引っ越し前の冷蔵庫、電源はいつ切っていつ入れる?
冷蔵庫は、引っ越しの際に取り扱いを注意したい家電製品のひとつ。準備や扱いを間違えると、故障して引っ越し先で使えなくなるリスクもあります。
早めに電源を切るほうがよいとは知っていても、冷蔵庫のコンセントの抜くタイミングや入れるタイミングがいまいちわからないという方もいるのでは? そこで今回は、冷蔵庫を安心して運ぶための基本をまとめました。
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引っ越し前に冷蔵庫の電源を切るのが遅れるとこんなトラブルが!
「引っ越しの前日には、冷蔵庫の電源は切っておくもの」ということは、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。では、何のためか、ご存知ですか?
引っ越しなど、運搬の必要が発生したとき、冷蔵庫の電源を早めに切る理由は、簡単に言えば水漏れ対策。冷蔵庫の「霜取り」「排水」をし、運搬時の水漏れとそれに伴うトラブルをなくすためです。
「霜が溶けて水が漏れる」「製氷皿の氷が溶けて水が漏れる」「庫内に付着していた水分が漏れる」…運搬中にこういった水漏れが発生すると、他の荷物が濡れてしまったり、冷蔵庫自体も故障の原因となるので気をつけましょう。
目視で霜がついてなければ大丈夫かな、という判断はちょっと待って。冷蔵庫は、電源が入っている間は、内部の冷却器が動いていて、この冷却器に霜がついているからです。季節にもよりますが、霜が溶けるまでにはかなり時間がかかるので、忘れずに早めに電源を切るようにしましょう。
ただし、最近の冷蔵庫は霜取り機能がついているものも多く、「水抜き」は必要だけれど、電源は直前に抜けばOKというものも。ご利用の冷蔵庫の取扱説明書を確認しましょう。
引っ越し前の冷蔵庫、電源はいつ切るのが正解?
では、具体的には、どのくらい前に冷蔵庫の電源を切ればよいのでしょうか? 最近の冷蔵庫は、自動霜取り機能がついていて直前に電源を切って「水抜き」するだけでよい機種もありますが、そういった機能のついていない場合で見ていきましょう。
「霜取り」をするなら15時間前には電源を切る
電源プラグを抜いても、すぐには霜は溶けません。
引用:【冷蔵庫】 引越しなどで冷蔵庫を運搬/移動する際の注意点は? (パナソニック)
ドアを締め切った状態などでは、冷却器の霜が溶けるまでかなりの時間を要します。
※冷蔵庫の電源を切ってから冷却器の霜が溶けるまで約15時間以上かかります。
(機種や運転状態、季節、設置環境によって異なります)
つまり、電源を切って「霜取り」をする必要がある冷蔵庫の場合、移動の15時間前に電源を切る必要があります。
ということは、午前9時から引っ越し作業が始まる場合は、遅くとも前日の午後6時にはコンセントを抜いて、電源を切った状態にしておいた方がよいということです。慎重派の方は、さらに早めに電源を切っておくとより安心ですね。
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引っ越し当日までに必要な冷蔵庫の準備
ここからは、引っ越しの際に必要となる冷蔵庫関連の作業について、順を追って説明していきます。なお、これから解説する作業に関しては、冷蔵庫自体の機能によって必要・不要が分かれるものもありますので、ケースバイケースで参考にしてください。
冷蔵庫の中身の整理
冷蔵庫の食品を無駄にしないためには、引っ越し当日に向けて計画的な準備が大切です。
