二重家賃の回避方法
今まで住んでいた家や部屋、そして新しく引越す家や部屋の両方がともに賃貸物件である場合、ある程度の期間、二重に家賃が発生してしまうのはやむを得ないことといえます。
二重家賃が発生してしまう理由は、おもに新しく借りる物件の家賃にあります。賃貸住宅の場合、契約が成立した日から家賃が発生します。今まで住んでいた部屋を退去する日に契約が成立すれば二重家賃を払う必要はないのですが、退去日まで新居が決まっていない状況はあまりにも不安です。最悪の場合、しばらくの間住む部屋がないということにもなりかねません。
二重家賃をまったく払わないのは難しいことですが、支払う金額を減らすためにはいくつかのコツがあります。
【1】解約予告してから新居を探す
今まで住んでいた部屋の解約予告をする前に新しい物件を契約していますと、解約予告期間以上の二重家賃が発生することもあり得ます。新しい部屋の物件探しの期間は限定されてしまいますが、まずは今住んでいる部屋の解約予告をして退去日を決め、その退去日にできるだけ近い日に契約できる新物件を探すのが、二重家賃を節約するための最も一般的な方法です。
【2】すぐ家賃が発生しない建築中物件などを予約する
新しい部屋や家の物件を決めても、すぐに家賃が発生しないケースがあります。
代表的なケースが、建築中の新築物件。建築中のマンションなどは完成予定日が近付くと入居者の募集を始めます。その場合、一定の予約金などを払えば入居予約ができて、家賃を払うのは完成して入居が可能になってからでOKということになります。入居可能日が、今まで住んでいた部屋の退去日に近ければ、二重家賃を大幅に節約することができるということです。
また、退去が決まってはいるものの、まだ前の住人が住んでいてすぐには入居できない物件でも同様の節約が可能です。ただし、まだ前の住人が退去していないケースでは、部屋の内見はできないことが多いので、その点は覚悟しておきましょう。
【3】不動産業者や大家さんにお願いする
二重家賃が発生してしまうのは、新しく契約した物件に、契約したその日から日割りで家賃が発生してしまうから。つまり、新しく借りる物件に本当に引越しできる(今までの部屋を退去する日)までの家賃を抑えることができればよいということでもあります。
そのために何をするべきか。シンプルすぎる方法ですが、新しい部屋の大家さんや仲介する不動産業者に事情を相談して、できるだけ新居の家賃を安くしてもらえるように交渉するしかありません。
近年、契約してから1カ月間は家賃無料などといった「フリーレント」サービスが付いた物件も増えています。二重家賃の相談を受けるのは賃貸住宅の関係者であれば珍しいことではありません。臆することなく、正直に相談してみましょう。
また、とくに関東地方の場合、申込書に記入後10~14日以内に入居することが定められているケースが多いことも知っておきましょう。
いずれにしても、どうしても二重家賃を避けたいと思うなら、新居の物件探しの時間が少なくなることを覚悟して、新居の契約申込をするよりも先に現在の賃貸契約を解約することになります。