江戸時代の大坂で発展した「裸貸」って?
多くの町人が長屋暮らしをしていた江戸時代。大坂(現在の大阪)で発展したのが「裸貸(はだかがし)」と呼ばれる賃貸住宅のシステムです。
賃貸物件である長屋は板張りがむき出しのままで何もなく、家財道具はもちろん、畳や建具まで借りる人が自分の好みや経済事情に合わせて道具屋から購入したり、「損料屋」と呼ばれるレンタルショップで中古の家財道具を借りたりして暮らしていたのです。
この仕組みが畳の大きさや建具の寸法を規格化することにつながり、道具類の汎用性を高めたため、物の売り買いが活発になったり、生活道具がレンタルしやすくなったりすることでエコロジーにも役立ちました。
家財道具のレンタルは最近になって再び注目されていますが、実は、日本では伝統的なシステムだったということです。
また、近年では「スケルトン」と呼ばれるスタイルの賃貸住宅が登場してきています。これは、物件自体は構造が丸見えの状態で、内装や時には間取りまで入居者が自由にアレンジできる方式です。まさに現代の「裸貸」!
大阪では、戦前までこの裸貸の賃貸住宅が一般的に普及していたそうです。