調味料など常温保存が利くものは保冷バッグなどに梱包し、生鮮品などは食べるか処分するようにしましょう。
冷凍食品などは保冷バッグに入れても溶けてしまう可能性が高いので、事前に食べて消費しておく事をおすすめします。
冷蔵庫に入っていた物をそのままダンボールに入れると、結露によってダンボールが濡れてしまい、搬送時に破れて破損する可能性がありますので、保冷バックなどを利用するようにしましょう。
遠距離の引っ越しの場合、梱包した荷物が届くまでに1日前後要する場合がありますので、保冷バッグなどでの保存を考えずに、すべて使い切るか処分するようにしてください。
霜取り
最近の冷蔵庫は、内臓されているヒーターが霜を溶かす「霜取り機能」がついているものも増えました。溶けた水を蒸発皿から捨てればよいだけのものや、溶けた水自体が蒸発皿から自動に蒸発するタイプのものなどがあり、そうした機種の場合は、「霜取り」は不要です。
霜取りが必要な場合も、方法は簡単。冷蔵庫の電源を切って扉を開けた状態にしていると徐々に霜が溶けてきます。既に触れたように、霜が溶けるのに約15時間程度かかりますので、移動開始予定から逆算して早めにコンセントを抜くようにしましょう。
今回は、引っ越しのために冷蔵庫の電源を切って霜を溶かすことが前提ですが、目に見える部分の霜取り用のアイテムとして、一般的にはカー用品として利用されているアイススクレーパーを使用すると効率的に取ることが可能です。
霜が1センチ以上の厚さになってしまっている場合は、予めドライヤーで少し溶かしすという方法もあります。
霜を除去しようとして、アイスピックなどで霜を突かれますと、庫内を傷つけたり、誤って配管にささり、冷媒ガスが漏れる恐れがありますので、お控えください。
引用: 【冷蔵庫】 冷蔵庫に霜が発生している、どうすれば? (パナソニック)
水抜き
冷蔵庫には蒸発皿という部位があり、使用中はこの蒸発皿に水が溜まっている状態です。そのため、蒸発皿から水を取り除いておかないと、搬送の際に水漏れを起こしてしまいますので、忘れず排水するようにしましょう。
蒸発皿に関しては、冷蔵庫の下に取り付けされているものが多いですが、場合によっては裏面にあったり、機種によっては取り外しができないこともあります。水抜きのやり方については、それぞれの機種の取扱説明書に記載されていますので、忘れずに確認しておきましょう。
また、冷凍庫に残っている氷、製氷皿に水を入れている場合も処分をし、水分は拭き取るようにしましょう。
掃除
冷蔵庫の中の物を片付けてみると、食べカスや調味料がこぼれた跡があったり、思いがけない汚れが見つかることも。せっかくの機会なので、冷蔵庫の庫内、外装、背面、床部分などしっかりキレイにしておきましょう。
軽い汚れならば、お湯で濡らした雑巾で拭くだけでもいいですし、キッチン用洗剤や重曹などを利用する方法もあります。ただし、洗剤やぞうきんの種類によっては、冷蔵庫の庫内、外装などを傷つける恐れがあるので、使用前に取り扱い説明書は確認するようにしましょう。
ドア、塗装面やプラスチック、ガラス面を傷めたり、変色させたりする場合がありますので、次のものは使わないでください。
・アルカリ 、弱アルカリ性の台所用洗剤(中性以外)、ガラス用洗剤、塩素系漂白剤
・ たわし、研磨スポンジ、化学ぞうきん
・ みがき粉、粉石けん・ ベンジン、シンナー、アルコール
・熱湯
引用: 冷蔵庫のお手入れはどうしたら良いですか? (日立)
引っ越し後に冷蔵庫のコンセントはいつ入れる?
