引っ越し業者へのキャンセルに関する注意点! コロナウイルスの影響は…?
引っ越し業者と契約した後で「キャンセルしたい」というケースがあります。たとえば、ある業者と契約したが、引っ越し自体がなくなった、あるいはもっと安い業者が見つかったなどというケース、さらには今なら(2020年3月現在)、コロナウイルスの影響でやむを得ず、といったケースもあるかもしれません。そうした場合、ユーザーは勝手にキャンセルできるのでしょうか。
結論からいうと、ユーザーの都合でキャンセルすることに問題はありません。ただし、引っ越しの当日は50%、前日は30%、そして前々日は20%のキャンセル料がかかります。
引っ越し料金のキャンセル料って何?
まず、引っ越しのキャンセル料金についてもう少し詳しく見てみましょう。
キャンセル料はどんな時に発生する?
国土交通省が引っ越しに関するルールを定める『標準引越運送約款』には、キャンセル(解約)について以下の規定があります。
一 見積書に記載した受取日の前々日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等(料金にあっては、積込み、取卸し、搬出、搬入、荷造り及び開梱に要するものに限る。次号及び第三号において同じ。)の二十パーセント以内
二 見積書に記載した受取日の前日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等の三十パーセント以内
三 見積書に記載した受取日の当日に解約又は受取日の延期の指図をしたとき 見積運賃等の五十パーセント以内
※国土交通省「 標準引越運送約款 」より
上記の通り、多くの引っ越し業者においては、引っ越しのキャンセル日に応じて以下のキャンセル料が発生します。
・引っ越し前々日のキャンセルまたは延期 ・・・ 引っ越し料金(運賃及び料金)の20%以内 |
・引っ越し前日のキャンセルまたは延期 ・・・ 引っ越し料金(運賃及び料金)の30%以内 |
・引っ越し当日のキャンセルまたは延期 ・・・ 引っ越し料金(運賃及び料金)の50%以内 |
また仮にそのキャンセル理由が病気や事故、悪天候といった予期しない事態であっても、原則としてキャンセル料を支払う必要があります。引っ越しは「雨天決行」と覚えておいてください。
それでは仮に台風や地震などの大きな災害が発生したら?「標準引越運送約款」に「 天災その他やむを得ない事由があるとき 」には「 引越運送の引受けを拒絶 業務を停止」しても良いという記載があります。ただし注意するべきは、このような天災が起こったときに「引受けを拒絶」するか判断するのは、申込者ではなく引っ越し業者であること。
ですので、もし台風が接近している、既に暴風域に入っている、自然災害が起こった場合などは、ご自身でキャンセルの判断を行わず、必ず引っ越し業者にキャンセル・延期ができるかを確認するようにしてください。
今般のコロナウイルスの流行についても、まだ各引っ越し会社や行政、業界団体からの正式な発表はありませんが、上記に含まれる可能性があります。どうするべきか迷ったら、ひとまず引っ越し業者に相談してみてください。
なお上記については、引っ越しのキャンセルだけでなく、日程変更や延期をした場合も含まれますので、日程を決める際はその点も十分考慮してください。
なお、冒頭で一部をご覧いただいた「標準引越運送約款」について、これと全く同じ内容を採用している引っ越し業者が多いのですが、中には国土交通大臣の許可を受けて、独自の約款を利用している業者もあります。その場合は独自の約款内容が適用されるので、契約にあたってはその内容をきちんと理解することが大切です。
キャンセル料の発生する対象は?
続いて、キャンセル料の対象についても見てみましょう。同じく「標準引越運送約款」に、「解約手数料とは別に引越業者が既に実施し、又は着手した附帯サービスに要した費用(見積もり書に明記したものに限る。)を収受します」という記載があります。
これの意味するところとして、例えば見積もり訪問の際に段ボールやガムテープなどの梱包資材を受け取っていた場合、 キャンセル時点でこれらを既に使用していたら、ほとんどの場合実費を支払う必要があります(もし未使用であればそのまま送料負担で返送すれば大丈夫です)。万が一キャンセルした場合の梱包資材の取り扱いについては、梱包次第を受け取る段階で確認しておきましょう。
また「附帯サービスに要した費用」については、例えば不用品処分や引っ越し荷物の一時預かりなど、オプション的なサービスの費用も含まれます。キャンセル前にこうしたサービスを利用していた場合は、その分の料金を請求されますのでご注意ください。
そしてもう一点、外部の業者が引っ越しに関わっているケースでも、キャンセル料が増額となる場合があります。「それ以外の業者」というのは、例えばピアノの運搬を専門にしている業者や、ペット輸送を請け負っている業者、車の輸送を行う業者などです。
上記のような業務は引っ越し業者だけではまかないきれないことがありますので、その場合は引っ越し業者が各専門業者に外注を行います。その業者がすでに当日のスケジュールを押さえてしまっているケースでは、その業者へのキャンセル料も請求される可能性がありますので、見積もり時に確認しておきたいところです。
キャンセルしたい場合の対応
それでは引っ越しをキャンセルするには、どのように連絡するのがよいでしょうか?
メールでやり取りをしている場合は、その返信で伝えることもできますが、それだとお互いの確認にタイムラグが発生したり、何度も確認のやり取りが発生する場合も。その点で一番早くて確実なのは電話連絡です。担当者にキャンセルの旨を伝えることで、その場で確認を取ることができます。
そしてキャンセルする理由については、たとえそれが引っ越しの延期や中止であっても、より費用の安い他社への乗り換えであっても、その通りに伝えるのがベストです。言い出しにくいかもしれませんが、下記の記事にもあるように引っ越し会社からすれば「答えがはっきりしないのが一番辛い!」 ものです。
それよりも心掛けるべきは、引っ越しをキャンセルすることになった時点ですぐに連絡することです。
引っ越し業者も、引っ越し予定日に備えてトラックや搬出・搬入スタッフを確保しているため、キャンセルすることが早めに分かった方がその後の諸々の処理がしやすくなりますので、どんな理由であれキャンセルの連絡は早ければ早いほどトラブルになる確率が低くなります。
なお、 キャンセルなどの連絡が苦手という方は、弊社「引っ越しラクっとNAVI」をご利用の場合、お申し込み後もマイページ内の「引っ越しの依頼を中止する」ボタンを押すだけでキャンセルが可能ですので、もしよろしければご検討ください!
キャンセルへの対応、各業者に確認を
最後に、悪質な業者の場合は法外なキャンセル料を請求されてしまうケースもあるようですが、一方でアップル引越センターさんのように、キャンペーンで当日までのキャンセルを無料にしている業者もあります。キャンセルに関する規定1つとっても各社対応は様々ですので、あらかじめ見積りの際にしっかり確認しておいてくださいね。