100円から試せる!普通の賃貸を防音物件に変える方法
2020年5月8日追記:本記事でご紹介しているアイテムは、新型コロナによる自粛に伴うリモートワークのための防音にもご活用いただけますので、よろしければご確認ください。
前回の防音物件の探し方では、高い防音性のお部屋を探そうと思うほど、お部屋の条件が限られて物件探しが難しい実情をお伝えしました。
そこで今回は、ある程度条件が希望にかなっている普通のお部屋を、防音のお部屋に変える方法。音楽活動をしている筆者が試行錯誤しながら効果を実感しているやり方をご紹介します。
鉄骨造のマンションに住んでいるので防音性はさほど高くありませんが、家で作曲をしたり、歌を録ったり演奏を録ったりするので、わりと大きめの音を出すときもあります。
防音物件ではないですが、一応その程度の音を24時間「だましだまし出せる環境」です。それはなぜか…?理由は二つあります。
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1.音楽作業部屋を他のお宅と隣り合わせない
1つ目は、音楽作業部屋を、他のお宅と隣り合わせないことです。僕の家は最上階角部屋。この時点で、片一方の隣と上階への配慮は不要となります。
加えて、メゾネットタイプで下階も自宅、2F部分は2部屋あるのでもう片一方の隣も自宅の部屋。つまりは、四方はすべて自宅のテリトリーなのです。
このような配置にするためには、2Kや2LDKを狙って探しましょう。そして、ただ単にお隣さんとの間に1部屋あけるだけではなく、自分でできる範囲の防音施工をすれば、問題なさそうだとわかりました。
とはいえ、楽器が許されている物件以外は、契約書に「楽器等の演奏不可」とほぼ確実に記載があるため、ダメなものはダメと理解しておく必要があります。(強制退去や、迷惑条例などで法的処置が下る可能性もあります)
なお国交省が発表している「賃貸住宅標準契約書」でも、借主に禁止する事項として次の項目を記載しています。
大音量でテレビ、ステレオ等の操作、ピアノ等の演奏を行うこと。
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000023.html
また、楽器演奏が可能な賃貸物件の場合は下記のような特約が契約書に盛り込まれることが多いようですので、ご参考までに。
楽器演奏に関する記載があるものの例として、”第何条(禁止又は制限される行為)何項を除外し、何時から何時までこの物件は楽器演奏可”などとなります。
2.賃貸でもできる防音(騒音)対策
仮に契約上OKであっても、一度苦情を受けてしまうと、ちょっとの音でも苦情に繋がってしまいます。また、ご近所との関係も悪くなり、強制退去にはならずとも、割かし早い段階で引っ越すことになるでしょう。
そうならないために、できる事はやっておきましょう。ここで賃貸でもできる防音・騒音対策をご紹介します。
カーテン、カーペットを防音仕様のものにする
結論からいうと、カーテンくれないさんが出している、【SHIZUKA】がお勧めです。
防音・遮音カーテン 「シズカ」 一級遮光・プリーツ加工|カーテン通販 くれない本店
遮音、断熱効果は、一般的な遮音カーテンなどよりも優れており、形状記憶加工なのでデザインも適度に高級感があります。僕の部屋は、小さな窓と、ベランダの窓、両方ともこのSHIZUKAをつけています。
ある時とない時で、音を鳴らして検証しましたが、かなり音漏れが減りました。話し声程度であれば、ほぼ聞こえず。ただし、スピーカーの低音や打楽器の音は外まで抜けてしまうのでご注意を。
カーペットは、日東紡マテリアルさんが出している【静床ライト】が断然お勧めです。
建築資材などを販売している会社が出しているということで、効果は折り紙つき。楽天などの通販サイトでも軒並み1位を獲得している人気商品です。50cm四方のパネル販売なので、色違いで配置することも可能。
ホームセンターなどに売っている大きめのカッターで簡単に切れるので、部屋の形に合わせて配置できます。また、丸洗いもできるので、子ども部屋などにも最適ですね。
厚さ9.5mmと分厚く、かなりの重量感なので、商品到着時の移動で腰を痛めないように注意が必要です。(配送業者は軒先までしか運んでくれません。)ちなみに僕は15枚ほど頼みましたが、とても一人では運べないほどの重量でした。
僕の部屋は、この【静床ライト】の下にもう一枚、ゼオン化成さんが出している【サンダム E-45】という防音ゴムマットを敷いています。厚さ4.5mmと、静床ライトよりは薄いものの、ゴム製なのでこちらも結構な重さです。サイズは91cm四方と少し大きめ。こちらもカッターでカットできますが、ゴムなので硬いです。
防音マット サンダムE-45 (E45) (4枚入/1坪分)階下への防音に!