こちらも最近では、設置後にすぐに電源を入れても問題のない機種も少なくありません(ただし、電源を入れたあとでコンセントを抜いた場合は、次に差し込むまで7分以上開けるなどしてください)
こういった機能がついていない冷蔵庫の場合は、引っ越し先に運び込んだからといってすぐに電源を入れるのは控えてください。 冷却するための装置に含まれる冷媒が液体であるため、設置してすぐには安定せず、そのまま電源を入れてしまうと故障の原因になるからです。 設置から1時間ほどしてから電源を入れるようにしましょう。
冷蔵庫の運搬は二人以上で。車での横積みは厳禁
引っ越し会社に依頼する場合は、プロなので問題ないと思いますが、トラック等、運搬する車に積む際には横積みは厳禁。圧縮機の故障の原因となるので、立てた状態で積み込みましょう。
万が一寝かせた状態で運搬した際は、設置から1時間ではなく1日(24時間)前後間隔を開ける事で故障を避けられる可能性もあります。
引越しの時に冷蔵庫の中身をクーラーボックスで運ぶ方法
さて、ここまで見てきたように、引っ越し当日までに冷蔵庫の中身を上手に消費できることが理想ですが、調味料などもあり、そうそう上手く空っぽにはできませんよね。そこで、冷蔵庫の中身を運ぶ方法についても解説しておきます。
今回使用するのは、クーラーボックス。 クーラーボックスにもさまざまなタイプがあり、大きく分類するとプラスチック製でしっかりボックス状になっている「ハードタイプ」、ポリエステルなどで作られていて、使用する時だけボックス状になる「ソフトタイプ」に分けられます。
自宅にクーラーボックスがなく、新たに用意する必要がある方には、安価な「ソフトタイプ」がおすすめ。数百円程度で手に入るものもあるので、探してみてください。
次に方法についてですが、保冷剤がある場合は冷やした保冷剤を、無い場合は凍らせたペットボトルや袋に詰めた氷を使用し、あとは冷やしておきたいものを詰めていくだけです。
クーラーボックスは保温性に優れていますので、保冷剤や氷が無くてもある程度冷えた状態を維持できますが、より確実性を高めるのであれば保冷剤などを用意しましょう。洋菓子などの一時保存用によくついてくる保冷剤が溜まっていれば、それを使ってもOKですし、キャンプ用などの市販品であればより長持ち(16時間保冷が持続するものも)します。
ただし保冷剤などを使ったとしても外気の影響は受けてしまいますので、真夏よりも真冬の方が長時間の維持が可能です。
引っ越し業者によっては、オプションでクーラーボックスの貸し出しを行なっている業者もありますので、業者を決める際にチェックしてみるのも良いでしょう。
クーラーボックスは発泡スチロールボックスでも代用可能
クーラーボックスと同様の保温性を持っているアイテムとして、発泡スチロールのボックスでも代用可能です。しかし、持ち手がついていることの多いクーラーボックスとは違い、肩に掛けたり取っ手を持ったりはできないことが多いので、車などの運搬手段がない場合は、大きさを含めて検討が必要です。
そもそも、発泡スチロールのボックスを家に常備している方は少ないかもしれません。近所のお店などから貰ったりする際は、生魚が入っていたボックスはニオイの面で難がありますので、避けるようにしましょう。
100円ショップやホームセンター、ネット通販などでも販売していますので確認してみましょう。
引越しで冷蔵庫の中身をクーラーボックスで運ぶ場合の注意点
冷蔵庫の中身を運搬するのに便利なクーラーボックスですが、物の入れ方や運び方などについていくつか注意点があります。
注意点1:保冷剤や氷などは一番上に置く
冷気は上から下へ降りていきます。クーラーボックスに食材を入れるときに、保冷剤を下に置いてしまうと思うように冷えない場合があるので気をつけましょう。
クーラーボックスに冷蔵庫の中身を詰め、最後に蓋をするように保冷剤などを乗せてみてください。
注意点2: 物を詰め込みすぎない
クーラーボックスの容量が大きいと、ついどんどん入れたくなってしまいますが、パンパンに詰めてしまっては冷却効率が悪くなってしまうのでほどほどに。
