思います。最後に手配するために心構えと、方法について書いてみたいと思います。

引越し難民にならないために

まず、引越し会社に依頼しなくてはならない人(荷物量が多い、大型の家具家電が多い)について書きます。

引越し会社に依頼する際には、

・時間指定をしない

これが大事です。時間指定をすると、それだけで見積り辞退というケースが出始めています。できたらラッキーくらいの軽い気持ちでお願いした時間指定のせいで見積もりが出なくなってしまい、自分で自分の首を締める形となってしまいます。サポートセンターからも、時間指定を受けつけないようにお勧めをしています。お気を付けてください。

 

続いて、見積もりを出してもらうために、

・引越し候補日を複数用意する

これも有効です。また社会人の人は有給を使ってお引越しをしましょう。当然ですが、休日ではなく平日の方が空きが出やすいので、先に見積もりをとって、引越し会社の手配を終えてから、有給の申請をする方がいいです。先に有給をとって、それに合わせようとすると、都合が合わないことがあるので、可能性を広げるためにも、引越し候補日を複数用意しましょう。

つまり、何が言いたいかというと、

 

自分の予定に引越し会社のスケジュールを合わせるんじゃない、引越し会社のスケジュールに自分が合わせるんだ!

 

ということです。自分はお金を支払うお客様なのに、なんで引越し会社に合わせるの?と思う人もいるかもしれませんが、この時期、引越し会社にスケジュールを合わせるくらいでないと、手配をしてもらえません。ここはグッとこらえて、引越しをしてもらいましょう。

 

また、大型の家具家電が少ない人は、宅配便+家財宅急便を利用しましょう。当社の新卒入社の子も、このパターンで手配しています。このパターンだと、「引越し」ではないのですが、家財宅急便ならば家財を室内まで運んで設置してくれますので「引越し」に近いサービスになると思います。

http://www.008008.jp/transport/kazai/

引越し会社に依頼する場合に比べると、ハンガーボックスがない、布団袋がない。といったデメリットが発生します。ですが、引越しできないよりはマシと考えた場合、また料金を抑えようと考えた場合の選択肢としては、ベストだと思います。

 

また、違うアプローチとしては、この時期の引越しだから難民認定されてしまうわけですので、引越し時期を変えてしまおう。という考え方もありえます。

4月1日の入社は変わらないよ。という人もいると思いますので、あなた自身が移動するのは3月中に移動をしてください。モノの移動は、引越し代金が落ち着いた、ゴールデンウィーク明けにしましょう。そうすれば引越し料金は半額近くに抑えることができるはずです。

最初の一月は、必要最低限のものを宅配便で送ります。その後、家族や友人、後輩などに預かってもらった家財を送ってもらい、受け取ればいいのです。このプランならば、引越し会社の料金を抑えつつ、引越し会社に多くの家財を運んでもらえますので、おすすめです。

じゃあ、引越し会社に預かってもらえばいいじゃん!という意見もあると思います。この後書きますが、繁忙期に荷物を預かってもらうのは、自殺行為だと思ってください。見積もり出ませんから。

 

繁忙期には、引越し会社にスケジュールを合わせましょうと言いましたが、スケジュールのみならず、引越し会社が嫌がるオプションも付けない方がいいです。なぜなら、見積もり辞退をされるからです。この時期に厳しいのは、前述しましたが

・荷物の預かり(留め置きとも言います)

です。暇な時期ならば、トラックが空いているので、荷物をトラックに積んだまま保管するなどの対処法もありますが、この時期はトラックが空いていないので、どこかの倉庫に一度荷物を下ろして、再度、荷物を積みなおしてお届けするという、作業が発生してしまうのです。

最後に

なんでこんなブログを書こうかと思ったかというと、立て続けに2社から(全国紙を含む)この繁忙期の引越し難民に関する取材を受けたからです。引越し難民というキーワードが今年、猛威をふるってくれているおかげで、このように取り上げてもらえることになりましたが、できれば僕たちが運営する引越しラクっとNAVIという見積もりサービスが、一度のやり取りで複数社の見積もりを簡単に比較できる、素晴らしいサービス!ということで取り上げられたかった。。。

今までの引越し比較サイトと違って、情報をばらまかれて、いろんな引越し会社から鬼のような電話がくることもありません。また、「概算見積もり」という、なんの意味もない見積もりメールが届くこともないサービスなんです。

サポートセンターが引越しをする人と、一度、お話をすることで、引越し会社からシステム内に見積もりが登録されるので、気に入った引越し会社の料金プランを発注するだけ!発注されなかった引越し会社には、自動で見積もりキャンセルがわかるようになっているので、個別にお断りをする必要もない!(単身の場合)

と、宣伝の部分はここまでにしますが、近々、取材を受けた媒体でも紹介されると思いますので、改めてご紹介いたしますが、引越し業界に約10年ほど携わっている僕がお伝えできることは、引越しをする人にとって、今年は 過去最悪 ということです。

 

どういう意味で最悪かというと、

・見積もりを取るのが大変(見積り辞退が多いので)
・料金が高くて大変
・希望の日時に引越しができなくて大変

という部分で、過去最悪の状況と言えます。引越し会社も、人員を増強して対応はしてもらえていますが、それでも受けきれないほどの件数になってしまっております。この時期のお引越しは、引越し会社にとっても大量の依頼に対応しておりますので、ミスやクレームが発生しやすい環境にあります。

可能な人から、前述の方法などを駆使して、引越しの時期をずらすことを検討してください。一番厳しい時期は、トラック協会からも発表されていますが、

3月24日〜4月8日 が、今年のマックスピークでございます。決して、その時期はお引越しをなさらないように。。。間違っても、恐いもの見たさで引越しを依頼せぬように。。。

 

そして、残念なお知らせとしては、この引越し難民問題ですが、今年に限らず、今後数年は続くと予想されます。大臣が人材確保やトラック確保せよ。と言っても、閑散期は暇で仕事がないのに、繁忙期(ピーク)に合わせて、人もトラックも確保できるわけがありません。

つまり、数年はこの状況は続くと思われます。一番早く対応できそうな特効薬は、法人の4月1日人事を減らして、分散させること。これです。新卒一斉採用の廃止も効果的なのですが、ちょっとハードルたかそうですし。すでに一部の大手企業は、決算期の変更や、人事異動のピークを春からずらす企業も出てきています。

この動きが加速すれば、少しはピークがおさまって、引越し難民という言葉も聞かなくなるかもしれません。各企業の人事に関わる方々は、せめて今年だけでも、4月1日の異動ではなく、6月1日へ変更をすることを検討してください。5月1日の異動はすでに複数の企業が対応しつつあるので、今空いているのは、6月1日付の異動です。特にゴールデンウィーク明けからは、落ち着きますので、ぜひご検討ください。

 

もし、僕たちの運営する、引越しラクっとNAVIにて、見積もりを依頼したい!という方は、早めのご依頼をお待ちしております。1日の違いで、状況は全然変わりますよ。

著者投稿者 横川
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