空き家が増えると犯罪率が上がる?そんな未来を迎えないための解決策
ニュースを読んでいたら、こんなニュースが立て続けにでてきたので、はて?と思いまして、エントリーにしてみました。
空き家が増えている問題
野村総合研究所のニュースですが、「住宅の除却・減築などが進まない場合、2033年には空き家が2,000万戸超へと倍増」
タイトルの通りなんですが、どんどん新築で住宅を作るものの、人口は減っていくので、空き家がどんどん増えますよ。というお話です。2013年の実績値で、全体の13.5%が空き家なのですが、これが20年で倍以上に増えると予測しているわけです。
空き家が増えると、犯罪も増えると言われています。なぜかというと、空き家が増えると、管理がおろそかになり、壁が崩れたり、雑草が放置されたり、ゴミが不法投棄されたりして、景観が悪化します。そして、放火や、不法侵入といった犯罪が誘発されてしまいます。
割れ窓理論というのがあって、割られた窓ガラスを放っておくと地域への関心が薄れて同様の軽犯罪を招き、やがては凶悪犯罪につながるという学説です。詳しくはリンク先のWikipediaで確認してみてください。
でも、なんとなくわかりますよね?空き家だとわかっている建物でも、綺麗な状態だと入ろうとは思いませんが、窓が割れていて生活感がないと、肝試しでもやってみるか?なんて不法侵入しちゃう人がでてきてもおかしくないわけです。
そんなわけで、空き家が増えることはあまり望ましくないわけです。
(リンク先より拝借しました)
空き家は右肩上がりで増え続けています。実績値でみても、上がっていますし、これからも下がることは見込みにくいですね。なぜならわざわざ、空き家をコストをかけて更地にするよりは、放置すればコストは0です。更地にして、売れればいいですが売れない土地であれば、なおさら更地にすることは見込めません。
宿泊施設が足りない問題
一方で、ニッセイ基礎研究所というところでこんな記事がでていました。
要旨を引っ張ってきました。
現在、都市部を中心にホテル客室の逼迫度が高まっている。多くの主要都市で客室稼働率は過去10年間の最高水準を更新している。客室需給の逼迫は、訪日外国人旅行者数の大幅増加、日本人の国内宿泊者数の反転増加、ホテルと旅館の客室数が過去20年間横ばいで推移していることなどが理由である。しかも、毎年8月には日本人の国内旅行が大幅に増加することから、この夏にも宿泊施設不足がさらに深刻化する可能性が高い。ホテル客室数の不足を埋めるように、ホステルやカプセルホテルなど簡易宿所や民泊における宿泊が急増している。ホテル客室需給が逼迫する現在の状況下では、オフィスなどの宿泊施設へのコンバージョンや民泊による宿泊施設の新規供給は不可欠と考えられる。政府による規制緩和の動向を注視し、それを最大限活用した適切な新規供給が行われることが望まれる。
円安で外国人旅行客が増えて、ホテルが高稼働になり、ビジネスホテルで1室3万円という通常の3倍の料金がつけられることもあるそうです。旅館は減っていて、ホテルをすぐに増やすのは難しいので、ホステルなどの簡易宿所が急増しているとのことでした。また、Airbnbに代表される民泊ビジネスが拡大していると伝えています。
(リンク先より拝借しました)
たしかに、グラフを見ればわかりますが、客室数は横ばいなのに、訪日の外国人が増えて、国内旅行者が増えて、稼働率が上がっているのは想像できますね。
足してみると
この2つの問題を見ると、すごいシンプルなお話ですが、マイナスとプラスというか、凸と凹というか、そんな気がしませんか?空き家を簡単に貸すことができれば、貸すために管理をしっかりと行うだろうし、正常な状態を保てるわけです。そうなれば、街も荒廃しなくて、貸す側は手数料が入って、借りる側はホテルじゃなくても寝泊まりする場所が供給されるわけです(しかも安く)。
例えば、若い人がいなくなった団地を、安めの宿泊施設とすれば、人の出入りもあって、地域自体が今よりも活性化される気がしませんか?今の問題は、以前のエントリーでも書きましたが、旅館業法の問題です。時代にあった法律へと改正し、インバウンド需要を取り込むだけじゃなく、地域の荒廃を阻止する手段として、また新しい収入源を確保できるようになれば、年金に頼らない将来を迎えることができる人が増えるはずです。
だからといって、社会福祉を減らせるわけではありませんが、少しでも明るい未来を思い描く材料にはなりますよね。ぜひとも法改正で今のグレーな状態を適法としてもらいたいものです。