感覚としてはボックスの7分目くらいを意識し、上部4分の1くらいは空間を作るようにしましょう。とくに、クーラーボックスを使用する時間が長い場合や、暑い時期などは注意しましょう。
注意点3:ペットボトルを保冷剤として使う場合は注意が必要
保冷剤代わりにペットボトルに水を入れて凍らせる際は、満タンに水を入れず、少し空間を作った状態で凍らせるようにしてください。そうすることで、内容物の膨張による破裂、破損などを未然に防ぐことが可能です。
注意点4:水漏れ対策はしっかり行っておく
氷やペットボトルなどを使用する場合、運搬中に水漏れを起こしてしまうケース、結露による水濡れが起こってしまうケースなどが危惧されます。
結露に関しては多少仕方ない部分はありますが、水漏れは注意すれば防げますので、ビニール袋を2重にするなどの対策をしておきましょう。
注意点5:生鮮食品は避ける
保冷剤や氷などによって冷やすことができるといっても、万能ではありません。あくまで一時的な対応になるため、生鮮食品の類をクーラーボックスで運ぶことは控えましょう。とくに生肉や生魚などの鮮度を長時間維持するのは困難です。
傷んだものを食べて体調を崩さないためにも、食品を無駄にしないためにも、生鮮食品は引越し前に食べ切るようにしましょう。
また、常温保存可能品を除く乳製品などについては、未開封であってもクーラーボックスでの移動は避けた方が無難です。
どうしても運びたいものは「クール便」を活用
冷凍食品を買いだめしている場合など、引っ越しまでに食べ切るのがむずかしく、かといって全部処分するのはもったいないと感じるときは、最終手段として冷蔵ものを運んでくれる宅配の「クール便」を使用するという裏ワザもあります。
冷蔵庫の中身を旧住所から新住所宛てに送ることができ、日にちや時間帯なども指定できますので、引っ越しの翌日など、ある程度余裕を持って受け取ることが可能です。
ただし、冷蔵機能を備えたトラックで運ぶ「クール便」は通常の宅配便よりも配送料も割高。もしものときの裏技という認識で、まずは引っ越し前日までに食品を極力食べきる→自分で運ぶ→クール便という順番で検討してみてください。
まとめ
引っ越し時の冷蔵庫の取り扱いと、中身の運搬方法について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最近の機種だと、霜などのトラブル対策が施されているため、移動の直前に電源を切ったり、設置後すぐに電源を入れてしまっても問題ないケースが多いですが、念のため頭に入れておくと良いでしょう。
目安として時間や日数などを挙げてきましたが、「何のためにこの時間が必要なのか」という点を頭に思い浮かべて作業を行なうことで、自ずと必要な時間も割り出されてくるかと思います。大切なのは、お使いの機種の取扱説明書をきちんと読み、注意点を確認しておくことです。
なお、“引っ越しにあわせて冷蔵庫を買い替える”というのも1つの方法です。今回紹介してきたような手間を掛けたくないという方は、買い替えを選択肢に入れてもよいかもしれません。
処分費として4,000円~5,000円程は掛かりますが、引っ越しの際に買い替えてしまった方が、後で冷蔵庫だけを買い替えるよりも搬入や設置が楽ですので、買い替えもおすすめしておきます。
トレファク引越さんのように、引っ越しに合わせて不用品を買い取ってくれる引っ越し会社さんもありますので、そうした業者さんをお探しの際はぜひ弊社コンシェルジュへご相談ください。料金交渉から日程調整まで、皆様のお引っ越しを最初から最後までサポートさせていただきます。
また中身の運搬についてですが、まずは引っ越し前に冷蔵庫の中身をカラの状態にすることが前提で、応急処置のような方法としてクーラーボックスを使う手段があるということを覚えておいてください。
生鮮食品や冷凍食品などはできるだけ食べ切り、どうしても食べきれなかった分や、使い切れない調味料(特に容器からこぼれる液体調味料)などは、なるべく事前に処分するのが得策です。
いずれにしても引っ越し当日になって慌てないように、早めの準備を心がけてくださいね!
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