この合わせ技は、ほんとうに すごい です。
足音や物を落とした音などを下階で感じることはまずありません。また、スピーカーの低音や打楽器の音もかなり減少します。
部屋を歩いてみても、下の階に響いている感覚は一切なく、カーペットに衝撃がすべて吸収されているような印象です。メゾネットタイプなので、実際に下階で音を聞きましたが、大音量で音楽を流しても何も聞こえませんでした。
真下の部屋ではないからかもしれませんが、あそこまで音がなくなるとは思っていなかったので感動しました。
運んだりカットしたり、配置までは少し大変ですが、その価値はあると思うので、ぜひお試しを。
壁に吸音材を貼る
次に、壁の振動を減少させるために、吸音材を貼るという方法。音の反響も防ぐので、レコーディングスタジオなどにも使われています。(歌などを録るときに、余計な反響が入らないようにするため)
僕の部屋に貼っているのは、東京防音さんが出している【ミニソネックス】という吸音材です。お手頃な値段で、はさみでも切れるので部屋のどこにでも貼れてお勧めです。スポンジのような素材で、表面がでこぼこしています。
吸音材 (ミニソネックス・ホワイトキューオン・エステルウール等)
僕のような賃貸物件での取り付けの際は大きな穴を空けられないので、虫ピンや、はがせる両面テープで貼るといいと思います。
僕は壁と天井に貼りましたが、壁ははがせる両面テープ、天井は虫ピンにしました。ただし虫ピンでも小さな穴は空くので、原状回復のことを考えてから貼りましょう!(下記の国土交通省によるガイドラインには「画鋲まではOK」である旨記されていますが、賃貸契約書に「画鋲の使用不可」などの項目があるケースもあります)
3.超簡単!100円からできる防音対策
と、ここまで、なんだかんだお金かかるじゃん…と感じてしまったかもしれませんが、もっと手軽に、安くできる方法もありますので、ご紹介します。
窓、ドアの隙間テープ
ホームセンターや、100円ショップにも売っている隙間テープを貼りましょう。これは、ドア枠や戸当たりに貼って、すきま風や音漏れを防ぐアイテムです。
https://www.instagram.com/p/BgNnrHfhpjh/?utm_source=ig_web_copy_link
簡単に剥がせるものがほとんどで、部屋の景観も損ねないのでお勧めです。ただし、ドアや窓が少しだけ閉まりづらくなる場合もありますのでご注意を。最悪閉まらなくて失敗しても、100円で済めばリスクは少ないですよね。
段ボールで簡易防音壁をつくる
段ボールを繋げたり重ねたりして、手作りの防音壁を作って窓側や壁側に置けば、ある程度の防音効果が期待できます。
引っ越し後であれば、邪魔なくらいに段ボールは余っていると思いますので、費用はタダですね。僕は窓に段ボール防音壁を置き、その上からレースカーテン、カーテンSHIZUKAという3重構造にしています。
ベランダに出て音漏れを確認しましたが、カーテン有り無しよりも防音効果を感じました。たかが段ボール、されど段ボールですね。ただし、つなげたり重ねたりするとそこそこの重量があり、運ぶのが大変なうえ、窓側に置きっぱなしにすると日中も部屋は真っ暗です。
僕はベランダにほぼ出ないので、そちら側は段ボールで閉鎖して、小さい窓の方で日当たりを確保しています。
窓に結露防止シートを貼る
これも100円ショップに売っているアイテムで、貼ることで窓の結露を防ぐわけですが、少し分厚いシートなので、貼るだけで窓の振動を防げますので、外からの音も中からの音も、漏れを軽減できます。
効果としては、ないよりはマシ程度ですが、騒音が気になる方にとっては気休めになるかと思います。
レンタル防音室や簡易防音室を部屋に置く
これだけは試してませんが、設置料や運搬料、空調問題などあるので、時間やお金に余裕がないときついです。また、賃貸でも設置は可能ですが、オーナーさんに許可を取る必要がある場合もあります。
一応、僕が知っているお勧めの防音室を紹介します。
ヤマハ楽器レンタル・防音室レンタル「音レント」 | トップページ | 株式会社ヤマハミュージックジャパン
皆さんご存知のヤマハ製の防音室です。設置には業者の工事が必要。月額10.500円(税抜)からレンタル可能で、そのまま使い続けて購入することも可能です。
その場合はレンタル料として払ってきた金額が購入費用として換算されるため、残りの代金のみで買い取れます。広さは0.8畳~2.5畳ほどなので、演奏ブースや書斎スペースとしての用途がメインですね。
個人的には5畳以上必要であることと、作業時間がかなり長いため、室内温度や閉所問題がありそうで断念しました。
【公式】段ボール製の簡易防音室「だんぼっち」家でのカラオケに!ゲーム実況に!
こちらは名前で予想できるように、段ボール製の防音室です。お手頃価格で、設置工事不要、使わないときは解体できるという優れもの。
軽量で強度の強い段ボールを使っており、経年劣化も少ないので、段ボールとはいえ使い捨てというわけではありません。ノーマル、トール、ワイドと3サイズで、公式吸音材セットもあり。
歌声の防音に優れており、カラオケや歌の収録に最適のようです。だんぼっち内にパチンコ店内程度の音が鳴っていても、外には小さめのテレビの音くらいしか漏れないという驚きの性能…。
しかし、お手頃とはいっても一番安いもので59,800円。僕は広さや空調問題もあるため、手を出しませんでした。
個人的には、防音室を設置するくらいなら、レンタルスタジオの近くの安い物件に住んで、スタジオに通った方が早いし安いと思います。設置した防音室の大きさ分、部屋が狭くなるわけですしね。
それでも、プライベートな防音スペースが欲しい方は、アビテックスやだんぼっちも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
さて、僕が知っている防音(物件)についての知識は一通りお話ししました。想定していたよりかなり長くなりましたが…。
賃貸物件で音が気になる方は、参考にしていただけたらと思います。
最後に念のためもう一度書いておきますが、一般的な賃貸物件では楽器演奏は許されていません。
ダメなものはダメというのを分かった上で、読んでいただければ嬉しいです。
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